JR西日本は,9月8日に227系1000番代近郊形電車を報道公開した.これは,同社が今年3月7日に“和歌山線・桜井線への新型車両導入”(URLは今後変更される可能性がある)として発表した車輛である.
 どんな仕上がりになったのか,自分の目で確かめたかったのだけれど,なあにしろ今月発売のとれいんと,来月発売のレイルNo.108の編集作業たけなわとあって,事務所を離れるわけにゆかず,いつも取材を手伝っていただいている来住憲司さんに,吹田総合車両所(もとの吹田工場)で撮影取材していただいた.
 それほど広い場所があるとは思えない吹田工場だが,2輛ユニットなのでなんとか編成写真も撮影可能だった.場所は工場の一番奥,元の吹田第一機関区との境界線あたりの留置線で,公開は実施された.

その名の通り,広島地区に投入されている227系が基本とされており,軽量構造ステンレス製車体にインバータ制御装置を組み合わせている.ただ広島地区用がIGBT素子であるのに対して,フルSiC(炭化珪素=シリコンカーバイド)素子を採用しているのが新しい.
 前照燈はHIDに代わってLEDとなった.4燈式にみえるが内側の2燈はフォグランプで黄色く光る.なお,燈具はともにコイト電工製の花形である.
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帯色が変更されてイメージは一新された.形式は写真手前がクモハ226-1001~,奥のパンタグラフ装備車がクモハ227-1001~.前照燈にLEDを採用したのも新しい.吹田総合車両所 2018-9-8 写真全部:来住憲司

車輛の向きは,吹田総合車両所では神戸方がクモハ226-1001~,東京方がクモハ227-1001~となるが,和歌山線では互譲型がクモハ227-1001~,和歌山方がクモハ226-1001~となる.
 公開された第1編成はパンタグラフが2基だが,これは霜取り用で,基本は連結面寄りの1基のみとなる.
 いわゆる0.5M方式で,動力台車は連結面寄りでWDT63D.付随台車は銘板を読むことができなかったがWTR246系であるのは間違いない.
 保安装置はATS-SWとATS-P,そして無線式ATCの準備工事も施されている.
 最高運転側路は110km/hとされている.
 客室はオールロングシート.扉間10名,端部4名掛けとしている.側扉は半自動式で外部に“開”,内部に“開閉”のボタンを取り付けている.またICカードの改札装置を搭載して無人駅の多い線区でのスムーズはワンマン運転を可能とする予定である.この装置は2020年から稼動の予定.
 定員はクモハ227が137名,クモハ226が130名である.
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クモハ226の客室見通し.扉脇の赤い箱は乗車整理券発行機で青い箱が車載式ICカード改札機である.客室照明はLEDである.
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大型車椅子対応トイレもクモハ226に設備している.その対面を車椅子や乳母車のためのスペースとしている.貫通扉にはアシストレバーを取り付けて小さい力でも開閉できるように工夫.

運転室はJR西日本としては標準的な機器配置で,左手操作のマスコンと右手操作のブレーキともに横軸式である.メーター類は液晶画面化され,そn右手には客室状況を確認するためのモニターが置かれている.背面には運賃を収受するための機器も置かれている.
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運転室全景.メーター類は液晶表示式.右手には車両状況確認モニターがあり,その上に客室状況確認モニターが置かれている.

この227系1000番代,和歌山線と桜井線,そして紀勢本線の一部で運用されることになっている.配置吹田総合車両所日根野支所…もとの日根野電車区で,表記は“大ヒネ”となっている.実際に常駐するのはその新在家派出…もとの和歌山車両センター,さらに遡れば和歌山機関区の敷地…となる.
 製造されるのは28編成56輛と発表されている.来春から順次営業運転を開始し,2020年春に在来車を全部置き替える予定とのことである.
※2018.09.14:一部語句追加