電車好きの世界で“青ガエル”といえば,多くの人が,昭和20年代末に一世を風靡した東急電鉄5000系を思い浮かべるに違いない.
 大阪育ちの僕も,実際に見ることができたのはずっと後年のことではあるものの,玉電の“ペコちゃん”こと200形とともに,子供のころから憧れの存在であった.
 そんな“青ガエル”も,東急から姿を消して久しく,譲渡された各地各鉄道でも,ことごとく現役を引退してしまった.
 しかし人気は歳月を経ても変わらず,とれいん誌上では何度も特集で採り上げている.今年に入ってからも“東急 旧5000系 大井町線・目蒲線に棲んだ引退間際の青ガエルたち”と題した連載が4月号から始まっている.
 僕が担当するレイルでも,No.102では,関田克孝さんによる“こどもの国線の半世紀とその前史”で登場するし,関連して三浦 衛さん撮影になる,昭和50年代田園都市線などでの姿も紹介している.

東急電鉄では,そんな人気を承知しているようで,9月4日から,青ガエルを復活させた.それも,二代目5000系で.
 残念ながら,全編成を緑色にしたわけではなくて,1編成8輛にラッピングを施したもの,今の5000系は青ガエル本来の東横線ではなく,田園都市線用のはず….けれど,5118,5119,5121,5122の4編成だけが,車輛需給の調整の結果として,東横線を走っているものだから,その中の最新である5022を,“再来 青ガエル”に仕立てた,というストーリー.
 で,なぜ今,青ガエルなのかといえば,8月29日で東横線が開業90周年を迎えたことから,その記念キャンペーンの一環として,と,アナウンスされている.

早速……とは思うものの,何しろ全部で30編成もの5000・5050系がいるうちの1本だから,なかなか巡りあうことは難しい.
 と,思っていたら,今週の月曜日の外出途上,祐天寺の追い越し設備が完成してから訪問していないのを思い出して,“あわよくば”という期待も込めて,しばし駅のホームでウォッチング.
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姿を見せたのは,もう黄昏時ともいえる,午後6時.各停とはいえ渋谷行きだったのが,ちょっと嬉しかったり.すぐに折り返してくるということでもあるから,それを待つことにした.

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車輛番号も,ちゃんと青ガエルのころの東急書体.戸袋部の本来の車号表示は,ものの見事にシートの下敷きになっている.画面左上に微かに凹凸があるのが見えるだろうか.幕板には“東横90周年”のサボを赤字に白で掲出.これは別シートを貼ったもののようである.

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腰板のリブを,ラッピングシートに影を描くことで再現.“T.K.K.”の文字も描かれている.


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停止状態の編成全体を撮ろうと思ったら,渋谷方面行きホームから横浜方面行き列車の最後尾を撮るしかなかった.ということで,さっきと同じ5122を山側から.正面左下裾の白い部分は,上が往年の急行札を模した“東横線90周年”の文字,その下の枠は往年の表記を模した,現在の車輛の番号,重量,定員の表記.


このラッピング編成は,来年の8月31日まで運転予定とのことである.

この編成との出会いの前,しばらく姿を見かけなかった5177の編成がやってきた.何気なく撮影したのだけれど,中間のサハ5577の床下に,見慣れない部品を発見.次に遭遇したときには,詳しく観察しなければ…….
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5050系の最新編成.この写真では解りづらいが,発車していく時に見送っていたら,前から5輛目のサハ5577の床下機器に見慣れない形の部品を発見したのだった.