いろいろ立て込んで,ちょっと間が開いてしまった.そのお詫びというわけでもないが,今回は最新情報として,昨日午前中に報道公開されたばかりの,JR東日本のE3系新幹線電車改造“足湯”電車“とれいゆ”をご紹介しよう.新幹線車輛を使った最初のリゾート列車である.
 この“とれいゆ”,“とれいん”(本誌“とれいん”と同じひらがな表記で,一文字しか違わないという,ちょっと紛らわしい命名ではあるが)と“ゆ(=湯”)を合成した愛称で,“列車でお湯”という趣向.

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配置区所である山形車両センターで公開されたE3系700番代“とれいゆ”.編成番号は改造前と同じR18.先頭は最上川のブルー,側面の緑濃淡は月山などの美しい山々の姿と色,白は蔵王のすがすがしさを表現したという

形式と車号は,東京方からE321-701+E326-701+E329-701+E328-701+E325-701+E322-701.営業上の号車は,東京方から11号車…16号車.
 11号車は元のグリーン車で,床材や日除けカーテンを新調した他は,種車の面影を強く残している.定員は23名.
 12~14号車は,畳張りの腰掛けを設けた座席車.2/2人掛けから1/2人掛けに変更されたので,“ゆったり感”はたっぷり.定員は順に42,36,42名.
 15号車は湯上がりラウンジとバーカウンター.定員には算入されない.
 16号車が注目の“足湯”車.客室内前後に,定員5名程度とされる浴槽がひとつずつ設けられ,その間にソファベンチを設けている.連結面川車端には更衣室も設備.15号車とともに床には人造石材を使っている.
 種車はE3系0番代の第18編成.E326~E322の5輛は川崎重工で内装を中心とした改造を担当,E321(元のE311)の内装と,全6輛の外部塗装は仙台の新幹線総合車両所で担当している.ただし,デッキの銘板はE321を含め,全部が川崎重工となっている.

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注目の“足湯”車は16号車E322-701.室内前後に2組の浴槽を,中央にソファベンチを設けている.最急38パーミルの勾配線上で,ちょっと傾きながら寛いで眺める板谷峠は,どんな印象だろうか

“足湯”の構成と運用だが,お湯は車輛に水タンクを設けるのではなく,車両基地で補給し,運転中は濾過裝置付きの循環システムを使って,常に新鮮なお湯が供給される.そのお湯が,どこか温泉からの…ではないのが,ちょっと残念なところか.
  走る車輛内でお湯がこぼれないようにするにはどうすればよいのか.なにしろ天下の板谷峠を往来するのだから,その対策は万全.さらに試運転を重ねて,もし かしたら浴槽内に仕切り…タンク車やタンカー,タンクローリーで積み荷が極端に移動しないように設けられている隔壁のようなものを追設するかもしれないと のこと.

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15号車E325-701には湯上がりラウンジ(画面手前)とバーカウンター(奥)が設けられている.カウンターでは地酒やワイン,フルーツジュースなどの飲み物や軽食,スイーツなどを販売する.床には16号車と同じ人造石材を使用.

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14 号車から12号車は畳敷き腰掛けのお座敷指定席.“語らいの間”と名付けられている.基本の造作は同じだが,背もたれと天井の装飾が,14号車では洋梨 (ラ・フランス),13号車は葡萄,12号車はサクランボとと趣向が凝らされている.写真は12号車E326-701で,背もたれと天井のアクセントは洋 梨.

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そして11号車E321-701は普通指定席.グリーン車時代のまま,普通車として使っているので,ゆったり感は満点

さてこの“とれいゆ”.“とれいゆ つばさ” として7月19日から福島と新庄の間で運転される.運転日は主に週末と祝祭日.今のところ,9月28日までの運転が発表されている.福島発が10時2分, 新庄着が12時16分,折り返しの新庄発が14時43分,福島着が17時41分.単独での指定席特急券のほか,“ぴゅう旅行商品”のひとつとして各種の セットも企画されている.楽しみ.