1月31日のここで,3月16日からの営業運転開始をお伝えした西武鉄道の“Laview”001系.今日の午前から午後にかけて報道関係者向けに公開された.小手指車両基地で静止状態を撮影したのちに池袋まで試乗という行程で,幸いに天候にも恵まれて多くの収穫を得ることができた.
 そこで今週は,その一端を速報としてお伝えする次第.
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池袋方からみた編成.先頭車の車号は001-A8.飯能に向けて順に001-A7,001-A6となる.末尾の数字は旅客案内上の号車番号と一致している.

MT比は8輛で4M4T.両先頭車001-A1と00 1-A8,中間の4,5号車001-A4と001-A5が付随車で,2,3,6,7号車が電動車である.順にTc1+M1+M2+T1+T2+M5+M6+Tc2となる.
 先週,日立笠戸から到着した第2編成の車号は,001-B1~001-B8であった.ということは,第3編成は001-C1~ということになるのだろう.
 設計最高速度は120km/h,台車は川崎重工製の軸梁式で形式は動力台車がKW-217M,付随台車がKW-218T.両先頭車には動揺防止装置…アクティブサスペンションを装備し,中間車にも準備工事が施されている.
 主電動機は三相交流かご形誘導電動機で定格出力は170kWである.
 主制御装置は三菱電機製で補助電源装置は東洋電機製造製,電動空気圧縮機は三菱電機製…ということは昨年11月1日のここでお伝えした通りである.
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丸味が特徴の前頭部.三次元曲面ガラスの半径は1,500mm.非常用貫通扉が活かされるのは,いつのことになるだろうか.

車体はアルミ合金製で,やや気味がかったようなシルバーに塗装されている.ただしそのシルバーは,光の当たり具合によって微妙に異なってみえる.場合によっては淡いシャンパンゴールドのように思えることもあったほどである.

前頭の連結器は,このままでは連結することができない.じっくり観察しているヒマはなかったが,20000系のような前後伸縮式なのだろう.
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前照燈はおでこの部分にコイト電工製花形を配置している.尾燈はその両脇に取り付けている.なお,前照燈の周囲にはもうひとまわり,LEDが配置されていて,この写真のような“スマイル”を演出することも可能となっている.同時に尾燈を燈せば“頬をほんのり赤らめてにっこり笑う”スマイルが現われる.
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この電車のもうひとつの特徴である大きな側窓.年末の試運転開始以来,ずっとこの席に座っているレオの見え方から,腰掛の座面と窓の位置関係が判るだろう.窓の大きさは天地が1,350mm,左右は1,580mmである.
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6号車客室見通し.“西武イエロー”を意識したという,黄色が主体の腰掛と白い壁の取り合わせが,ちょっと新鮮.日除けはプリーツをつけた横引きカーテンを採用した.床にはカーペットを敷いている.

1号車に車椅子スペースと多目的トイレ,小便所と洗面所を設置,5号車の飯能方に2ヵ所の洋式トイレ(内1ヵ所は女性専用),小便所を設置している.
 その結果,号車ごとの定員は1号車が26名,5号車が48名,8号車が48名となり,その他の2~4,6,7号車がそれぞれ60名となっている.

腰掛は背摺りとひじ掛けが一体でリクライニングするソファタイプ.テーブルはひじ掛けに収納式と背摺り背面に引き出し式を備えている.枕は上下可動式である.

と,多くのTVクルーや新聞社の取材陣に揉まれながら撮影と観察をしているうちに試乗列車の発車時刻となった.
 列車は13時半少し前に車両基地を出発して池袋へ.

 起動時の静かさに驚き,曲線通過時のスムーズさに感心しながら,遮光カーテンが備えられられず,その代わりに,ガラスが不透明になる仕掛けを組み込んでいる仕切窓越しに,ハンドルは両手操作のT字型でメーター類は頭上の架線電圧計を除いて液晶パネルに表示する方式の運転室を眺めると…….
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仕切の窓から運転席は,あまりに遠くてメーター類を観察することは叶わなかった.


あっという間に30分が過ぎ,江古田を通過したらもう池袋.
 到着した番線の奥には,おりしも14時30分発の特急“ちちぶ19号”が停車中.ちょっと距離があって,“顔を合わせる”まではいかなかったが,直列に並ぶこととなった.
 西武鉄道では,2019年度中…ということは2020年の春までには,池袋線系統の特急を統べて“Laview”に置き替えると発表している.10000系と001系との出会いを見ることができるのも,あと1年とちょっとということになる.
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池袋駅で顔を合わせた“Laview”の試乗列車と10000系の特急“ちちぶ19号”.池袋でこの両車がともに走るのは1年とちょっとの間だけとなる.



ということで,西武鉄道では“Laview”の登場を記念するイベントを,西武球場前駅で3月2日と3日に実施する.
 その内容は,事前申し込み制による内覧会と撮影会,及び体験乗車会のほか,事前申し込みが要らないグッズ販売……記念乗車券のほか,プラレール,記念メダル,キーホルダー,パスケース……を駅前広場で行なう.

また,2月19日から3月18日までの間,所沢駅改札内イベントスペースで,“Laview”の外観やインテリアの写真パネル展示を行なうとともに,デビューまでの歩みをまとめたムービーを放映,フォトスポットなども設置する予定である.

なお,これらイベントについては,西武鉄道沿線ニュースのイベント・キャンペーンページに詳しく説明されているので,“Laview”特設サイトとともに,ぜひともご覧いただきたいと思う.

※2019.02.15:一部語句修正