山手線電車を使ってのラッピング広告は,東京都の屋外広告条例での制限が緩和された平成14/2002年以降急速に増えた.数多いラッピング広告の
うちにはいろいろ好みの分かれるデザインもあったりするし,先年は編成のほぼ全体を“ぶどう色2号”と見紛うばかりの茶色で覆った製菓会社も現われた.
今回のラッピングは,7月からJRグループ各社で展開している“つなげよう、日本。~旅する笑顔を東北の力に~”キャンペーンの一環.施工されたのは東京総合車両センター配置の547編成である.
この編成では各車輛の戸袋部分に東北6県の名所旧跡をテーマにしたポスター6種,腰板に“つなげよう、日本。”のキャンペーンロゴを掲出している.
“つなげよう、日本。~旅する笑顔を東北の力に~”のラッピングが施された山手線E231系の547編成.正面にもロゴが貼られていれば,もっとアピール度が高かったのではないかというのは素人の感想だが.
車体側面のアップ.画面左の戸袋部には会津若松,右には松島のポスターがラッピングされている.腰板にはキャンペーンロゴが.サンプルはクハE231-547.窓配置などによる差異はあるものの,他の車輛も基本的には同じような配置になっている.
それだけではないのがこのラッピング編成の特徴.車内の中吊り広告も天井や戸袋,妻板などの広告枠すべてが“東北~キャンペーン”関連の図柄に統一されているのである.
東北各県の名所旧跡ポスターで統一された中吊りに加え,天井や壁面の広告枠にもさまざま工夫を凝らしたポスターが掲示されている.その全部を丹念に眺めていたら,あっという間に山手線を一周してしまいそう.
名所旧跡ポスターの裏は,9月23日からの通常ダイヤスタートをアピールする東北新幹線の案内.
このラッピング編成は,あした,9月3日から17日までの2週間だけ運転される.真横を記録するためには山手線は決して条件がいい路線ではないが,普通に遭遇を望むのなら,検査入場でもしていない限り,1時間待っていればチャンスが巡ってくる.
山手線に縁のある方は,ぜひこの編成を見て乗って,地震や津波,そして関連災害による被害を受けている,東北を中心とする地とそこに生まれ育ち暮らす人々に思いを馳せ,“元気”を送ってくださいませ.