おととしから西武線を走る東急電車.この時期になると1編成に限り,車内広告が“ドイツ尽くし”になる.ドイツ観光局による,通称“トレインジャック”である.去年は5月19日のここで,ベルリン観光局高地シュヴァルツヴァルト観光局のプレスコンファレンスとともにご案内した.

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東横線5050系の掲出編成は去年と同じ5169の編成.ドイツ観光局をはじめ,メルセデスベンツ日本,フォルクスワーゲングループジャパン,フィスラー ジャパン,SKWイーストアジア,ゲーテインスティトゥートのほか,ドイツ・ロマンチック街道協会が液晶画面を使って観光街道をPRしている.

そして今年は,“ドイツ旅行展”の年.34年前から2年に一度開催されている,日本とドイツの旅行業界関係者のビジネスコンタクトのための催し.今年は第17回…34年目となる,この種の催しとしては,もっとも古い歴史を持つもののひとつである.
 今年は2年前より増加した23団体が参加.種々の原因による,日本からドイツへの旅行者の勢いが停滞しているといわざるをえない状況の中での増加は,日本からの旅行者について,ドイツが依然として関心を持っていることの証しといえるだろう.
 発表会では,出展各団体の紹介と,今年の観光テーマ…このブログでは5月7日付けでご紹介…や,観光動向の発表が行なわれた.

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記者発表会に勢揃い(全員ではないけれど)したドイツ旅行展への出展する各地観光局やホテルなどの関係者

本番の旅行展そのものは明日(29日),都内のホテルで開催されるわけだが,残念ながら僕は仕事の都合で参加できない.そこで,記者発表会とその後に催された懇親会“ドイツの夜(?)”で多くの出展者への取材に勤しんだわけだけれど,僕にとって今年の注目事項は,ドイツ鉄道の参加だった.
 これまで,鉄道切符のプロモーターとしては,ここの読者ならばおなじみのレイルヨーロッパが 出展していたわけだが,ドイツ鉄道としては,自らのウェブサイト経由での販売を強化しようということなのだろう.確かに,今日の発表でも,ドイツ旅行に際 してインターネットを活用して予約した人が7割を越しているという報告があった.だから,こういう動きは当然といえばいえる.航空会社は,もう10年以上 も前から,自らのウェブサイトでのチケット販売に本腰を入れているわけだし.

これまでのレイルヨーロッパと比較して,どちらがどうなのか.実際に使ってみなければ判らないことも少なくないだろう.
 けれど,ひとつの旅行の行程に含まれる,ドイツ以外の国のチケットと,ドイツに関連するチケットを一括して予約,購入した場合には,レイルヨーロッパが間違いなく便利.
 また,レイルヨーロッパと契約している日本の6つの旅行代理店(GSAというのだそうだ)では,窓口などで相談しながらチケットの予約と購入ができるというのも,インターネットに馴染まない人々にとっては,心強いことだろう.

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懇親会は,ケッテルハーケ局長と観光局スタッフのみなさんによる乾杯で始まった.

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南西ドイツの郷土料理シュペーツレ(Spaetzle)を,味わうことができたのも,今日の収穫(?)のひとつだった.他にもニシンサラダやドイツビールで 茹でた一口サイズのビーフなど.合わせるワインはラインガウのリースリング,トロッケン.ドイツに行きたくなってしまう材料がたくさん用意されてい た…….

懐かしいフライブルクの町やゲーテ街道ローテンブルクなどのお話は,また近いうちに機会を見てご紹介の予定.