モデラーな日々 とれいんスタッフブログ

月刊とれいんスタッフの,模型と格闘していたりしていなかったりする日々をお送りします.

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とれいん10月号の115系特集は,おかげさまで地道に,しかし力強いご支持をいただいているようで,何軒もの販売店から追加のご注文をいただいている.ありがたいことだ.
 それにしても鉄道趣味月刊誌の発売日に驚いたのは,模型誌を含めて,ほとんど全ての社が,115系に関連した特集を組んでいたこと.例えば鉄道ピクトリアル誌は中央本線だし,鉄道ダイヤ情報誌は信州の鉄道.鉄道ファン誌は,がっちりと“特集 115系”であった.取材の現場などで編集仲間が集まるたびに“それにしても驚きましたねぇ”が,挨拶代わりになっているほどに,希有の例だった.

それはさておき,小諸駅に引き続いて,115系取材の合間に見た情景のご紹介.今回は中央本線の高尾と相模湖の間である.
  中央本線の八王子と甲府の間は,その地形から勾配とカーブとトンネルが連続していて,線路の周囲が開けた直線区間というのが,ほとんど存在しない.だか ら,豊田車両センターに配置されている115系電車は,いつもの真横写真をどこで撮影するか,おおいに悩ましかった.地図や空中写真で予習してみても,ほ ぼ想像通り.甲府盆地まで行けば……と思ったら,今度は,線路の両脇にぶどう畑が拡がっていて,足廻りまですっきりと見える区間はなさそう…….もちろ ん,時間をかけて丹念に現地をロケハンしてみれば,それなりのポイントはみつかるのかもしれないけれど,ひと月の間に豊田の電車のために割ける時間は限ら れている.ということで,斜面の途中だしカーブしているしという条件は悪いけれど,本数を稼ぐことができるというのを大きなポイントとして選んだのが,こ こだった.

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訪問したのは,こんな花が咲き乱れていた季節.すなわち,4月上旬のこと.これが,今回の115系特集のための,最初の本格的な撮影取材だった.

高 尾と相模湖の間といえば,初めて訪れたのは昭和48/1973年の初夏だったろうか.まだED61の重連や“山スカ”こと71系電車が主役だった時代であ る.もっとも,ED61は本数が少なく,さらに間もなくED62に改造されてしまったから,その後長い間,足は遠のいて,次の訪問は,雨の中で山梨国体の EF64牽引御召列車を撮影するため,だったりする.

だから,この区間で忘れてはならないポイントである,“いのはな(または,湯の花)トンネル419列車銃撃地点”も,ちゃんと観察するのは,今回が初めて.
  新井踏切(東京基点55キロ403メートル地点)の脇に慰霊碑を見つけ,近づいてみたのだが,思いのほか新しいのに驚いた.碑文を読み,末尾の日付を確認 すると,平成4/1992年8月5日に,新たに整備,建立されたものだった.碑には氏名が判明した52人の名前と年齢が刻まれていた.そして碑の前には, この日の朝に供えられたとおぼしき花が.

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碑の前にある古い石は,昭和25/1950年に建立されたという“戦災死者供養塔”.踏切の間の樹木が何本か伐採されていて,斜面に数多くの古い石碑が立ち並んでいるのが見えた.犠牲者のお墓だったのだろうか.

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新井踏切を線路の南側から見る.かつては上下線で独立した踏切だったかもしれない.あるいは第4種踏切だったかも.今は上下線で一体の踏切だから,線路間で列車写真を撮影することはできない

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そして新井踏切から見た“湯の花トンネル”.煉瓦積みの,綺麗なポータルを保っている.現在は上り線として使われている.背後の巨大な構造物は中央自動車道と圏央自動車道の高架橋.
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昨年は10月6日の,一昨年は10月21日の,そして2009年は10月15日のここでお伝えした,毎年恒例の,ニュルンベルク国際玩具見本市のプレス・コンファレンス.
 最近2年間は会場が六本木のビルの51階だったのだが,今年,在日ドイツ商工会議所から届いた案内には,港区南麻布4-5-10…という住所が記されていた.これだけでピンとくる人は,よほどのドイツ通.
 ご存じでない方も,地図を検索してくださればすぐ判る,ドイツ大使館.正確にはドイツ大使公邸で催されるという.なんとも驚きの設定である.
 地下鉄広尾の駅から,有栖川記念公園横の南部坂を上る途中にある,大使館は一般公開の日にお邪魔したことはあるものの,その隣の公邸は,外から眺めるだけで訪問のチャンスなどおいそれとあろうはずもない.
 という,そちら方面への興味と関心もあって,本日,追い込み週間であるにもかかわらず,お邪魔してきた次第.

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立派な門から,それこそ冗談ではなく長い道程を経て辿り着いた大使公邸.凝った装飾はないけれど,シンプルな中に暖か味を感じさせてくれる建物だった.

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歓談するキックさん(画面左)と駐日ドイツ連邦共和国大使フォルカー・シュタンツェル博士.大使に片言のドイツ語でご挨拶したら,返答は流暢な日本語だった

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広間で繰り広げられるプレゼンテーション.増え続ける出展希望会社に対応するために新築中のホール3Aについての説明中.床面積約9000平方メートルのこのホールは現在工事中で,2014年には完成する予定.

さて,ブエノスアイレスから32時間を要して日本に到着したばかりのキックさんのプレゼンテーションは,主に2013年のテーマとして,デジタル・ネイティブ世代への対応が説明された.
 子供向けのタブレット端末やその端末のためのアプリケーション,その他のデジタル玩具の全てを特設ブースで展開し,実際に遊んでみることによって今後のデジタル玩具の将来を探ることができるようにするという.
 “デジタル玩具”と,キックさんは表現したが,鉄道模型にも無縁ではない.それは,例えば本誌に好評連載中の“ABC of DCC”などをお読みになっていれば,すぐ理解できようし,欧州型製品に馴染みぶかい読者なら,商品展開で身をもって感じておられることだろう.
 その他,鉄道模型に関するもっと突っ込んだ話も出てきたが,詳しくは,ちょっと間が開いてしまうけれど11月発売の12月号まで,楽しみにお待ちいただければ幸い.

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プレゼンテーションのあと,カクテルレセプションがテラスで催された.ここで挨拶するのは,日本へ着任したばかりの公使ルッツ H. ゲアゲンス博士.

ゲアゲンス公使は挨拶の中で,同じように鉄道が発達している日本とドイツで,鉄道模型でもジョイントベンチャーを企画すれば,きっとうまくいくだろうと,キックさんに対してユーモアたっぷりの提案.
 おや,と思って,個別にインタビューしてみれば,ゲアゲンスさんは子供のころ,鉄道模型を買って欲しくてしょうがなかったのだけれど,親は与えてくれなかったのだとか.でも,鉄道が好きなのは今でも変らないとのこと.
 もっと話しをしてみたら,生まれはデュセルドルフとのことで,“僕が1974年に初めてドイツへ行った時,最初に泊まったのがデュセルドルフでした”と話ししたら“それは偶然だ!僕も1951年に初めて泊ったんだよ!”と.通訳のお嬢さんが目を白黒させる応対であった.

ということで,“いつもの”プレスコンファレンスと,“初めての”ドイツ大使公邸訪問の速報であった.

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旧型気動車が残る路線として,近年にわかに人気が高まっている千葉県の久留里線だが,いよいよ世代交代が12月1日に迫ってきた.
 新時代を担うのは両運転台のキハE130形100番代.この形式の0番代は,平成19/2007年から,片運転台のキハE131やキハE132とともに水郡線に投入されている.
 今回の100番代は,その0番代とどこが違うのか.本日,JR東日本千葉支社のご厚意で同支社管内の幕張車両センター木更津派出で撮影取材ができたので,その観察結果をお届けしよう.

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木更津駅に隣接する車両基地で並んだ在来車のキハ38と最新鋭車キハE130-100番代.新車は新潟トランシスで10輛が製造される.最後のグループは本 誌10月号の“甲種・特大 運行計画”に掲載のとおり,10月19日に新津まで甲種輸送,その後,JR東日本の配給列車で木更津まで回送されることになっ ている.

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外観で大きく異なるのはカラーリング.赤と黄色が基調の水郡線用に対し,黄色と緑,そして水色に装われている.貫通幌は久留里(千葉)方に取り付け.

室内に入ってみれば,腰掛がセミクロスシートからロングシートに変更されているともに,トイレを省略しているのが特徴.また,水郡線ではワンマン運転が行なわれているので客室に運賃箱などワンマン用機器が設置されているが,久留里線用にはない.
 運転室と客室との仕切りの櫛桁部には上部に液晶,下部にLEDの情報表示装置が設置されている.水郡線用では液晶の情報表示装置の替わりに運賃表が取り付けられている.一方,久留里線用では行先などを含めて液晶画面に表示し,LEDはとりあえず使う予定がないとのこと.

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客室.画面右手前には車椅子スペース.その奥,腰掛の座面が黒い部分が優先席.奥に液晶とLEDの情報表示装置が見える.

千葉支社では,久留里線の開通100周年記念イベントのほか,この新旧交替に際しても,日帰りツアーやセレモニーを予定している.
 ツアーは11月3,4,10,11,17,18,23~25日に東京の新宿・秋葉原・東京を発地として久留里線を往復するというもの.
 セレモニーは12月1日の13時45分頃に久留里駅で横断幕や記念撮影ボード,駅長による出発合図などが実施されるとのこと.さらに詳しい情報は,今後,千葉支社ホームページで告知される予定.

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あした発売のとれいん10月号では,115系電車を大々的に採り上げている.そのための撮影取材は今年の春から始まり,夏に盛りを迎えた.エリアは関東甲信越一円.
 久し振りに訪問したところが多かったのだけれど,5月下旬に訪れた,信越本線いや,しなの鉄道と小海線の小諸駅もそのひとつ.
 かつて特急“あさま”をはじめとする優等列車がひっきりなしに発着した小諸駅も,いまでは装いを新たにした115系や169系が出入りし,時折,小海線の気動車が軽やかなエンジン音を響かせながら姿を見せる……どんなのどかな駅に変貌していた.
  それでも側線には,懐かしい“あさま色”を纏った189系電車が留置されていて,往年の情景を思い出させてくれる.なにより,長い長いプラットホームが, かつては大幹線の駅だったことの証しである.目的の115系編成がやってくるまでの間,信越本線だった頃の面影が他にも残っていないか,構内を観察してみ たら……

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2番線の軽井沢方から見た1番線ホーム.跨線橋の柱は古レール.上屋の柱は場所によって古レールだったり木だったり.改札前あたりの柱は観光地の駅らしくオシャレなデザイン.扛上を繰り返した跡が歴然と残るホーム側壁も昔のまま.

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ホームに下げられた佐久のお酒の17銘柄.なんと豪華な看板か.裏返されているのは,今はもう広告の契約が切れているということだろう.でも,そのつもりで見れば,ちゃんと読むことができるから,今でも広告の役割を果しているともいえる.JR東日本の親心だろうか.

看板の17銘柄のうち,10銘柄は“現存”が確認できた.現今の日本酒を取り巻く情勢を考えれば立派なものである.思わず“蕎麦で一杯”を実行したくなってしまったが,今回は我慢我慢.

さ て,古レールを見れば銘を探索してしまうのは,もはや“性”かもしれない.今回確認できたのは,ウニオンの日本鉄道向け1887年や鉄道作業局向け 1885年,キャンメルの作業局向け1885年,八幡製鐵の1916年や1928年など.もっと丹念に探せば新たな収穫もありそうだが.

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跨線橋の柱には,岡山駅で見たのと同じような当て板があった.電化に際して嵩上げしたのだろう.

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跨線橋下にあった掲示“デスコン”.すぐ下に棒が置かれていたことから,すぐに,空気上昇式パンタグラフの車輛が長時間の留置によって空気ダメの空気圧が下 がった際,強制的に上昇させるため使う“ジスコン(ディスコン)棒”のことと理解できたが,この表記ははじめて見たような気がする.

小諸といえば懐古園.その入口近くにC56が保存されているのは知っていたし,見に行きたいと思ったのだけれど,駅構内をうろついているうちに,制限時間が来てしまった.“次の機会”である.

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T1210
【今月のオススメ記事】
特集:山を越え 雪を踏み分け 半世紀 115系直流近郊形電車
115 系電車.系列の中にある記号は,営業用車ではクモハ,クハ,モハ,サハの4種類だけ.華々しく優等列車に活躍した経歴があるわけでもなく,全く地道に50 年間を過ごしてきた車輛たちです.しかしその勢力範囲は関東一円から甲信越,中部,そして中国地方まで拡がっています.
 地道に,地元に密着した 列車を仕立てるための対応は小まめに実施され,番号区分のバリエーションは数えることができないほど存在します.ということは,スタイルも千差万別という こと.今回はそんな,表情豊かな115系電車の中から,東日本地区で今なお活躍するグループを中心に,徹底紹介特集を組んでみました.存分にお楽しみくだ さい.

●第13回 国際鉄道模型コンベンション
モデラーにとっての夏の恒例行事,JAMコンベンションが今年も開催されました.同じビッグサイトの中でも,これまでとは異なるホールで,どんな趣向が凝らされたのでしょう.同時開催の全国高等学校鉄道模型コンテストを含めてご紹介します.

【目次】
特集 山を越え 雪を踏み分け 半世紀 115系直流近郊形電車---------------
6 115系電車 四季に駆ける
      小林 大樹(RGG)/三浦 衛/大穂 孝悦/荒木 徹/
      前納 浩一/松本 正敏/松岡 秀樹/前里 孝/脇 雅恵
19 115系電車 懐かしの情景集
      山上 泰生/荒川 好夫(RGG)/森嶋 孝司(RGG)/三浦 衛/
      前納 浩一/前里 孝/脇 雅恵
24 国鉄近郊形の代名詞 115系           入江 孝徳
30 MODELERS FILE JR東日本所属車を中心とした
     115系電車を観る
       調査・解説:前納 浩一 調査協力:永尾 信幸
       写真:前納 浩一/永尾 信幸/三浦 衛/前里 孝
       資料提供:JR東日本/JR西日本
45 JR東日本所属115系電車 編成 及 特徴一覧
       作成:前納 浩一 基礎資料提供:JR東日本
46 JR東日本 豊田車両センター
     115系訓練車編成
       撮影:前里 孝/山中 洋 協力:JR東日本八王子支社
48 東日本地区で活躍中の115系電車
     真横のバラエティー      撮影:永尾 信幸/前里 孝
67 東日本地区の115系電車 形式図集
       図面作成・提供:国鉄/JR東日本 協力:永尾 信幸
75 模型化図面 国鉄115系電車        提供:でんてつ工房
77 プラスチック製115系0番代 鋭意進行中!   でんてつ工房
78 新連載開始 オンリー・ワンの115系をキットから
    メーカー自身が薦める製作マニュアルで完成確実!  牛久保孝一
82 東海・西日本の115系4題             橋本 孔明
84 115系模型製品リスト
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3 カラーグラフ JAM会場に展示されたコッペル軍曹
4 Products Data file トミックス製 国鉄EF63 2次形(16番)
86 MODELERS FILE FRAGMENT 長野電鉄3500系N編成  高見一樹
    −“マッコウクジラ”の今(その2)−
94 湘南鉄道模型クラブ 新レイアウト落成!
98 誰もが乗ったローカル線の主役 キハ40系
     鉄道模型同好会どうりん2011年競作   撮影:三木 浩三
122 第4回 全国高等学校鉄道模型コンテスト
     取材:とれいん編集部 写真:松本まさとし/前里 孝/
     西原 功/山中 洋 一部写真提供:西村 克
125 第13回 国際鉄道模型コンベンション
     取材:とれいん編集部 
     写真:松本まさとし/平野 聰/山中 洋
134 JAMコンベンション企業ブースレポート
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88 Coffee Cup /前里 孝
   僕にとっての115系電車
90 ビスタカー再生計画 /武本 典幸
   カツミ近鉄30000系初代モデルを完全レストア(後編)
104 線路は続くよいつまでも /信沢 あつし
   第26回 初めての足尾 足尾銅山 昭和51年5月3日
106 ABC of DCC 第19回 /加坂 紳
   世界最新のコマンドステーション Z21
   LokSound サウンドデータダウンロード集
110 Diesel Power in USA! /佐々木也寸志
   Vo.37 アムトラック“シティ・オブ・ニューオリンズ”
   アメリカ中西部〜南部の最新鉄道レポート2012 パート2
114 蕗狩通信 /北村 昌三
   第16回 LGB-GNOMY トイトレイン・コンバージョン(On30)
116 国鉄時代の私有コンテナ /吉岡 心平
   第17回 UT1形タンクコンテナの解説(8)
120 モデリングリサーチセンター /P.S
   第11回 サンドペーパー
141 新車登場
163 輝け!日本の運転会
164 E.NUKINAのB級コレクター道 /貫名 英一
   第15回:模型を買う夢
165 伝言板
190 いちぶんのいち情報室
196 BOOKS
197 甲種・特大 運行計画
198 各種募集のご案内
199 G線上のマリア 第27回:ルーシーのひみつ /荻野目かおる
     モデラーな日々 とれいん出張所
200 新車登場INDEX
202 月刊とれいんバックナンバーのご案内・とれいんスケール呼称早見表
203 Combo Caboose・掲載広告索引

2012年9月21日(金)発売  特別定価:本体1,886円+税

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