9月4日,JR東日本は定例の社長会見で“横須賀線にE235系電車を導入します”と発表した.
 山手線では既に半分近くがこのE235系に置き替えられ,旧来のE231系500番代は中央・総武緩行線に転用されつつある.このこのことは,このブログでも何度も記しているから,もうすっかりご承知のことと思う.
 山手線のE235系は2020年までに全数が揃う予定と発表されているので,“その後”に関心が集まっていたわけだが,横須賀線への投入は,まず穏当なところといえよう.新しいと思っていたE217系だけれど,初登場は1994年のことだから,すでに25年.途中で機器の更新を行なっているけれど,最初の施工は2007年だからもう10年が経ったことになる.毎度のことながら,時が移り行くのの,なんと早いことか.

さて横須賀線用のE235系.基本は11輛で付属が4輛という編成で,基本編成には2輛の2階建グリーン車が組み込まれるという.
】エクステリ

先頭車の完成予想図.車体そのものは山手線用と変わるところはないように見える.違っているのは前頭の周囲が緑から青に,前面腰部は緑からクリームのグラデーションに変更されたことか.ラインカラーは側扉全体への着色(ラッピング)から,一般的な窓下への帯となっている.また,台車にはヨーダンパらしき部品が描かれているのに気づく.写真提供:JR東日本

【別紙2】パース(グリーン車)
グリーン車の側面.てっきり,中央快速線E233系に組み込むのと同様の両開きかと思ったら,これまで通りの片開き扉車だった.客室窓配置も同じだし.まさかE217系グリーン車の転用ではないと思うが.公表された総製造輛数からもありえない.写真:JR東日本

客室は,普通車が全部ロングシート.グリーン車は回転クロスシートである.定員は15輛のフル編成で普通車1,875名,グリーン車180名の合計2,055名とされる.ちなみにE217系は2,044名である.
 すべての普通車にフリースペースを設け,トイレは大型車椅子対応となる.腰掛は座席幅を10mm拡大する.
 グリーン車には各鎖積に電源コンセントを設置する.無料公衆無線LAN(Wi-Fi)の利用を可能とする.
 全ての車輛の客室に防犯カメラを設置する.側扉は半自動式となる.
【別紙1】デジタルサイネージ
普通車客室全景.山手線用と同じ液晶画面によるデジタルサイネージを設置する.腰掛や吊り手の色は山手線用と同じだが,別色になることはないのだろうか.写真:JR東日本

性能的には,最高運転速度が時速120キロ,MT比は基本編成が6M5T(E217系は4M7T),付属編成はE217系と同じ2M2Tである.主制御装置は山手線用と同じSiC(シリコンカーバイド)素子を使った1C4M方式.電動空気圧縮機や補助電源装置も同等であり,列車情報管理装置もINTEROSが使われる.
 付加設備としては,非常走行用電源装置を設備し,停電時などに最寄り駅などまで列車を移動することができるようにする.また,とれいん9月号のMODELERS FILEで詳細をお届けした線路設備モニタリング装置と山手線用第12編成に搭載の電気設備モニタリング装置も搭載するとしている.
【別紙2】非常走行用電源装置概略図(絵)
非常走行用電源装置のシステム図.装置の写真はEV-E801系の主回路用装置箱のものである.写真:JR東日本

さて,投入開始は2020年度からと発表されている.ちょうど山手線用の製造が終了する年である.それから約4年の間に基本編成51本561輛,付属編成46本184輛の,合計745輛を投入の予定である.番号区分はどうなるのか,発表ではなにも触れられていないし,完成よ造次も描かれていない.2番目のE235ということで1000番代というのが妥当なところだろうか.
 運用範囲は横須賀線,総武快速線,外房線,内房線,総武本線,成田線,鹿島線で,現在のE217系と同じ範囲である.
 この横須賀・総武快速線用の製造が終わるころには,引き続いて東海道・東北・高崎線で使われているE231系の置き替えを始めるとも発表(プレスリリースには含まれないが)されたようで,一部の新聞が報じている.こちらにはクロスシートが装備されるのだろうか.

趣味的に注目されるのが,E217系の去就についてだろう.9月6日付の交通新聞には“E217系は廃車される予定”とある.新造から25年.機器更新からでも10年を経過しているのだから,ここは転用よりも廃車が順当なところだろう.ただし,京浜東北線の209をE233系に置き換える計画が発表された時にも“209系は全部廃車”とされていたのが,ほどなく房総地区への転用改造が実施されたのは記憶に新しい.だから,まだまだ予断は許されない.でもまぁ,続いてE231系近郊タイプの置き替えが始まるならば,そちらの方が6年は若いから,転用するならそちらの方だろうとは思う.
 また,もうひとつ気になるのが,せっかくY-50編成に搭載したモニタリング装置はどうなるのだろうかということ.現実的には,E235系に新設される装置と複数の運用を行なってE235系に2本目の搭載(あるいは搭載準備)編成が登場したところで廃車…というところだろうか.

※2018.09.07:一部語句追加