このブログでは何度も何度も話題にしている,JR東日本山手線の新型車E235系.なにしろ東京都心の主要ポイントを繋ぐ路線なのであるからして,利用する機会が多いから,走る電車のことも気になるのは当然のこと.
 昨年春から投入されはじめた量産車は早くも20編成を数えるに至っている.50編成中の20編成だから,もう4割がおき替わったことになる.捻出されたE231系500番代はどこへ行ったのかといえば,11輛のうち1輛をE235系に提供した10輛編成で,ストライプの色をレモンイエローに変更して“おとなり”ともいえる中央・総武緩行線で使われている.新宿や代々木では,すぐ隣りのホームで“こんにちは”状態である.
 それでもともとそこにいた209系500番代やE231系は……編成を短縮して八高・川越線や武蔵野線への転用が進んでいる.
 いわゆる国鉄時代から日常的に見あれた“玉突き転用”である.JR化後の間もない頃,651啓が登場した時だったかに発せられた“今後は新車を投入してもそれまでの車輛を他へ転用するようなことは行なわない方針です”は,完全に過去の言葉となってしまったようである.経済効率を考えれば,無理もないことであるとは思う.

さて,いろいろ考えを及ぼしているうちに,E235系の量産先行編成が,再び姿を変えた.
 7月下旬のある日,品川駅で乗り換えのため跨線橋に上がったら,窓の外に,E235系らしい屋根が見えた.でもちょっと変,ということで,手持ちのカメラレンズを思いっきり望遠にしてのファインダーを覗いてみれば……サハE235-3に取り付けられていた,電車線路検測装置の機器箱や装置類が,そっくり消えていたのだった.
 この編成,この春には2種類の保安装置のうちATS-Pを撤去してATCのみとしたばかり.それに続いての変身というわけである.そのお話は5月3日のここで“E235系量産先行編成その後 地下鉄銀座線渋谷駅”としてお伝えした.
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品川駅の跨線橋から見たモハE235-3の屋根.気付いた時には目のすぐ下を通り過ぎてしまってたけれど,“外されている”という確認はできた.

これが,“おなじ新宿駅に出入りする車輛でも新たな変化を発見してしまった.”という,先週のここの最後に記したことの真相である.

それから1週間後,新橋方面へ出掛ける用事があり,いつもなら地下鉄で向かうところを,山手線利用としてみた.向かったのは,山手線を見おろすことができる東武デパートデッキである.日陰に入っても頭がくらくらしそうな暑い日だったが,水分を補給しながら待ち続けた甲斐あって,写真が撮り易い内回りとして,姿を見せてくれた.
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先日とは反対エンドからの観察.パンタグラフに取り付けられていた加速度センサーなどは外されているように見える.しかし取り付け脚はそのまま残っているから,きっと後年には“あれはなんの跡なのだろうか”と,考古学的研究の対象になることだろう.

ちなみにこの写真の画面奥にみえる巨大な建物は,西武鉄道が建設中のビル.池袋線の本線を跨ぐ形で聳えている.モチーフは斜めに走る柱.鉄道のダイヤグラムをイメージした造形なのだそうである.そしてそれは,8月1日に発表されたビルの名称“ダイヤゲート池袋”にもあらわされている.と,ちょっと余談であった.

続く興味は,重量表記がどのように変化したかということ.妻板の表記を内回りホームから観察できる場所は…と考えて,外回り電車で先回りして東京駅で待ち構えた結果は……
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自重が31.5tに変更されていた.元は32.7tだったから,1.2tの減少ということになる.

この減少値は,量産先行編成をMODELERS FILEで紹介した,とれいん2015年6月号(通巻486号)に既に記されていることではある.だから予定通りということになる.

この日の用事を済ませて再び向かった東京駅.幸いにして引き続いて内回り運用に就いていたから,海側神戸方台車脇の床下機器観察にいそしんだ.
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手前台車の右側,非常用ドアコックの辺りに取り付けられていた箱が姿を消している.もちろん,その場で断言できる記憶力は持ち合わせていないから,帰宅後に,とれいん誌掲載の床下機器配置図と比較して判明したことではある.

そうそう,この量産先行編成から電車線路検測装置を撤去してしまったら,山手線の架線検測は…ご安心いただきたい.昨年の年末に就役した第12編成のモハE235-36に搭載されていて,既に使用開始となっている.そのことは4月19日付のここで“2018年春のE235系電車“と題して紹介している.
 なぜそうなったのか.量産先行編成落成から3年の間に,なにか大きな技術の進歩があって新形式が登場したのは間違いないところだろう.それで,量産先行編成のそれを交換せずに新たに搭載した理由だが,まず考えられるのが,しばらくは併行して使用し,比較検討してみたかった,ということ.次は,まだ大規模な定期検査入場の機会はないから,臨時入場で長期間の運用離脱は避けたい.撤去だけなら,なんらかの“ついで”的に作業できるから…もちろんこれは,完全に僕の想像妄想である.さて真実は?

間もなくE231系と同数に達する勢いのこのE235系.量産編成にもいくつかの変化が出てきている.その観察結果は,また次の機会に…….