既にインターネットのニュースなどでご覧になった方もあるかもしれないが,8月11日に,東京地下鉄有楽町線と副都心線の新型車17000系が新木場車両基地で報道公開された.
 その構想は昨年3月26日に発表された中期経営計画“東京メトロプラン2021”の中で,半蔵門線の18000系とともに発表されていた.
 17000系の現車が完成したのは今年の1月.下松の日立製作所から越谷貨物ターミナルまで甲種輸送列車で運ばれ,以来半年以上.ようやくお披露目の日がやってきたというわけである.
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新木場・渋谷方から見た17000系編成.アルミ合金製ダブルスキン構造を採用した車体は,10000系に続いて丸味を帯びた顔が特徴で,全体的にモダンスタイルを基調としている.

有楽町線のカラシ色と副都心線の茶色のラインカラーを側面肩部と窓下にあしらい,正面にも巡らせている.それ以外は例によって無塗装仕上げである.
 銀座線の1000系や丸ノ内線の2000系のレトロ調デザインから方針変換かと思って質問してみたのだが,実はそうではなくて,沿線環境や,当分の間併存する10000系のスタイルと違和感が生じないように検討を重ねて結果なのだという.
 また,10000系にはじまり1000系,2000系と採用されてきた空気笛は,残念なことに,今回は取り付けられなかった.理由は,乗り入れ先線区との関係により,という説明があった.

電動車比率は4M6Tで編成は新木場方から
17100+17200+17300+17400+17500+17600+17700+17800+17900+17000.
 うち17200,17400,17700,17900が電動車でそれぞれ新木場方にシングルアームパンタグラフを搭載している.
 補助電源装置は17500と17600にハイブリッドSiCの三菱電機製を取り付けている.電動空気圧縮機は17600と17800にオイルフリースクロールタイプを取り付け.
 主制御装置は三菱電機製のフルSiC適用VVVFインバータ方式で1C1M4群方式.主電動機は永久磁石同期式電動機で定格出力205kW,歯数比は7.07,台車は日本製鉄製ボルスタ付きモノリンク式である.

室内で最初に目を惹くのは,カラシ色…黄色の背摺りと濃い茶色の座面,そして赤みがかった茶色の吊り手というカラーコーディネーションである.使われる両線区のラインカラーを意識したものに間違いない.
 いまや必須ともなった防犯カメラは,1輛あたり4ヵ所の側扉鴨居部に取り付け.室内燈はフラットなカバーで仕上げられた埋め込みタイプを使っている.
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ほぼ真っ白な壁面と,対称的な色の濃い床,そしてラインカラーを意識した腰掛や吊り手も印象的な客室.

腰掛の袖仕切りが全面ガラスとなったのは,意外な印象だがこの17000系が最初なのだそうである.貫通扉や荷棚も全面ガラス製である.
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側扉上部の情報表示用液晶モニターと防犯カメラ.明るい茶色の吊り手とフラットなLLED室内用にも注目.
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TIS(車輛制御情報管理装置)などをおさめた共通機器箱とATC/ATS装置箱.後者には日立の銘板が取り付けられている.

保安装置は西武型ATS,車内信号式ATC,東武式T-D-ATC,ATOのほか,CBTC(無線列車制御システム)の準備もされている.列車無線はデジタル空間波無線とアナログ空間は無線の両方を積んでいる.西武東武東急横浜高速の各路線に対応しているのはもちろんだが,東京地下鉄だけはデジタルのみとなっている.
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運転室.両手操作式T形ハンドルを中心として前面と右手に合計3面の液晶モニターを備えている.速度計や圧力計も液晶モニターに表示する方式である.

今後のスケジュールだが,9月には乗務員の訓練運転を開始し,2021年2月には営業運転粗スタートする.
 なおいまのところ10輛編成は2021年4月までに合計6本が落成する予定で,2021年5月から翌年にかけて8輛編成15本も投入されることになっている.入れ替わりで開業以来半世紀近く活躍を続けてきた7000系が,ついに引退のときを迎えることになる.
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今年の3月1日,折り返しのために石神井公園の引き上げ線に入る,最初の開業以来の立役者7000系第2編成.最初は側窓が2段の6輛編成.後に追加された4輛は側窓の高さが異なる上に,最初から一段下降窓だった.この電車については本誌2012年1月号“東京の地下鉄道”の中で山下 満さんの解説により詳しく紹介している.