モデラーな日々 とれいんスタッフブログ

月刊とれいんスタッフの,模型と格闘していたりしていなかったりする日々をお送りします.

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江若鉄道といえば,滋賀県の浜大津から近江今津まで,琵琶湖の西岸を半世紀にわたって走り続けた非電化私鉄である.廃止されたのは今から42年前の昭和44/1969年11月1日.
 僕にとって現役の江若鉄道とは,子供のころに何度か家族で水遊びに出掛けたおりに乗せてもらったのが,僅かな触れ合いだった.
 そして廃止された直後の11月中旬,京阪の石山線撮影の途上,三井寺下の駅と機関区跡を訪問して,何枚かの写真を撮影したのが,唯一の記録である.
  しかし,とれいんを創刊して間もないころ,西村雅幸という方から寄せられた現役時代の写真と真横のペン画からは,この鉄道に関して強いインパクトを与えら れた.それはとれいんの昭和52/1977年10月号と12月号(通巻34号と36号)に掲載させていただいたのだが,その記事は今でも,その頃の読者の 方との間で話題に上ることがあるから,やはり印象的だったのだろう.
 後年,レイル39号で湯口 徹さんの私鉄紀行近畿地方編で江若鉄道を纏めた際にも,その原動力となったのは西村さんの写真とペン画だった.
 僕と西村さんと江若鉄道とのかかわりは,その後ずっと途絶えていたのだけれど,何年か前に,インターネット掲示板で同姓同名の方の発言を発見,知り合いの方にお尋ねしてみたところ“同一人物ですよ”と確認してくださったのである.
 ここで30年近くの空白は一挙に埋まり…どころか,その西村さんが江若鉄道のレイアウトセクションを製作されるというのだから,これは見逃すわけにはいかない.
 以来数年間,高島町に始まり白鬚,三井寺下と企画はどんどん拡大し,掲示板上ではお仲間との間で時代考証やアイデアのやりとりが楽しく繰り広げられた.
 そして今年秋,付随して製作された50輛もの車輛とともに,廃止42周年記念イベントが,縁の浜大津で開催されることになったのだった.

ということで,10月29日から浜大津で催されている,“浜大津懐かしの写真展&鉄道模型走行会”にお邪魔してきた.
 会場は,元の江若鉄道浜大津駅跡に建つ“スカイプラザ浜大津”.
会期は10月29日から11月28日.ただしレイアウトセクションでの運転は10月29,30日と11月3,5,6日.オープン時間は10時から18時.入場料は大人200円(写真展は無料).

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会場となったスカイプラザ浜大津の外観.かつては画面左側の道路が湖岸だった.

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三井寺下のセクションを前に,訪れた江若鉄道OBの昔話を熱心にメモする西村さん(画面右).OBのみならず,近所にお住まいの人々からも次々と新事実が語られれ,収穫は大だったようである.

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無料スペースで展開されている江若鉄道現役時代の写真展.主にレイル80号で京都市電の思い出を纏めてくださった福田静二さんの写真で構成.

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STMC滋賀鉄道模型愛好会の16番レイアウト.こちらは主に近代的な列車が数多く運転され,好対比を見せていた.

このレイアウトセクションを徹底取材した結果は,近いうちに本誌上でお目に掛ける予定.どんなドラマが展開されるのか,大いにご期待いただきたい.

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ドイツという国のことを初めて意識したのはいつだったか,もう記憶にないけれど,1961年のベルリンの壁構築のことはTVニュースで見たことがあるようなないような…….
 今年はそれから50年,碓氷峠の電化工事が完成してAEGのアプト式電気機関車が走りはじめてから100年(開業は翌年だけど),そして日独修好150周年ということ.
 その日独修好150年を祝うお祭りが,ウェブサイトでもご案内した通り,10月23日に東京の有栖川宮記念公園と在日ドイツ大使館で開催された.
 本当はこのお祭りで記念年を締めくくるはずだったのだが,東日本大震災の影響が大きく,記念年を半年間延長することになったため,“中締め”的な位置付けとされたのだった.

前 日の雨がうそのように晴れ上がった当日,僕が会場に着いたのはオープニングセレモニーが始まる寸前だった.緑深い公園内は既に大勢の観客で超満員の様子. そればかりか公園入り口に達する行列が見えたので,なにごとかと尋ねてみたら“ソーセージ購入の列です.2時間待ちです…”.まったく驚きの盛況ぶり.よ うやくの思いで中央の広場に達し,まずは東京の日本橋で20年近い歴史を持つドイツパン屋“タンネ(Tanne)”のチーズサンドと,静岡・富士宮のドイツビール“バイエルンマイスター”を確保.

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フォルカー・シュタンツェル(Dr. Volker Stanzel)駐日ドイツ大使による開会の挨拶.150年間の友好の歴史と今後のさらなる強い絆への期待が述べられた.

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とりあえずの腹ごしらえのために確保したサンドイッチと飲み物.左からタンネのチーズサンド,バイエルンマイスターのピルスナー,ヴァイツェン.

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公園内を闊歩する操り人形(Stelzenpuppe Eumel).5人で操作する大掛かりな仕掛けだけれど,人形のひょうきんな表情と,操る人たちの真剣な表情のコントラストがとても印象的だった.

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大いに注目されたのが,ドイツ人男性と日本人女性のカップルの,会場での結婚式.DJによるインタビューでは双方の“本音”らしきものもうかがうことができて,とても興味ぶかいことであった.

隣接するドイツ大使館の敷地内でも多くの企業が展示を行ない,また,食べ物や飲み物のテントがたくさん並んでいた…….
 で,いささか疲れて,清涼飲料水を抱えてベンチで一休みしていたら,相席になったドイツ人から“ここはドイツフェスティバルだよ,ビールを飲まなくちゃぁ”と,からかわれてしまった.そりゃあ,もっと飲みたいですけれど,くたびれて酔っぱらっちゃいそうだったんだもの.

だから,というわけではないけれど,日本ではなかなか味わうことができないドイツ風コーヒー“ダルマイヤー(Dallmayr)”の代理店がテントを出していたので,思わず500グラムも買い求めてしまった.ダルマイヤーといえばミュンヘンの歴史ある食料品店.日本では高島屋などが扱っているハムやコーヒーで名高いけれど,コーヒーの味もなかなかなのである.

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ダルマイヤーのコーヒー(画面奥)と紅茶(手前).僕にとって,ドイツの朝食に欠かせない飲み物は,なんといってもコーヒーである.

このあと夕方にはクリスティアン・ヴルフ(Christian Wulff)ドイツ連邦共和国大統領が会場を訪問,皇太子殿下とともに公園内の一角に菩提樹を記念植樹された.そしてお祭りはさらに盛り上がって夜の9時まで続いた.

……ということで,今回は鉄道の話はでてきません.すみません.
 でも,会場で繰り広げられたさまざまなドイツの文化に触れ,飛び交う生のドイツ語を耳に入れる…日本に駐在していると思しきドイツ人が思った以上に多かった…ことで,ドイツの鉄道への距離を縮めることができたわけで,それこそが,僕のこの日最大の収穫となったのである.

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今から50年前,伊豆半島東海岸に新しい鉄道が開通した.伊豆急行がそれで,国鉄伊東線の伊東からほぼ海岸線に沿って下田まで,約45kmの路線だった.
 開業に際しては,会社名に“鉄道”とつかない鉄道会社であることなど,さまざま話題になったようだが,子供心に衝撃的な印象を受けたのは,なんといっても電車の色.

形 態的には,前頭部は貫通扉付きで貫通路上部に2基の前照燈という東急車輛標準デザイン.幅も天地も大きな2段窓と,できるだけ両端に寄せられた片開きド ア.室内は固定向かい合わせながらも戸袋部分を除いてクロスシートを配置…….国鉄の153系を私鉄でモディファイしたらこうなった,という全体コンセプ トに加え,オーシャンブルーと称するブルー濃淡の塗り分けは,その頃の日本の鉄道では,とてつもなく斬新なカラーリングだった.
 と,これらは後年,あちこちから仕入れた知識ではある.

伊 豆急行では,より積極的な観光客誘致を目的として,昭和60/1985年に2100系“リゾート21”を登場させた.足廻りは100系の活用品ながら,海 の眺望を重視した座席配置とそれに合わせて車体の両側で全く異なる窓配置が採用され,さらには超大型の前面窓による前面展望と,伊豆観光の旗手にふさわし いデザインが,世間の度肝を抜いたものである.
 リゾート21は3次車から完全新製となって東京駅への乗り入れもスタート,さらに第5編成まで製造されたのは,みなさんよくご存じのこと.

歳月の経つのは早いもの.今年は伊豆急行開業50周年,リゾート21登場26周年である.
 リゾート21も最初の2編成は廃車となって,行く末が危ぶまれていたが,このたび,第3編成がその名も“リゾートドルフィン号”として面目を一新,本日そのお披露目が行なわれた次第.
 どこが“ドルフィン”なのかといえば,その外部塗色.なんと100系のオーシャンブルー濃淡が甦ったのだった.

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まったくなんの違和感もなくオーシャンブルー濃淡を纏ったリゾート21の第3編成.伊豆高原車庫での撮影時には,はかったようにJR東日本の185系緑ストライプ編成がやってきて並んだ.参加者一同,一瞬“ここはどこ?わたしは?”状態になったものである.

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よく手入れの行き届いた車内は,レトロ感を演出するために照明を電球色の蛍光燈に取り替えた他は,基本的に従来のまま.しかし壁面を利用して写真展示スペースが新設され,その第1回目として“懐かしい昭和の写真展(鉄道編)”が各車に掲示されている.今後,一定のサイクルで次々と新たなテーマにより写真展が催される予定

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下田駅にて伊東方先頭車を見る.展望室の側面には“IZUKYU 伊豆急”の文字のほか,躍動するイルカが描かれた.イルカは3号車下田寄りトイレ部にも描かれている.なお,正面車体裾バンパー部にも,ロゴが描かれるかもしれない.いつごろどのように…はお楽しみに.

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6号車2109の山側.山側は窓が通常の大きさなので,より100系の面影が強い.伊豆急行本社でも,車庫に姿を見せた塗り替え最初の中間車を見ても,気づかない人が少なくなかったというほどに.

そんな伊豆急行100系は,その後の増備や更新を経て,約10年前の平成14/2002年に営業運転から引退した.
 しかしトップナンバークモハ101は東急車輛に保存予定車として譲渡された.さらにクモハ103は,構内の入換作業に便利な両運転台ということで車籍も抜かれずに現在まで活躍してきた.
 今回の開通50周年記念事業では,なんとこの“本家ハワイアンブルー電車”も,東京,新宿,武蔵小杉,川崎,横浜,大船発着の日帰りツアー用として本線に復活することになった.きょうの時点ではまだ作業中で,写真はまだ発表しないでね,ということで,公開はもうちょっと我慢.ツアーは11月5日から催行.

ところで完成した“ドルフィンリゾート”だが,一般へのデビューは10月22日. 朝9時53分に伊東駅を発車して伊豆高原,伊豆熱川,伊豆稲取,河津に停車して伊豆急下田着が1053分.12時4分に折り返し発車して河津,伊豆稲取, 伊豆熱川に停車して伊豆高原着が12時54分という行程.快速列車なので普通運賃だけで乗車可能.社内では“リゾートドルフィン号ピンバッジ(定価500 円)”やリバイバル“冷凍みかん”などを販売.また,河津と伊豆急下田の間で乗車証明書を配布するとのこと.伊豆急下田折り返し街の間には撮影会も開催さ れる.
 10月29日(土)にも同様のイベント列車を運転(撮影会はなし).その後は熱海-伊豆急下田の間の普通電車として運転されることになっている.運転日などは伊豆急行のウェブサイトに掲載されるとのことである.

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月刊『とれいん』2011年11月号が本日より発売となりました!

そして,鉄道会社・メーカー各位のご厚意により,今月も読者プレゼントをいたします.ご希望の方はハガキまたは,WEBからご応募下さい(パスワード・商品IDは本誌に記載しております).
応募締切は11月末です.

たくさんのご応募お待ちしております!!

       ★☆★ 2011年11月号プレゼント ★☆★
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A.Zゲージトライアルセット
1名様 
提供:エフトイズ・コンフェクト

B.バスコレ3台セット
1名様 
提供:東急バス(株)

C.方向幕キーチェーン 6種類
1名様 
提供:東急バス(株)

D.ハローコンテナ・マイスターシリーズ各種(レイアウト用品・N)
1名様 
提供:こばる

E.オリジナルプラレール「東急電鉄 5000系 田園都市線」
1名様 
提供:東京急行電鉄(株)

F.チョロQ N700系新幹線R編成「みずほ」・「さくら」
3名様 
提供:JR九州リテール

G.伊豆急行線 開業50周年記念 オリジナルバッジセット」
2名様 
提供:伊豆急行(株)

H.2012年版「東急電車カレンダー」
3名様 
提供:東京急行電鉄(株)

I.鉄道博物館 招待券
5組10名様 
提供:鉄道博物館

WEBの応募ページはこちらへ

*応募は終了しました

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月刊とれいん No.443 2011年11月号のご案内です

【今月のオススメ記事】
●いい“ユ”だな JAM会場で展開された 国電郵便車ガラポン!  Part1
か つて,郵便物の輸送に,鉄道は欠かせない存在でした.客車から電車,気動車などに郵便物が積み込まれ,時には車内で消印作業も行なわれていました.今回は 数々の郵便扱い車の中から電車に的を絞って集めてみました.お馴染み“チームおやびん”のメンバーが製作した作品を堪能してください.

●MODELERS FILE 東邦亞鉛株式会社 タキ1200・15600
“か つて”といえば,貨物輸送でも,今ではコンテナがほとんどとなって,“車扱い”と呼ばれる輸送は大激減しました.そんな状況の中で亜鉛焼鉱を運ぶタンク車 が新造されました.95km/h運転が可能な新型はどんな貨車か.在来車とはどう違うのか.形式図を含めて徹底比較してみました.

【目次】
MODELERS FILE-------------------------------------------------
22 MODELERS FILE 東邦亞鉛株式会社
    タキ1200・15600
    亜鉛焼鉱輸送用タンク車の新旧 併せて トキ25000のこと
        写真・まとめ:前里 孝 写真協力:土屋隆司
                資料提供:東邦亞鉛株式会社
44 MODELERS FILE FRAGMENT
    長野電鉄 8500系
    −善光寺平で活躍するもと東急8500系(その1)−
                 /撮影・解説:高見一樹
小特集-------------------------------------------------
8 いい“ユ”だな
    JAM会場で展開された 国電郵便車ガラポン!  Part1
                      /チームおやびん
新連載-------------------------------------------------
82 新連載!モリセン
     モデリングリサーチセンター 第1回 ガイアカラー
     ホビーショップカシオペア      /宮城幸路
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3 ついに最終回!模型千一夜物語
4 Products Data file
    マイクロエース製 JR北海道14系客車“SLすずらん号”
                /C11/DE10を検証する(N)
6 第7回軽便鉄道模型祭 出展メーカーから
    HOナロー,Oナローの注目製品いろいろ
30 Nゲージで網羅する西武2000・新2000系
    第2回 新2000系登場からパンタ削減工事まで
        浅見和也・池添智和・石割太郎・佐瀬雅彦・
        高原章悟・笛田俊一・山下 満
        実車解説:山下 満
58 ハプスブルクの鉄道 点描 5    /前里 孝
    ハンガリー共和国 2
    ブダペストのターミナル駅巡り  
66 サロン・ド・庭園鉄道
    千葉市蘇我に新運転場とクラブが誕生 /蘇我MTC 岸田 弘
70 模型千一夜物語 /畑中 博
    6.5mmレイアウトを作ろう! 最終回 レイアウトの製作−4
86 第7回軽便鉄道模型祭レポート
91 横浜夢鉄道オープン!
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40 線路は続くよいつまでも /信沢あつし
    第15回 レールが覗く地層の先は謎多き魔宮
    三石鉱山の小さなホッパーと周辺
42 蕗狩通信 /北村昌三
    第8回 秋の駐泊所(HOn30)
46 おとなの工作談義 /嶽部昌治・武本典幸・山本晃司
    つくるを知れば模型は3倍楽しくなる
    第14回 透明を語れ
50 サンフランシスコベイエリア 乗物めぐり /新宮琢哉
    第17回 アムトラック・カリフォルニア(その3)
54 ABC of DCC 第9回 /加坂 紳
    DCCサウンド編スタート!
64 Coffee Cup /前里 孝
    福島臨海鉄道のこと
72 国鉄時代の私有コンテナ /吉岡心平
    第8回 UH1形ホッパコンテナの解説(6)
76 模鐵技師 第2章 ED19の自作 /須藤領一
    その20:端梁取付用アングル
93 新車登場
114 E.NUKINAのB級コレクター道 /貫名英一
    第4回:B級コレクション
115 伝言板
140 いちぶんのいち情報室
146 BOOKS
147 甲種・特大 運行計画
148 各種募集のご案内
149 G線上のマリア 第16回:売店 /荻野目かおる
    モデラーな日々 とれいん出張所
150 新車登場INDEX
152 読者プレゼント・とれいんスケール呼称早見表
153 Combo Caboose・掲載広告索引

2011年10月21日(金)発売  定価:本体1,429円+税

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