編集部では今,今月発売の“とれいん”編集作業の追い込み真っ盛りである.僕はといえば,月刊誌のほかに10月発売の“レイル84号”と,さらに単行本を一つ抱えていて,全く目の回る勢い(いや,実際に回ってます).
夜遅く,自宅での作業中に時折耳に入ってくるのが,ロンドンでのパラリンピックの競技の模様やその結果を伝えるTVからの声.
ひと月前の今ごろは,もうひとつのオリンピックの話題で日本中が沸き立っていたわけだが,耳に入ってくるパラリンピックの様子はちょっと地味目で,もう少し盛り上げる手立てがあってもいいのではないか…などと思いを巡らせてしまう.
例えば8月9日には,山手線でこんな電車に出くわした.
床がアンツーカーの色になり,白いラインも引かれている.まるっきり陸上競技のトラックではないか.
こんな床を見たら,思わず“よーい ドン!”とやりたくなるのが人情というものだが,そこはしっかりと,
“走らないでください”の表示.文字が小さすぎで目立たないというクレームがきそうなぐらいに控えめに,だが.
なんでこんなことになったのかといえば,スポーツ用品メーカーの“ラッピング電車”だったというわけ.池袋駅で降りてみれば,外観は,
このような次第.オリンピック協賛ということなのだろう.描かれているのは陸上競技の福島千里選手.
パラリンピックでもこのぐらい目立つアピールがあれば,このメーカーの好感度は,間違いなく,さらに高まっただろう.いや,僕が知らないだけで,実はラッピング電車を走らせているのだったら,まったくゴメンなさいなわけだけれど.
“ここ”の読者のための情報として,このラッピングが施されたのは,山手車両センターの516編成だったことを,報告しておこう.実施されたのは8月6日から17日までの12日間だった.