またたく間に1週間近くが経ってしまった……6月6日土曜日の朝,東武鉄道久喜駅は明るい空気に包まれていた.この日に実施されたダイヤ改正によって,有料座席指定列車“THライナー”の営業運転が始まるからである.
COVID-19の影響による制限はあるとはいえ,本当に久し振りの報道公開…正確には“乗車体験会”と銘打たれていたが…への参加である.
このTHライナーに使われる電車は,同社の東京地下鉄日比谷線乗り入れ車70000系をベースにした派生形式70090型である.
全部で6編成が投入されるこの70090型,既に一般列車での営業N…は始まっていて.僕も4月の中旬に中目黒の駅で遭遇していた.
東横沿線への用事の帰り道のこと.ちょうど折り返しで発車待ちの第3編成が中目黒に停車していたのだった.
まともな編成写真をそのうちに……と思っていたのだけれど,残念ながらそのチャンスはなかなか巡ってこない.そこでお目にかけるのは東武鉄道からの提供写真である.
北春日部で浅草(中目黒)方から見た第1編成である.オリジナルの70000型と同じ車体ながらもラッピングのデザインが違っているだけで,イメージが大きく変っている.写真:東武鉄道
久喜駅では,営業列車2本目の“THライナー4号”に乗車することになっているのだが,その前にホームで駅長の発車合図シーン撮影がセットされた.いつもならばテープカットや花束贈呈などが賑々しく行なわれるわけだが.
3番線での駅長による発車合図の演出.4番線に停車中の列車は,赤城発浅草行きの特急“りょうもう14号”,200系第7編成である.
9時23分,定刻に久喜を発車した“THライナー4号”は,快調に恵比寿を目指す.我々に与えられたのは最後尾7号車と6号車.指定された席へ展開する前に,車内の見通しを撮影するチャンスが与えられた.
腰掛そのものは東上線の有料座席指定(運転開始当時は定員制)列車である“TJライナー”用の50090型と同じであるように見える.中吊り広告がなくて添乗がすっきりしてみえるのも同じである.しかし背面にドリンクホルダーなどが用意されているのが新しい.また,表地の色は50090型の青系に対して,一般の70000系と同じ赤系が採用されている.
複々線区間が始まる北越谷からは外側の急行線を快調に走行する.停車駅は東武動物公園,春日部,せんげん台,新越谷,上野,秋葉原,茅場町,銀座,霞ヶ関.その先は自由乗降区間となり,恵比寿までの各駅に停車する.新越谷までは乗車のみ,それ以降は下車のみ可能.夕刻に運転される下り列車は霞ヶ関始発となり,乗車のみと下車のみの駅が入れ替わる.北千住が通過とは現代の東武鉄道では異例の設定だが,この列車の趣旨を考えたら,それも当然かと納得できよう.実際には乗務員が交代するので運転停車は行なわれる.
ちなみに東武線内のみあるいは地下鉄線内のみの指定券は発売されない.
列車は順調に走行し,気がつけば立体化工事たけなわの竹ノ塚に近づいていた.さて,急行線から緩行線へはどこで移るのか…….正解は用意されたプレスキットの中に含まれていた.西新井駅の梅島方に渡り線を新設したのだという.
ちょうど10時.真新しい渡り線を通過した.前面(後方)の幅一杯に撮影するため,乗務員の皆さんに多大なご協力をいただいた.ありがとうございました.
COVID-19の影響による制限はあるとはいえ,本当に久し振りの報道公開…正確には“乗車体験会”と銘打たれていたが…への参加である.
このTHライナーに使われる電車は,同社の東京地下鉄日比谷線乗り入れ車70000系をベースにした派生形式70090型である.
全部で6編成が投入されるこの70090型,既に一般列車での営業N…は始まっていて.僕も4月の中旬に中目黒の駅で遭遇していた.
東横沿線への用事の帰り道のこと.ちょうど折り返しで発車待ちの第3編成が中目黒に停車していたのだった.
まともな編成写真をそのうちに……と思っていたのだけれど,残念ながらそのチャンスはなかなか巡ってこない.そこでお目にかけるのは東武鉄道からの提供写真である.
北春日部で浅草(中目黒)方から見た第1編成である.オリジナルの70000型と同じ車体ながらもラッピングのデザインが違っているだけで,イメージが大きく変っている.写真:東武鉄道
久喜駅では,営業列車2本目の“THライナー4号”に乗車することになっているのだが,その前にホームで駅長の発車合図シーン撮影がセットされた.いつもならばテープカットや花束贈呈などが賑々しく行なわれるわけだが.
3番線での駅長による発車合図の演出.4番線に停車中の列車は,赤城発浅草行きの特急“りょうもう14号”,200系第7編成である.
9時23分,定刻に久喜を発車した“THライナー4号”は,快調に恵比寿を目指す.我々に与えられたのは最後尾7号車と6号車.指定された席へ展開する前に,車内の見通しを撮影するチャンスが与えられた.
腰掛そのものは東上線の有料座席指定(運転開始当時は定員制)列車である“TJライナー”用の50090型と同じであるように見える.中吊り広告がなくて添乗がすっきりしてみえるのも同じである.しかし背面にドリンクホルダーなどが用意されているのが新しい.また,表地の色は50090型の青系に対して,一般の70000系と同じ赤系が採用されている.
複々線区間が始まる北越谷からは外側の急行線を快調に走行する.停車駅は東武動物公園,春日部,せんげん台,新越谷,上野,秋葉原,茅場町,銀座,霞ヶ関.その先は自由乗降区間となり,恵比寿までの各駅に停車する.新越谷までは乗車のみ,それ以降は下車のみ可能.夕刻に運転される下り列車は霞ヶ関始発となり,乗車のみと下車のみの駅が入れ替わる.北千住が通過とは現代の東武鉄道では異例の設定だが,この列車の趣旨を考えたら,それも当然かと納得できよう.実際には乗務員が交代するので運転停車は行なわれる.
ちなみに東武線内のみあるいは地下鉄線内のみの指定券は発売されない.
列車は順調に走行し,気がつけば立体化工事たけなわの竹ノ塚に近づいていた.さて,急行線から緩行線へはどこで移るのか…….正解は用意されたプレスキットの中に含まれていた.西新井駅の梅島方に渡り線を新設したのだという.
ちょうど10時.真新しい渡り線を通過した.前面(後方)の幅一杯に撮影するため,乗務員の皆さんに多大なご協力をいただいた.ありがとうございました.
北千住で乗務員が交代すると,いよいよ地下鉄線に突入する.これまでの快走ぶりから,うって変わってゆったりしたペースに変貌……無理もないだろう.あれほど頻発している日比谷線の列車の間隙に,この列車ははさみ込まれているのだから.しかも途中の多くの駅を通過するのだもの.
それでも,いつもなら小まめに停車してゆく駅に“停まらない”というのは,やっぱり気分がいいものだ.
そして10時40分,列車は定刻に霞ヶ関へ到着した.報道公開はここまで.改札の外へ出て,解散となった.
ちなみにこの列車は,恵比寿まで運転の後は中目黒まで回送され,引き上げ線でロングシートに転換して,一般列車の運用に就くのだという.
その,ロングシート状態.50090型とは表地の色だけでなくひじ掛けの形などディテールも異なっている.座席定員が少し減り,通路もやや狭くはなるけれど,快適さとを天秤にかけてみれば,その価値は高いと思う.写真:東武鉄道
それでも,いつもなら小まめに停車してゆく駅に“停まらない”というのは,やっぱり気分がいいものだ.
そして10時40分,列車は定刻に霞ヶ関へ到着した.報道公開はここまで.改札の外へ出て,解散となった.
ちなみにこの列車は,恵比寿まで運転の後は中目黒まで回送され,引き上げ線でロングシートに転換して,一般列車の運用に就くのだという.
その,ロングシート状態.50090型とは表地の色だけでなくひじ掛けの形などディテールも異なっている.座席定員が少し減り,通路もやや狭くはなるけれど,快適さとを天秤にかけてみれば,その価値は高いと思う.写真:東武鉄道
さて,霞ヶ関までやってきたからには,この日に開業した東京地下鉄の虎ノ門ヒルズ駅も体験してみたくなるのは当然の成り行きというものである.なにしろすぐ隣りの駅なのだから.
しかし今週はここで紙数(というのか?)が尽きた.次回以降をお楽しみに!
しかし今週はここで紙数(というのか?)が尽きた.次回以降をお楽しみに!
※2020.06.15:報道機関用号車番号及び一部語句修正.