モデラーな日々 とれいんスタッフブログ

月刊とれいんスタッフの,模型と格闘していたりしていなかったりする日々をお送りします.

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月刊とれいんスタッフの,模型と格闘していたりしていなかったりする日々をお送りします. ※2016年5月よりLivedoorブログにお引っ越しいたしました.

東武鉄道C11運転の準備は着々と準備が進んでおり,8月19日には北海道から機関車本体が到着(本誌10月号“いちぶんのいち情報室”)し,9月12日には火入れ式が執り行われた.
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新築された“SL検修庫”の中で挙行された火入れ式後の記念写真.画面右手前には花上東武鉄道名誉館長の姿も見える.

その取材のために南栗橋車両管区を訪問した際,同じ敷地内に開設されたばかりの総合教育訓練センターも見学することができた.
 東武鉄道の教育施設は,昭和23/1948年に杉戸教習所が設立され,昭和39/1964年には拡充の上で春日部検車区(現在の南栗橋車両管区北春日部支所)の敷地内に移動.東武鉄道研修所となった.そこがさらに手狭になり,スペースを拡張して一気に新調,今年4月から運用を開始したのが,この施設.
 2階建の建物内部には営業トレーニング室,教材室,シミュレータ室,信号連動教材室,事故から学ぶ展示室が設けられている.一方,SL検修庫に隣接した敷地には,来年3月の完成を目指して,訓練線の建設も進められている.
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最初に案内されたのが営業トレーニング室.駅事務室や出改札設備などを実際のとおりにしつらえて,乗客との応対や機械設備の保守点検の訓練を実施する.切符の自動販売機上の掲示が池袋と足利市並列だったりするのが訓練センターらしい光景.

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続いて教材室.ワンハンドルの模擬運転台と,その前のスクリーンに映し出される電気と空気の回路図によって車輛の構造と空気や電気の流れを理解できるようになっている.


この部屋にはPT4815A-Mパンタグラフや主電動機TM63B,AW5笛,密着自連,撓み板継手などの実物が多数並べられていて,モデラーには恰好の観察場所…いや,ここは訓練センター.あくまでも教材である.台車は1/3スケールの模型が置かれているが,それはTRS-62M…FS356の東武形式.8000系で使われている台車である.恐らくは春日部の東武鉄道研修所を開設するに際して製作されたものだろう.
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北春日部から移設された,50000系を模したシミュレーター.運転士と車掌がセットで訓練できるように前後ペアとなっており,車掌用のスクリーンも設置されている.単なる運転伎倆向上ではなく,事故など異常事の対応訓練も実施できる.

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信号連動教材室では早くも500系,それも両運転台車が50000系の両運転台車とともに快走していた.この部屋は,安全運行の仕組みや異常時の対応方などへの理解を深めるためであり,電車は各種信号機の現示および変化,運転方式の変更などを実際に見て学ぶための教材のひとつである.


この部屋には,信号機や踏切警報器の実物が動作状態で設置されているほか,壁面には起動関係の教材が多数置かれていた.その中には,“30kgA.S.C.E.”や“22kg”なども含まれていて,ちょっとびっくりしたことである.
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事故から学ぶ展示室.過去の事例を教訓として写真とともに解説し,その原因を考察するとともに,今後の事故未然防止に役立てるのが目的.

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8月のC11搬入時点で撮影した,整備中の訓練線.全長1,370m.途中には踏切なども設置し,実際の環境に近い状態で,駅係員や乗務員などを含む各種の訓練を行なうことになっている.C11の性能試験などもこの線路で行なわれる予定.

ということで約1時間半の見学時間は,あっという間に過ぎ去ってしまったのだった.それにしても羨ましいのは,この南栗橋車両管区とその関連施設の敷地の広さ.必要があれば,まだまだ無限といえるぐらいに拡張可能なのだから.

8月中旬,1年半振りに西武鉄道新宿線の中井駅を通る用事があった.
 地下鉄大江戸線を降りて地上に出て…みるとずっと変わらない雰囲気の商店街が展開したけれど,踏切の方へ足をすすめてみると,駅が…ない.地下への階段が口を開いているだけだったのである.
 真新しい地下コンコースの改札を抜けると,西武新宿方面と所沢方面行きのホームへの階段が,それぞれに設けられている.所沢方面へのホームヘ上がってみればそこには見慣れた跨線橋が…あるのだけれども柵で閉鎖されていた.そしてそこには“6月5日(日)初電車より閉鎖…”の掲示が.
 西武新宿方面行きのホームを眺めてみると,同じように跨線橋の出入口が閉鎖され……ではおらず,なんとも不思議な雰囲気.線路を乗り越す道路,山手通りへの連絡口でもあったっけ?と思ったのだけれど,そんな様子は全くない.もともと存在もしていない.
 しばらく待つうちに電車が到着,発車していった後には降りたお客さんが跨線橋の階段を上がり…ではなくて,そのままホームをすり抜けて行くではないか.改札口への階段が,西武新宿方に設置されているものだから,そこを目指していたというわけ.
 中井駅のホームは,元々狭い部分が多く,所沢方面行きホームに関しては道路拡幅によって道路橋の橋脚がなくなって広くなったものの,西武新宿方面行きは狭いままだった.それが,改札口の地下への移動によって必要がなくなった跨線橋の階段を撤去してホームの一部にしてしまったのだ.ということを反対側のホームから理解するのに,数分を要してしまった,僕である.
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所沢方から見た1年半前の中井駅.画面左が西武新宿方面行きホームの先端.その狭さがよく判るだろう.駅改良工事の様子は,こちら側からでは全くうかがうことができないが.画面奥に見えるのが健在だった頃の跨線橋.
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新設された地下改札口への階段.写真は所沢方面行きホームのもの.画面右端は閉鎖された跨線橋.階段に向かって左側にはエレベーターも設置.その奥には仮設のトイレが設けられている.
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西武新宿方面行きホームにある“元”跨線橋.壁面だけ見ていれば跨線橋そのものだけれど,内部には階段が存在していない,ということが理解していただけるだろうか.
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なにしろこのように,お客さんがすり抜けてくることができるのだから.

この中井駅,他の西武鉄道の駅と同様,古レールの宝庫でもある.10年ほど前の西武特集に際して観察してはいるものの,これからもまだ続く改良工事によって,失われてしまうかもしれない.再度,じっくりと眺めておかないと…….

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【今月のオススメ記事】
山梨県の大月から富士山麓に向けてのびる鉄道路線,それが富士急行です.そこに在籍の特急電車は,今年の春に引退した初代“フジサン特急”2000系と,現役の二代目“フジサン特急”8000系と,今年春デビューの“富士山ビュー特急”8500系の三姉妹.現役の8000系と8500系は,つい先年まで富士山南麓で一緒に走っていた小田急20000形とJR東海371系です.これらがどのように変身して,ともに華麗な再デビューを果したのか.じっくりと観察してみました.
 改造車といえば,近鉄では南大阪線の4扉通勤車6200系が,16200系“観光特急“青の交響曲”として,こちらも華麗に変身しました.さっそく製作された模型作品とともに紹介しています.
 東京有明のビッグサイトでの夏の恒例イベント二題.“鉄道模型コンテスト”は,いつもながらにバラエティ豊かな多くのレイアウトを紹介.“JAMコンベンション”は,今年も盛大に催されました.モデラーによるパフォーマンスと企業ブースでの模様を誌上で再現しています.
 Products Data fileはは,トミックス16番の国鉄153系電車です.かつて東海道本線の急行や準急で活躍した姿を思い出すファンも多いことでしょう.
 永久保存版総目次は,466号(2013年10月号)から500号(2016年8月号)まで.今回で完結です.
 一般記事や好評の連載記事,イベントレポートなども充実です.

【目次】
MODELERS FILE---------------------------------
  6 MODELERS FILE 富士急行 特急車三姉妹
    2000系・8000系・8500系
    富士北麓で華麗に変身した譲渡車たち
        まとめ:前里 孝 写真:RGG/前里 孝 協力:富士急行
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 3・68 鉄道模型コンテスト2016
    第8回 全国高等学校鉄道模型コンテスト
  4 Products Data File トミックス製
    国鉄153系 冷改車(16番)
 28 富士急行 模型製品リスト
 30 近畿日本鉄道の通勤車が華麗なる変身!
    16200系“青の交響曲(シンフォニー)”と2013系“つどい”
       製作:岡本 真和/実物写真:来住 憲司・岡本 真和・岡田 孝司
 38 転車台があるミニレイアウト
    旧作エンドレスに駅セクションを継ぎ足した話
                        製作・撮影:三木 浩三
 39 昔懐かしチンチンベルの音
    どうりん・2015年の競作テーマは“路面電車”
           製作:鉄道模型同好会どうりん/全撮影:三木浩三
 50 台湾鉄道ナビ          文:邱 浚嘉 翻訳:台北ナビ
 54 エイジングストラクチャー
    情景職人が生み出す“時間・質感・生活感”
    第6回 駅前食堂   製作・文:伊藤 肇(匠ジオラマ工芸舎)
                      撮影:伊藤 肇・八島 弘仲
 62 モデリング・リサーチ・センター
    第51回 Mr.リニアコンプレッサー プチコン/エアブラシセット
                              解説:P.S
 73 JAMコンベンション2016 企業ブースリポート
 80 第17回 国際鉄道模型コンベンション
    テーマは“蒸機時代~あれから40年”
                 取材:西原 功・平野 總・山賀 一俊
                    撮影:松本 まさとし・前里 孝
147 特別付録 とれいん総目次
    2013年10月号(No.466)~2016年8月号(No.500)
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 36 Coffee Cup /前里 孝
    “龍王”になった 近畿日本鉄道6200系
 46 おとなの工作談義
    つくるを知れば模型は3倍楽しくなる
    第64回 鉄道ワンダーランド京都
    嶽部 昌治・牛久保 孝一・山本 晃司・杉本 憲一・和田 哲郎
 52 線路は続くよいつまでも /信沢 あつし
    第74回 旅館の板塀の向こうの線路に反応
    磐梯熱海駅の砕石引込線
 58 Diesel Power in USA /佐々木 也寸志
    Vo.61 シカゴ周辺のジャンクションとヤード
    フランクリンパーク/タワーB-12
 64 国鉄時代の私有コンテナ /吉岡 心平
    第59回 UT3形タンクコンテナの解説(13)
 88 新車登場
110 E.NUKINAのB級コレクター道 /貫名 英一
    第63回:インスペクションカー(その3)
111 子連れ鉄日記 /写真・文:山本 晃司
    第29回:娘の鉄道グッズ三題話
112 輝け!日本の運転会
114 伝言板
134 BOOKS
135 甲種・特大 運行計画 2016年10月
136 各種募集のご案内
138 新車登場INDEX
140 いちぶんのいち情報室
144 月刊とれいんバックナンバーのご案内・とれいんスケール呼称早見表
145 Combo Caboose・掲載広告索引

2016年9月21日(水)発売  定価:本体1,435円+税


バックナンバーの内容はこちらからどうぞ

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J65
■第65号の主な内容(登場順)

特集 動態保存蒸機
C57 180 クリスマストレイン
C58 1“SLやまぐち号”と 
    C58239“SL銀河”
魅惑の大井川鐵道
C58 1“SLやまぐち号”
C58 1 C12 66 C11 190
    現役時代
復活蒸機
上越線重連蒸機
蒸機列車を追って


とれいん11月号増刊
定価:本体3,000円+税
A4判横綴じ84ページ(内カラー16ページ)

2016年9月21日(水) 発売


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かねてお知らせしてきた西武鉄道の新型車40000系電車.
 いよいよ今日の朝,第1編成のうち最初の5輛が川崎重工から神戸貨物ターミナル駅へ向けて出場した.明日は残りの5輛が出場して一路,武蔵野線の新秋津を目指すことになっている.そのあたりの行路は“とれいん”の9月号“甲種・特大運行情報”に掲載しているのでご覧いただきたい.
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DE10 1192に牽かれて川崎重工の構内から和田岬線に進出しつつある西武鉄道40000系電車.今日は6号車から10号車までの5輛が運び出された.写真:来住憲司

さて,僕はいつどこで出迎えるか10月号の追い込み作業の合間に思案していたところ,西武鉄道から正式に“新型通勤車両「40000系」(2016年度製作導入編成)完成!”というニュースリリースが発表された.
 そこで,そのリリースに添えられた写真を元に,現時点で判明していることを,早速にご紹介する次第.
※そういうことなので,いつもより長いですし,写真の数も多くなります.ご注意くださいませ.
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川崎重工兵庫工場内で撮影された池袋・西武秩父・本川越方先頭車40001の外観.30000系の流れを汲んだデザインだが,裾絞りがないのが最大の相違点.正面の顔つきも,さらに丸くなって,行先,列車種別表示装置の枠までまぁるい.前照燈が窓上に取り付けられているのも,西武では初めてかも.1枚目と2枚目の側扉の間の側窓が巨大なのに注目.写真:西武鉄道

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その車内.“パートナーゾーン”と銘打たれ,普通の腰掛けを設けない代わりに車椅子や乳母車,大型荷物を持つ乗客などが安心して利用できるスペースというコンセプト.腰掛けは軽く腰を下ろすことができるベンチ状のものや,壁面にクッションを取り付けて腰当てとしたものを用意.巨大な窓からは子供でも沿線風景を満喫することができる.写真:西武鉄道

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次の特徴は,西武鉄道では初めての“ロング・クロス転換車輛”であること.元祖近鉄のほか,関東では東武鉄道東上線の50090系で採用されている,ロング/クロス転換式腰掛けを備えて,着席サービスを実施するという.当面は東京地下鉄副都心線と東急電鉄東横線,横浜高速鉄道線への直通列車に充当されることになる.発表では予定されている40000系の全ての編成に採用されるわけではないという.普通のロングシート車との比率はどのようになるのだろうか.写真はクロスシート状態.写真:西武鉄道

コンセント
“ロング・クロス転換車輛”車のクロスシート状態では2席に1ヵ所の割合で電源コンセントも設けられている.この写真から,腰掛けの背もたれが他にあまり例を見ない独特の形状であることや,足の置き場を確保するために背もたれ後面に窪みがあることも判る.写真:西武鉄道

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ロングシート状態.側扉脇には半自動扱いスイッチが見える.天井には17インチLEDによる広告表示装置“Smileビジョン”が枕木方向に取り付けられている.列車情報や天気予報,ニュースなどの放映も実施される.1輛あたり12~16面,編成全体では156面のディスプレイが設置される.戸袋部には在来の広告枠も見えるから,紙の広告を全廃するわけではないらしい.写真:西武鉄道

情報表示装置
各扉上の鴨居部には2面ずつ情報表示装置を設ける.向かって右側には行先や停車駅,駅設備などの案内を表示,左には広告やニュース,天気予報などを表示する.写真:西武鉄道

トイレ1
西武鉄道では特急車以外で初めてのトイレを設置する.車号が40401と読み取れることから,4号車(飯能・西武新宿方から4輛目)であることが判る.写真:西武鉄道

トイレ2
トイレ内部.もちろん大型車椅子対応で,オムツ交換シートなども備えている.写真:西武鉄道
プラズマクラスター
各車端部にはプラズマ放電によりプラスとマイナスのイオンを作りだして放出し,空気を上化する“プラズマクラスター(シャープ製)”を取り付け.車号ステッカーの脇には,これも西武の一般車では初めてとなる無料の無線LANシステム“SEIBU FREE WiFi”が設備されていることを示すステッカーが見える.写真:西武鉄道



この40000系の全般的なスペックは次の通り.
車体 FSW(摩擦攪拌接合)によるアルミダブルスキン構体
車体長・幅 車体長:20,000mm(先頭車両20,270mm) 幅2,808mm
設計最高速度:120km/h
台車:空気ばね式ボルスタレス台車
制御方式:VVVF インバータ制御・回生ブレーキ
制御装置:IGBT 式VVVF 制御装置
主電動機:永久磁石同期電動機(PMSM)
補助電源装置:静止型インバータ装置(並列同期運転)
戸閉装置:電気式鴨居取付型
照明装置:LED

営業運転開始は来年春の予定とされており,それまでの間には,もう1編成のロング・クロス転換車輛が出場する.なお,平成31年度までに,今年度の2本を含め,合計8編成を製造することが発表されている.

西武線内できちんと編成を組み,自走で沿線にお目見えするのはいつごろのことだろうか.ワクワクが当分続きそうである.

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