ブログの新システム第2回目は,ドイツ観光局のプレス発表会から,今年のドイツ旅行のハイライトご紹介.

観光局の発表そのものは鉄道主体ではないものの,登場する町や地域には,僕たちが馴染み深い名前が,しばしば登場する.
 そんな今年の第一は,“ドレスデン聖十字架教会合唱団800年”.ドレスデンといえば,なんといっても旧機関区や中央駅などを会場として催される蒸気機関車の祭典.今年は“貨物列車の今昔”をテーマとして,4月15日から17日に掛けての開催だった.チェコからも2輛の貨物用機関車が駆け付けて,大いに賑わったようだ.僕もいずれは…と思いつつ,機会を得られないでいる.
 そんなお祭りを抜きにしても,この季節のドレスデンは,ようやくエルベの水も温んで,おだやかな季節を迎えていることだろう.ちなみに合唱団800年の行事は,ドレスデンで…というよりはドイツ各地でコンサートが催されるから,ぜひ,ということのようである.ちなみに6月から7月にかけてはハンブルク,フランクフルト,マイセンなど.10月から12月にかけては盆,デュセルドルフ,ミュンヘン,シュトゥットガルトなどで公演が開催されるとのことである.チケットの案内は,こちらへ.
 もちろんドレスデンでの公演も予定されていて,その主なものは下記の通り.
8月19,8月21日は野外劇場広場,9月25日と11月13日,12月9,10,11,17,18日は聖十字架教会.12月21日はスタジアム,そして24日は聖十字架教会でのクリスマスイヴ礼拝.
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18世紀ベネツィアの有名な画家であるカナレットが描いたドレスデン市街地の構図を切り取った枠におさまる,ドレスデン聖十字架教会合唱団メンバー.PHOTO:Matthias Krueger / Dresdner Kreuzchor / DZT

そしてもうひとつ.それは“ビール純粋令500年”.ドイツ鉄道111形電気機関車に施された祈念ラッピングは,ROCO製HOとFLEISCHMANN製Nで早くも製品化されることは,本誌4月号の“欧州新製品情報2016”でもご紹介した.
 1516年4月23日に,時のバイエルン公ヴィルヘルム四世が制定した,世界最古の食品管理法であるこの純粋令(Reinheitsgebot).とにかく麦芽とホップと水と酵母だけを原料とすべし,ということであるわけだが,ただひたすらに遵守してきた頑さは,大いに尊敬に値しよう…という講釈はともかく,心地よく走る列車の車中…できれば食堂車で呑むビールの美味しいことったら.それだけを楽しみに,旅に出かけたくなるほど.それが,大好きなドイツなら,なおさらである.
 記念日そのものは既に過ぎ去っているが,記念の行事はこれから始まるところ.例えばベルリンでは7月22日から30日までと,8月5日から7日まで.ニュルンベルクでのフランケンビールフェストは5月25日から29日まで.ミュンヘンでの記念祭は7月22日から24日まで…….

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例えばシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州のフレンスブルクにほど近い,ボーレン(Boren)という街にあるリンダウニス橋(Lindaunisbruecke)とその周辺の風景を眺めながら…….この橋は,実はキールとフレンスブルクを結ぶ鉄道が併用する可動橋ということで有名なのだそうだ.もっとも,食堂車を組み込んだ列車は走っていなさそうであるが.PHOTO:Henrik Matzen / DZT

この記者発表会では,ドイツルフトハンザ航空から,ミュンヘン空港の新サテライト施設オープンについての説明も行なわれた.
 ミュンヘン空港が60%,ルフトハンザが40%の比率で費用を負担して建設されたこのサテライトには,同社とスターアライアンスの乗客だけが立ち入ることが可能で,チェックイン手続きが行なわれる第2ターミナルとこのサテライトの間は,地下輸送システムで1分たらずで往来することができる.
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PTS(Personentransportsystem)と呼ばれる地下輸送システムの車輛.ゴムタイヤではあるが,1本レール方式の軽軌道ともいえる.各車2軸の連結式で,写真では4輛編成となっている.連結器はシャルフェンベルク.PHOTO:Flughafen Munchen / Alex Tino Friedel

ターミナルと市街地との間は,これまで通り,ドイツ鉄道のSバーン1系統と8系統で結ばれている.

さて今回の記者発表会,会場は渋谷だった,再開発たけなわの東口広場前から六本木への大通りの途中,右側にそびえ立つボッシュ(BOSCH)日本本社ビルの1階.その名はcafe 1886 at Bosch .ボッシュという会社名は,ここの読者の皆さんには説明不要にちがいない.そのボッシュが,1階受け付け前にオープンしたカフェが会場というわけである.渋谷といっても繁華街からはちょっと離れた立地だけに,ざわつきもなく,落ち着いて商談したり,あるいはPCなどを拡げて出先での仕事に勤しむ…という活用方法もありそう.使用無料の無線LAN(Wi-Fi)も完備している.
 繁華街からちょっと離れているとはいえ,そこは渋谷.インテリアもお店のスタッフも洗練されているから,“隠れ家”としての価値も充分以上.日曜日も営業しているし.
 ということで,内装の写真を1枚,ご紹介しておこうと思う.
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記者発表会開催中のcafe 1886 at Bosch.棚の上にはさり気なくボッシュの製品が置かれていたりもする.ランチメニューもあるし,ビールやワインも用意されているから,夕方以降のスタート地点としても活用できるかも.