今晩,定期列車としての寝台特急“あけぼの”は,上野と青森を発車する列車が,最終となる.東京では先日来,さまざまなTV局でニュースやその他の
番組の中で採り上げられていて,ちょっとびっくりしているわけだが,まぁ,確かに“普通の客車寝台特急…ブルートレイン”としては,最後の列車となったわ
けで,話題になるのも自然なのかもしれない.
さてこの列車,関東地方では青森行きは21時16分発.青森からの列車は上野着が7時9分ということで,列車写真の撮影には大いに苦労させられ…下りは実質不可能…た.
ところがデジタルカメラの時代になり,高感度での撮影が難しくなくなった.もちろん,粒子の荒れ…デジタルの世界では“高感度ノイズが…”というそうだが
は隠せない.でも,技術の進歩によって大いにフォローされるようになった.とれいん誌でも,そうやって撮影した写真を何度かお目に掛けたことがある.大々
的に掲載したのはEF510-500番代の試運転あたりからだろうか.具体的にはニコンのD700というカメラを手に入れ,使い慣れてから.
と
いうことで,撮影してみた夜明け前の上野行き“あけぼの”.感度はISO3200相当でシャッタースピードは1/60秒.流し撮りでも画像が止まるのはご
く狭い範囲だけ.でも,まだ深い夜の空が残る中を疾走する列車のイメージは演出できたか…….撮影場所は本庄と岡部の間.
ぼ
くにとっての“あけぼの”は,東北本線でEF65の1000番代がデビュー直後に牽引した最初のブルートレインというイメージが,45年たった今もまだ強
い.それが山形新幹線の影響でどんどんルートが変更され,上越線経由となった時は,“鳥海”にすればいいのにと思ったほど.でもそれから既に15年以上が
経過して,ようやく馴染んだと思ったところへの,廃止決定であった.
東北新幹線のスピードアップによって,秋田への到達時分という面では,確か
に存在価値が薄れるのは間違いない.そういう合理性と“旅情”という気持ちの問題は,また全く別のものではあろう.その気持ちを補うのが,JR各社で計画
し,九州では既に走りはじめているクルーズトレインということになるのだろうか.お客さんがどのぐらい持続,定着するのか,注目しているところである.