先週のここで少し触れた,JR東日本の山手線渋谷駅の線路移設工事.第2週目の工程も無事に終わったようで,山手貨物線は順調に運転されているようだ.“ようだ”というのは,6月2日には都心へ出掛ける用事があったので,作業たけなわの様子は観察できたものの,その後は江古田に缶詰で…….来週以降のお楽しみ.

今回の工事でもっとも目立つのが,旧大山街道に架かる宮益坂跨道橋の架け替え.いわゆるスクランブル交差点のすぐ脇にあるガードのうち,山手貨物線南行きの桁を架け替えるものである.
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5月23日の様子.新しい橋台が用意されていて,あとは桁の到着を待つばかり.
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5月27日の同じ場所.白い桁が架かっている.PC桁になるのかと思ったら,在来方式の角式鉄桁だった.さすがに町中で使われるだけあって,有床式ではあるが.
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その銘板.立派な砲金鋳物で,固定用ネジはマイナス溝頭というところに,意味もなく嬉しくなってしまった.EWTGCE728-1というのは製造番号だろうか.EA-17というのはこの桁の列車荷重規格を示している.

僕の頭の中では,鉄道橋の荷重規格はKS荷重なのだけれど,気がついてみたら新型機関車荷重規格のEAに移行してから30年を経ているのだった.ちなみに17というのは荷重(軸重)値で,170キロニュートン(KN)≒17トンを示すのだという.

川田工業というのは,恥ずかしながら聞き覚えのない名前だったが,調べてみたら,大正13/1922年創立という歴史ある会社で,鉄構,土木,建築などを広く手がけているという.

この架道橋,次は山手貨物線北行きの線路を少し東へ移動する.
 その次には山手線内回り(南行き)を少し東へ移動する.そして最後に山手線外回り(北行き)を西へ移動して,ここの部分の線路移動はおしまいとなる.
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山手線内回りホームから見た,宮益坂架道橋.新設の南行き線路は,北行きに比べて高い位置にあるのが判る.北行きも移設に際してこの高さまで持ち上げられることになっている.
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6月2日の様子.軌陸車が大活躍.トラックだけではなく無限軌道付のバックホーが真っ昼間の都心部で線路上を走り回る風景などおいそれとみることはできない.

それにしても,いまだに理解できないのが,埼京線・湘南新宿ラインのホームを山手線ホームに横づけするまでの間使われるという連絡通路がどうなるのかということ.現在の高架連絡通路は,線路を嵩上げしたらクリアランスが足りなくなること必定.とすれば,仮設ホームのような構造物を作るのだろうか.
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とすれば,ホーム北端近くに構築中のこの構造物が,階段やエスカレーターやエレベーターのスペースになるのかとも思うのだが…….
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これが最初の線路移設状況.写真:JR東日本
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6月3日夜の工事完了状態.写真:JR東日本
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そして完成形.もっとも,渋谷駅の変身はコレで終わりではなく,駅南端の国道246号線可動橋の前面架け替えという大工事も控えている.写真:JR東日本

しかし同じ山手線では,引き続いて6月13日から翌日午前中に掛けて品川と田町の間での線路移設が行なわれることになっている.建設中の新駅開業に向けてのワンステップなのだが,その結果として,品川駅では5番線が新たに京浜東北線(横浜・大船方面行)ホームとなり,現在使用している4番線は使用停止となる.
 本当にひと息つく暇もない山手線である.