11月30日始発から,いよいよ相模鉄道JR東日本の相互直通運転が始まった.
 試運転の模様は8月22日のここ9月5日のここなどでお伝えした通り.僕にとっては,待ちに待った“本番”のスタートである.しかしなんということか,初日は事務所での仕事があって出掛けることができず,翌日曜日に都内へ出る用事があったのと掛けあわせて,相鉄線の西谷,せめて横浜羽沢まで出向こうと家を出たのだが…….
 思わぬ手違いがあって,用事が終わったのは午後4時過ぎとなった.それからではとても西谷まで行く時間はない.ということで,せめてと向かった“いつもの”原宿駅ホーム.
秋の終わりの日が沈むのは早く,既にあたりは暮れなずんでいた.

最初にやってきたのはE233系7000番代の海老名行き.
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行先表示は“各駅停車 埼京線 相鉄線直通”と“各駅停車 海老名”が交互に表示されていた(撮影後にカメラの液晶画面で確認したのだが).列車番号は243M.編成は113であった.E233系のLED表示は1/125秒程度でないと文字が欠けるから,薄暗くなってきた中で,どんぴしゃりと流し撮りを決めるのは難しい.

何年か前から,宮廷ホームの照明が燈されるようになって,この時間帯にはいいムードを醸し出している.古レール製の上屋柱もくっきりと写っているのは撮影機材の進歩によるものである.
 次に相鉄からの直通列車がやってきたのは約10分後のことだった.いよいよ相鉄12000系の“新宿行き”表示が撮れるかと思ったのだが…….
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表示が既に海老名行きへと変更済みで,ちょっと拍子抜け.ヘッドライトが眩しいことこの上ないが,それでもちゃんと写ってしまうのは,やっぱり機材のお蔭である.行先表示を別にすれば,ホームの照明によって“横浜ネイビーブルー”が黄昏の山手線に浮かび上がって,ちょっといい雰囲気であった.ちなみに第4編成で列車番号は146Mであった.

相鉄の電車も行先のほかに“各駅停車 埼京線 相鉄線 直通”を交互表示していた.最後の“直通”だけが赤色というのもE233系と共通である.12000系の折り返しは新宿発16時53分,245Mである.
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すっかり夜の帷が降りた宮廷ホーム脇を行く,やっぱりハイビームのように見える12000系電車.今度は“埼京線…”のタイミングでシャッターを切ることになった.オートにしておいたISO感度は,撮影後に確かめてみたら25,600だと表示されていた.コダックのTRI-Xを使い,プラス2の増感現像によってISO1,600を実現して喜んでいた時代とは隔世の感である.

ここで原宿駅をあとにして家路についたわけだが,途中,新宿駅の埼京線ホームにもちょっと寄ってみることにした.
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2番線の発車表示にはずらりと“海老名”の文字が並ぶ.およそ20分間隔ではあるが,きちっとしたパターンでないところに,ダイヤ作成の苦労が偲ばれた.
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停車していたE233系107編成を眺めていて気づいたのが,乗務員扉に貼られた“10”の数字である.

E233系は10輛編成に決まっているのだが,相鉄電車には8輛もあって,同社の車輛には数年前から表示が行なわれている.それに準拠しての掲示なのだろう.
 E233系の改造については,5月16日のここ6月27日のここなどでお伝えしている.
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そして車体側面の“海老名行きの次の停車駅が渋谷”という表示.新宿からは小田急線で海老名へ直通できるわけだけれど,そこに至るまでの沿線各地の人には恩恵がある.これから先,じわじわと直通効果があらわれていくのだろう.

ということで,この日は相鉄線内へ行くことができなかったから,12000系の“特急 新宿”とか,純然たる通勤形であるE233系による“特急”表示を自分の目で確かめるのは,次への楽しみとなった.山手線内で何度か遭遇するうちには運用の概略も判明するだろうから,それからの方が撮影は楽だろう,と,これは少し負け惜しみ.
 そういえば12月2日には12000系が営業運転で大宮まで行ったとか,12月3日は朝からダイヤが乱れて,E233系が相鉄の横浜や,いずみ野線の湘南台へ向かったという目撃情報が,いつも情報収集に活用している鉄道フォーラム(有料会員制)で報告されていた.関係者の皆さんには困った事態だろうけれど,見方を変えれば,イレギュラーな事態に備えた対策が適切に実行されたということである.立案された方には敬意を表したい.
……と,趣味の題材は,いつまで経ってもなくなるどころか,どんどん増えて行くのだった.