モデラーな日々 とれいんスタッフブログ

月刊とれいんスタッフの,模型と格闘していたりしていなかったりする日々をお送りします.

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月刊とれいんスタッフの,模型と格闘していたりしていなかったりする日々をお送りします. ※2016年5月よりLivedoorブログにお引っ越しいたしました.

早いものでもう12月.100冊目の“レイル”を皆さんにお届けしてからでも,ひと月以上が経ってしまった.いつも通りにエピソードを記しておきたいと思いつつも…….

月刊誌“レイル”が創刊されたのは昭和53/1978年春.3月5日に発売の4月号だった.国鉄を退職してからうちの会社に来てくださった,黒岩保美さんが渾身の力をこめてスタートさせてくださったものです.
 月刊誌としての“レイル”は,途中で若年層向けの月刊誌“マイレイル”と合流しつつ,25冊続いて“お休み”となり,昭和55/1980年夏には,“とれいん”の増刊号として,特集形式の出版物に変身,再出発します.版型もB5からA4変形(レターサイズ)となり,面目を一新しました.最初のテーマは,LSEこと7000形の登場を目前に控えた“小田急ロマンスカー”でした.
 レイルでは,大きなテーマの論考は,1冊のほとんど全部を使ってでも,できるだ分割しないで掲載,一方,地味で小さな題材は,他の稿と組み合わせて発表 のチャンスを増やすというように,柔軟な構成を心掛けてきました.ナンバーを振って連続性を持たせているので,補遺や,探求のその後進展結果なども自然な 形で発表できます.これらも黒岩さんのアイデアが原点です.
 このような手法は,時として理解してもらえないこともあります.けれど,趣味的に大切な研究を世に埋もれさせない方法の一つであると思っているのです
 昭和58/1983年には雑誌の増刊号から,現在と同じ書籍の扱いとなりました.読者の皆さんからは同じように思われるかもしれませんが,本屋さんの取り扱いは全く異なります.雑誌とは“終わりを予期せぬ定期刊行物”であるのに対して,書籍は,“単行本”とも呼ばれる通り,個々が独立した作品です.
 今でいえばムック的な性格を与えられたことになるのでしょうか.ちなみにムックとは,“MAGAZINE+BOOK=MOOK”という造語です.
 当時,これら一連の変遷に対して,和久田康雄さんからは“なんたる気まぐれ”と揶揄されてしまいましたけれど,それは衆目の一致する感想だったことでしょう.
 以来33年,増刊号に移行してからは36年にして,ようやく100冊目刊行の運びとなったわけです.月刊誌を加えると125冊ということになりますが,それらのほとんどすべてに関与してきた僕としては,本当に感無量のものがあるわけです.

さて,その100.表紙はC51の100.京都のベテランファン佐竹保雄さんの名作である.
 No.99の表紙をD50こと9900形で飾った続きという流れで,これはもしかしたら予想しておられた読者もあるかもしれない.
 しかし本文に入ると,いきなりの“駅名標”.高見彰彦さんが丹念に調べられた成果を披露してくださったものである.地味ながら,しかし,これこそ“レイル”の本領を発揮できるテーマではないかと,僕なりに考えた結果.
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高見さんの調査のきっかけのひとつは,この寺田町の駅名標.奇しくも昭和11/1936年に西尾克三郎さんが撮影された写真の,電車の影に,再発見された駅名標が掲げられていたという.もっとも,実際には第2次世界大戦後に新調されたものだったようだが.


続くのは,おかげさまで好評の,公式写真に見る国鉄客車の第3回目.藤田吾郎さんの巧みな構成により,客車のハイライトとともいうべき展望車No.100を飾ってくださった.

三番目は,田邊幸男さんの,蒸機時代の肥薩線.独特のカメラアイで,区間によって大きく異なる表情を持つこの路線を表現していただいた.

そして,No.100記念に寄稿してくださったのは,三宅俊彦さん,河田耕一さん,早川昭文さん,藤本哲男さん,福田静二さん,そして表紙も飾ってくださった超ベテランの佐竹保雄さん.

三宅俊彦さんの膨大なコレクションのほんの一部であろう,日本の軽便鉄道の絵葉書群には,ただただ圧倒される.
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河田耕一さんは“大型蒸機の時代”と題するグラフをいただいた.ここでお目にかけるのは,京都駅を発車して行く特急“はと”の乗客専務とベテラン駅員が交わす敬礼.ストラクチャーでもシーナリーでもない,純粋な情景写真にも,河田さんは情熱を注いでおられたのだった.

同志社大学鉄道同好会OB有志の皆さんからは“私の100”と題して,とにかく“100”という番号を持つ車輛の写真を見せていただくことになった.
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福田静二さんは,後藤寺機関区にたたずむC11 100撮影の思い出を語ってくださったが,お目にかけるのは京都駅におけるEF58 100.京都駅を知り尽くした地元ファンならではのワンチャンス.

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次は藤本哲男さんの竜華客貨車区配置のオハ35 100.あれほど日本中にあふれていたオハ35系も,気づいてみれば保存車は数少なく,盛岡に保存されていたオハ35のトップナンバーも,危うく解体されてしまうところだった.見飽きたような車輛や情景の,何気ない記録が,のちのちの貴重な資料となるという証しのひとつが,この写真.
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そして早川昭文さんは蒸機から“新性能電機”までバラエティ豊かな100を提供してくださったが,情景としても貴重なのが,15輛編成のこの列車.長崎本線の通勤通学列車だそうだが,他にこんな長い普通列車,あっただろうか.


C51 100,EF58 100,C57 100の3輛は,先年亡くなられた中島忠夫さん撮影の写真も,奥様の格別のご厚意によって提供していただくことができた.

佐竹さんの“100”は,とにかく圧巻.ぜひ,レイル100の現物を手に取って堪能していただきたいと思う.

あまりに特殊なテーマ選びと展開に“ありゃあ商業出版でなくて同人誌だ”といわれることも多いですが,それを最大限の褒め言葉として受け取っている,僕だったりします.
 鉄道を趣味にしてよかったと思っていただける本を,これからも作り続けて行きたいと思っています.
 どうぞ,今後もご支援を賜りますよう,お願い申し上げます.

※2016.12.02:一部補筆修正


いやはや驚いた.予告されていたとはいえ,タカをくくっていたら目が覚めた今朝の東京郊外,我が家の周囲は,一面真っ白になりつつあるところだった.
 TVニュースで盛んに言われていたのが“東京圏では54年ぶりの11月の降雪”.54年前といえば昭和37/1962年.いわゆる“サンパチ豪雪”.まさかこの冬は,あの大騒ぎがやってくるのか?
 もうひとつは,明治の気象台開設以来はじめての東京での11月の積雪だったということ.これはただごとではない.
 今日は午前と午後に打ち合わせのための外出が予定されていたので,待ち合わせ前に,駅のホームなどから,この記録的な降雪と積雪を,少しスナップできるかも…….
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通過線のカーブを回り込んで来る列車が雪を舞い散らして,という光景を期待して,最初は西武鉄道富士見台駅の所沢方.写真は東京地下鉄10000系の快速 新木場行き.正面窓に付着した雪が振動で下へずり下がっている様子で迫力を表現できたような気はしたものの,雪は舞い上がるほどの量ではなかった.


ならば,そういう迫力を狙うのではなくて,“とにかく降りしきる雪”を表現しようと向かったのが練馬駅.
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豊島園から勾配を上り詰めてホームに入らんとする30000系.編成の大部分はまだのぼり勾配の途中.ここからの再起動とすぐのスムーズな停止は,運転士の伎倆が問われるところだろうか.


列車はこの時点ではまだ5~7分程度の遅れだったけれど,これから先,どうなるか判らない.待ち合わせに遅れては本末転倒.ということで池袋へ.車輪が空転する気配はあったものの,最新の空転検知とその制御が功を奏して,遅れが増すことはなく到着したものの,雪は期待はずれ.地面はほとんど土のまま.練馬とわずか10キロも違わないのに,この差は….もしかしたら練馬が高架橋上で池袋が地平というのも関係しているかもしれない.
 もうちょっと時間に余裕がありそうということで,続いて原宿の新宿方.湘南新宿ラインの電車の前頭は,もしかしたらさっきの東京地下鉄10000系より着雪量が多いかもと期待して.
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最初にやってきたのは小山車両センター配置のE231系.ステップの上は吹き溜りになっていた.この時点,山手線は普通の速度で運転していたが,山手貨物線は列車が数珠繋ぎとなって,信号待ちの停車が続発.北行きの埼京線E233系は閉塞に引っかかって停車中…….

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そろそろ引きあげなくちゃと思っていたら,外回りにやってきたのがE235系.この電車には円が薄くて,ようやく出会えた次第だが,編成後尾のLEDは,まだ紅葉柄.そりゃそうです.今日はまだ11月24日だもの.


最後は,一番目の待ち合わせ場所である渋谷.今月号のCoffee Cupにも記したように切り替え工事が進む銀座線の記録を兼ねて渋谷ヒカリエ4階へ.
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取材した11月5日に続いて11月19日と20日にも運休が実施され,A線B線ともに予定通り移設されていることを確かめて,西口の東急5000系前に向かったのだった.


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現在弊社では8年ぶりのサーバ移転を行っております。
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月刊とれいん編集部

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【今月のオススメ記事】
創業70周年を迎えたカツミ.日本の鉄道模型メーカーとして屈指の歴史を誇るこの会社の70年…とりわけこの10年間の歩みを振り返ります.今回はカツミの事業のひとつであるレイアウト製作の一環として,博物館のパノラマレイアウトを,表も裏も,すべてご紹介しています.
 70周年記念製品の特別紹介や,往年のファンには懐かしい“中型客車”のカスタマイズ,キット組み立て,目黒店オリジナルパーツ一覧なども見逃せません.
 新連載として,“22世紀の汽車絵本”が始まります.機関車を描くのは鈴木信雄さん,語るのは長谷川興政さんです.第1回は国産最初のパシフィック機C51です.
 MODELERS FILEは,9月号で前編をお届けした,東京地下鉄日比谷線03系の完結編です.各部分のパーツの変遷などを細大もらさず紹介解説しています.
 しばらくぶりの“欧州鉄道玉手箱”は,プルマン車の頂点ともいうべきコート・ダジュールタイプと,エジプトを走った寝台車の2題です.
 日本鉄道模型ショウや軽便鉄道模型祭出展メーカーレポートもお楽しみに.
 一般記事や好評の連載記事,イベントレポートなども充実です.

【目次】
誰もが安心して遊べ博物館も採用する 70年のカツミ製品------
  4 カツミが手がけるミュージアムレイアウトのすべて
    全国博物館ガイド/
    ミュージアムレイアウトに見るメンテナンスの極意
             取材協力:カツミ・東急 電車とバスの博物館
 12 70周年記念製品 新幹線1000形試験電車 A・B編成
 15 自由型“中型客車”を遊び尽くす!
    大人になったので,昔見たゆめをカタチにしてみました
                    会田 充彦・針生 秀樹・山崎 敦
 20 チャレンジ・シリーズ ED65-1000を組んでみよう! part1
    現在に生きる,カツミならではの自由型を楽しみ,味わう
                              針生 秀樹
 24 直営店を直撃! /目黒店オリジナルパーツカタログ
 28 過去10年のカツミ製品ダイジェスト20
    カツミ製品リスト 2007~2016
MODELERS FILE--------------------------------
 36 日比谷線03系 解明新書 後編
        解説・イラスト:山賀 一俊 写真:前里 孝・山賀 一俊
                          協力:東京地下鉄
新連載---------------------------------------
 56 22世紀の汽車絵本
    次世代に伝えたい鉄道をイラストでリマスター
    第1回 国鉄C51形
            思い出絵師:鈴木 信雄 思い出語り:長谷川 興政
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 3・92 欧州鉄道玉手箱
     CIWL WL“Egypt”,WSP“Cote d'Azur”
     地中海を巡るプリマドンナたち
                 文:前里 孝 模型協力:チムニー
                  取材協力:箱根ラリック美術館
 52 グランシップ トレインフェスタ 2016
                 取材:西原 功/撮影:松本 まさとし
 60 Nゲージャーの夢の風景 第17回関西Nゲージ合同運転会より
     取材:西原 功/撮影:松本まさとし
 62 究極のナローゲージ・レイアウトを楽しむ日
     第5回 王滝森林鉄道フェスティバル2016
                       取材・写真:信沢 あつし
 72 第39回 日本鉄道模型ショウ 2016
 84 第12回 軽便鉄道模型祭 出展メーカーから
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 32 台湾鉄道ナビ /文:邱 浚嘉
 34 線路は続くよいつまでも /信沢 あつし
    第76回 首都圏に残った謎のナロー廃線跡!
    松戸市に存在した2フィート6インチ
 64 おとなの工作談義
    つくるを知れば模型は3倍楽しくなる
    第65回 はんだ付けの必需品 キサゲ刷毛
        嶽部 昌治・児玉 道夫・杉本 憲一・岸 健志・井川 啓
 68 エイジング ストラクチャー
    情景職人が生み出す“時間・質感・生活感”
    第7回 駅前食堂(その2)
    製作・文:伊藤 肇(匠ジオラマ工芸舎)
        撮影:伊藤 肇・八島 弘仲
 80 Diesel Power in USA! /佐々木 也寸志
    Vo.62 2016年秋 最新北米鉄道情報 Part.1
    イリノイ州,オハイオ州,ミシガン州
 86 国鉄時代の私有コンテナ /吉岡 心平
    第61回 UT3形タンクコンテナの解説(15)
 90 Coffee Cup /前里 孝
    地下鉄銀座線渋谷駅線路切替工事
 96 新車登場
117 輝け!日本の運転会
118 E.NUKINAのB級コレクター道 /貫名 英一
    第65回:カツミのキハ82
119 子連れ鉄日記 /写真・文:山本 晃司
    第31回:サンタフェスタ2014
120 伝言板
142 BOOKS
143 甲種・特大 運行計画 2016年12月
144 各種募集のご案内
146 新車登場INDEX
148 いちぶんのいち情報室
152 月刊とれいんバックナンバーのご案内・とれいんスケール呼称早見表
153 Combo Caboose・掲載広告索引

2016年11月21日(月)発売  定価:本体1,435円+税

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10月13日のここで,秋葉原にあったとんかつ屋さんの閉店をお知らせした……わけではなくて,古レールの話題の添え物として,である.
 その時,久し振りに秋葉原から湯島の外れにかけてのエリアを周回することになったのだが,改めて観察してみたのが,本日のお題.
 件のとんかつ屋さんは秋はバラ的の北西側,中央通りの西側…かつてはジャンク屋街と呼ばれていた一角にあったのだけれど,そのまま少し北上して蔵前橋通りにぶつかった東側が末広町の交叉点.その一角に,おととしの12月までで,おでんダネの店があった.店の名前は構 雄造商店.かまえゆうぞうしょうてんと読むのだそうだ.年末には正月用食品も扱っていたようなのだが,僕が秋葉原へ出向くタイミングと我が家での夕食のスケジュールが合致せず,ついにここの商品を口に入れることがなく,終わってしまった.
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元の構 雄造商店.閉店後もしばらくは金文字の商標が掲げられていたのだけれど,今ではそれも外され,シャッターには落書きが.
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交差点から見た同店.両側をビルに挟まれて,本当にどこにあるのか,わからない.大正初期からこの場所で商いをしていたらしい.いわゆる“看板建築”だと思うのだけれど,いつごろの建物なのだろうか.

ビルに挟まれた家屋というのは,東京に限らず存在するものだが,この光景に刺激されて,界隈を一巡りした結果,ストラクチャーファンには興味津々の情景がたくさん見つかった.
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最初は湯島中坂下の近く.2軒続きの2階建.一方は角地で,反対側のとなりは空き地になっているから,元の構 雄造商店よりはショックが少ない.空き地側には同じような家屋があったのに違いない.

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少し南へ下って湯島中坂下交叉点の北西側にある建物.ここも元は商店だったのだろうか.角地ではないが,それが却って,驚きを増す情景が演出(?)されている

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交叉点の西は,まさに中坂と呼ばれる通り.画面右端が上り坂になっているのが判るだろう.そこにあった2階建.ぐっと近代的ではあるものの,もっと高層のビルに囲まれてしまったことに,違いはない

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そして本日の極め付けは,箭弓(やきゅう)稲荷大明神.交叉点を,今度は東に入ったところ.幟がなければなんの建物か判らない.よく見ると鳥居があり,狐様が鎮座しているという仕掛.社殿は建物の中ということか.

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建物を通り抜けた青空の下に社殿はあった.手水舎は屋根の下.“再建50周年記念修復事業”の奉納者名板に昭和54/1979年の日付があるから,昭和4/1929年に甦ったお宮さんということになる.


この神社,ものの本ならぬ,もののインターネットに拠れば,江戸時代初期の創建と推定されているという.明治期には一時的に荒れたものの再興され,関東大震災で罹災したのを昭和4/1929年に再建したとある.本社は東松山にある同名のお宮さんだということ.ただ,祭神に不整合があって…となってくると,話が拡散する.

トロリー・レイアウトの添景に,おひとついかが? というところで,本日はここまで.

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