11月29日,京浜急行電鉄…京急電鉄…京急から“新造車を全面塗装!赤と白で“京急らしさ”を復活!”というたニュースリリースが発表された.
 2007年登場のステンレス鋼製からラッピングに改められたのを,アルミ合金製グループと同じ塗装に“戻る”とということである.
 その第一陣が落成出場するというので,今日,報道公開が催されたわけだが……
 総合車両製作所から久里浜の京急ファインテック久里浜事業所…京急ファインテック…への試運転を兼ねた回送と到着の模様が公開されたのだった.
 前々回のここで,小田急電鉄GSEこと70000形のお披露目の模様をお伝えした.その中で,その前の東急2020系報道公開とともに“到着風景を含め,日を措かずに披露するというのが,近ごろのトレンドなんだろうか.”と記した,そのトレンドを通り越して,以後,各社に定着するのだろうか.

 しかもその姿たるや“白い京急電車”…….
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運転室にマスコットキャラクター“けいきゅん”を載せ,集合場所に姿を見せた“白い京急電車”1201~1208の編成.マスコットを乗せるのも,西武30000系のおりの“レオ”から,先日の相鉄20000系での“そうにゃん”,そして今日と続いた.


完全に仕上がってから納入するのが当然ではあるのだが,今回はさまざまな工程上の都合によって,最終の赤塗装と仕上げを京急電鉄への引き渡し後に実施するということになった.その結果として,回送と試運転の列車が総合車両製作所を出る10時14分から,京急ファインテックに入庫する11時23分までの約1時間だけ一般の人の目にも触れる,“白い京急電車”となった次第.

京急久里浜駅から京急ファインテックまでの僅か3分間で室内を観察したところでは,情報表示装置や腰掛表地,袖仕切りなどに変化を見ることができた.
 各側扉上の情報表示装置は二連になり路線図などは左右連続してより広い範囲を表示することが可能になった.表示は4言語としている.
 袖仕切りは,寸法は16次車と同じであるものの,ガラス部分が磨りガラス状からドットパターン模様に変更された.
 腰掛け表地は色合いは同じであるものの織り柄が新しくなった.
 ……これら内装の変化は,残念ながら撮影が許されなかった.しかし,いずれの機会にかお目に掛けることができるだろう.ご期待いただきたい.
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京急ファインテック内では敷地北端の,いつもと違う線路での撮影となった.標準レンズではいささか厳しい場所ではあったが,広角レンズで白い側面を強調するには却ってよかった.いずれにしても新鮮な体験となった.


車号は浦賀方から1201,1202と続き品川方先頭車が1208.16次車の続きなら1193から1200となるべきところ,創立120周年にちなんで1編成分を飛ばして1201からとしたという.
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品川方にパンタグラフを装備した中間電動車1204(M1u').この状態から仕上げのアイボリーを塗装し,赤を塗って完成となる.側扉は別工程なので既に塗分けが完成している.車外スピーカーや車号表記,1位,2位表示も同様.細かいところでは妻の雨樋も赤に塗装済み.


 このような状態の電車,このブログをお読みの皆さんは,多分,既に何度も目の当たりにしているのではなかろうか.自分自身で製作途上の電車の試運転で…….
 一方で,これはこれとして,どこかの鉄道会社に存在してもおかしくないような気もする僕であった.

走り装置や屋根上艤装などは16次車と同じ…15次車と16次車での変化はシリコンカーバイド(SiC)素子を使った主制御装置と全密閉式主電動機だった.
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主制御装置箱.三菱電機製のMAP-198-15V295.中央部の蓋や左右の冷却部のメッシュなど15次車までのMAP-138-15V174とは大きく外観が異なる.

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主電動機を外側から見る.形式は
MB-5171-A.定格出力は190kW.継手はこれまでと同じTD継手.

さて,17次車の8連編成はあと2本登場することになっているが,いずれもこの姿で京急に到着し,仕上げることになっているという.
 一方,川崎重工製の6連2本は,通常通り完全に仕上がった状態で兵庫からやってくることになっている.