ほぼ1年前のここで,20回目となった,慶應義塾大学鉄道研究会OB会“鉄研三田会”の写真展についてご報告したが,早くも1年が経過して,第21回目をご紹介することになった.
 今回も会場は東京の四谷見附にあるポートレートギャラリー

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展示場入り口.ごあいさつの隣り,1枚目に掲示されているのは昭和25/1950年8月の広島電鉄宮島線西広島車庫風景.山下節夫さんの撮影である.その右は昭和17/1942年10月に加藤 湊さんが撮影された信越本線熊ノ平信号場風景.

今回は全部で59点が出品されたが,そのうちの約2/3が古今東西の日本の鉄道情景.のこり1/3が諸外国.一巡してみての印象では,例年よりも外国鉄道の写真が多いように思えたのだけれど,お尋ねしてみたら,実は昨年よりも少なくなっているのだそうだ.
 その,確たる理由は不明だけれど,もしかしたら中国蒸機が減っているからではないか?と,居合わせたメンバーの方が推測してくださった.
 そういわれてみれば,確かに少ない.でもなぜ多いように見えたのか……どうやら,各国の色とりどりの列車が並んで展示されているだめ,実際以上のボリュームを感じたのだろう.色だけではなく,景色と列車のバラエティが豊かであるのも,理由の一つだろうか.

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比較的最近の作品が展示されたコーナー.左から,西武新宿線野方付近の踏切と交差する桜並木,上毛電鉄,京王井の頭線,常磐線のED75,長野電鉄2000系,C57 180,D51 498……と続く.

OB会とはいえ,懐かしの情景だけではなく,最近作の比率が高いのも,三田会の写真展の特徴のひとつでもある.それぞれの被写体が持つ歴史的背景を,しっかりと踏まえた上での写真には,見るものに,いい意味での重さが伝わってくる.

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外国の風景が集められたセクション.ドイツの北海沿岸に存在するナローからスイスの登山鉄道などバリエーション豊か.スイスと韓国,ふたつのループ線での“決定的瞬間”が揃っているのも,三田会メンバーの層の厚さとバイタリティーを感じさせる展示.

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初日から多くの観覧者でにぎわう会場.一人でも多くの人に見ていただきたい写真展である.

会期は6月27日まで.開場は毎日10時から18時まで(6月27日だけは14時閉場).
場所は,中央線・地下鉄丸ノ内線・地下鉄南北線の四ッ谷から徒歩数分.日本写真会館の5階(建物の1階は書店).

※会場内は撮影禁止です.ここに掲載した写真はブログで紹介するために許可を得て撮影したものです.