一昨日10月1日の午後,名古屋鉄道の新型車9500系が報道関係者に披露された.
 本線用の,いわゆる通勤車としては3300系以来だというから16年ぶり,瀬戸線の4000系を勘定に入れても11年ぶりの新型車ということになる.
 ということで,“満を持して”登場したこの新型車は,どのような特徴を持っているのだろうか.観察してみた.

まず構成は,軽量ステンレス構造による18m級車体(中間車は18,230mm,先頭車は18,385mm)をもち,Tc+M+T+Mcの4輛編成である.構体は日本車両の標準的なブロック工法によっていることが,側扉周辺の外板の継目などから判る.
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岐阜,犬山方から見た編成.手前がMcの9600形.以下順に9650形,9550形,9500形と続く.前頭部の赤い部分の面積が拡大して“名鉄らしさ”が復活しているように思えるのが嬉しい.犬山検査場新川検車支区 2019-10-1

前照燈は尾燈とともにLEDで,8粒ずつ3段に並ぶ.その左右のストライプ状の部分には車幅燈というか装飾燈があしらわれていて,列車後尾の場合にはここが尾燈となる.列車種別,行先表示のLEDは,1/500秒のシャッタースピードでも文字は欠けない.

客室設備で最初に気付くのは,全車にフリースペースを設け,液晶モニターと防犯カメラを1輛に3基ずつ千鳥状に配していることだろうか.観察を続けると,妻にはWフリーi-Fiのステッカーがある.名鉄の通勤車としては初装備だそうだ.
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客室全体を見る.照明は直管タイプのLEDを使っている.
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中間車のフリースペース周辺レイアウトがユニーク.二人分の腰掛が併設されているのだ.画面左端に見えるのは中間ドア扱いスイッチで,名鉄ではすべての通勤車の中間車に装備されているそうだ.

運転室は,右手操作式のマスコン・ブレーキハンドルを中心として各メーター類が合理的に配置されている.
 システム的には,主制御装置が東芝製のハイブリッドSiC素子を使った1C2M2群方式.電動空気圧縮機は三菱電機製のオイルフリー・スクロール式を2基セットにしたタイプだが,ほかではあまり見ない形状であり,機器箱もステンレス鋼の無塗装ではない.
 空調装置は能力40,000kcal/hの集中式を各車に1基ずつ搭載,パンタグラフは東洋電機製造製のシングルアームタイプを9600形と9550形の豊橋方に1基ずつ搭載している.
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右手操作式マスコン・ブレーキハンドルを配した運転室コンソール.

台車は住友金属…ではなく日本製鉄製のモノリンク式ボルスタレス台車である.
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日本製鉄の銘板.そういえば,この名義の銘板を取り付けて最初に納品されたのは,どこ向けのどの台車なのだろうか.

今年度は今後,さらに3編成12輛が製造されて今年の12月には営業運転を開始する予定とのこと.使われるのは,ワンマン線区以外のほぼ全部だそうなので,この電車に遭遇したら,その日は,いいことがあるに違いない.