あした発売のとれいん10月号では,115系電車を大々的に採り上げている.そのための撮影取材は今年の春から始まり,夏に盛りを迎えた.エリアは関東甲信越一円.
 久し振りに訪問したところが多かったのだけれど,5月下旬に訪れた,信越本線いや,しなの鉄道と小海線の小諸駅もそのひとつ.
 かつて特急“あさま”をはじめとする優等列車がひっきりなしに発着した小諸駅も,いまでは装いを新たにした115系や169系が出入りし,時折,小海線の気動車が軽やかなエンジン音を響かせながら姿を見せる……どんなのどかな駅に変貌していた.
  それでも側線には,懐かしい“あさま色”を纏った189系電車が留置されていて,往年の情景を思い出させてくれる.なにより,長い長いプラットホームが, かつては大幹線の駅だったことの証しである.目的の115系編成がやってくるまでの間,信越本線だった頃の面影が他にも残っていないか,構内を観察してみ たら……

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2番線の軽井沢方から見た1番線ホーム.跨線橋の柱は古レール.上屋の柱は場所によって古レールだったり木だったり.改札前あたりの柱は観光地の駅らしくオシャレなデザイン.扛上を繰り返した跡が歴然と残るホーム側壁も昔のまま.

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ホームに下げられた佐久のお酒の17銘柄.なんと豪華な看板か.裏返されているのは,今はもう広告の契約が切れているということだろう.でも,そのつもりで見れば,ちゃんと読むことができるから,今でも広告の役割を果しているともいえる.JR東日本の親心だろうか.

看板の17銘柄のうち,10銘柄は“現存”が確認できた.現今の日本酒を取り巻く情勢を考えれば立派なものである.思わず“蕎麦で一杯”を実行したくなってしまったが,今回は我慢我慢.

さ て,古レールを見れば銘を探索してしまうのは,もはや“性”かもしれない.今回確認できたのは,ウニオンの日本鉄道向け1887年や鉄道作業局向け 1885年,キャンメルの作業局向け1885年,八幡製鐵の1916年や1928年など.もっと丹念に探せば新たな収穫もありそうだが.

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跨線橋の柱には,岡山駅で見たのと同じような当て板があった.電化に際して嵩上げしたのだろう.

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跨線橋下にあった掲示“デスコン”.すぐ下に棒が置かれていたことから,すぐに,空気上昇式パンタグラフの車輛が長時間の留置によって空気ダメの空気圧が下 がった際,強制的に上昇させるため使う“ジスコン(ディスコン)棒”のことと理解できたが,この表記ははじめて見たような気がする.

小諸といえば懐古園.その入口近くにC56が保存されているのは知っていたし,見に行きたいと思ったのだけれど,駅構内をうろついているうちに,制限時間が来てしまった.“次の機会”である.