僕にとってはすっかり夏の恒例となった,鐵樂者写真展観覧.今年は今週の月曜日から始まった.会場は,昨年からの新宿御苑前,蒼穹舎ギャラリー(8月28日(日)まで).
 今年は共通テーマを設けず,メンバーそれぞれの得意ジャンルを披露するという趣向.
 杉 行夫さんは“キマロキ出動”,蔵重信隆さんは“フィリピン ハワイアン製糖工場のボールドウィン”,野口信夫さんは“中国 四川省 軽便鉄道情景 彭白鉄路&芭石鉄路(1)”.そして金澤 忠さんは“平成版 鉄道の街 大宮”.

会場の蒼穹舎ギャラリー,昨年も書いたとおり,入り口がちょっと判りづらい.目印は1階の表の薬局の看板と,“新進ビル”という建物の名前.

会場に入って最初に目に飛び込んで来るのが,製糖会社の蒸気機関車たち.1970年代のフィリピンの,現役バリバリのボールドウィンが,これでもかこれでもかと並んでいる.
DSCN0191
外国の蒸気機関車に興味を持ったら,まず語学学校に通って現地の言葉をマスターする,ということを実践された蔵重さんならではの,生き生きとした1970年代フィリピンの情景の数々.

説明を読みつつ右の壁面に達すると,今度は一転して厳寒の風景が展開する.それが“キマロキ出動”.
DSCN0188
北海道の炭砿鉄道を丹念に訪問した,けむりプロ…杉さん.昭和40/1965年の2月の旅で日曹炭砿豊富で,偶然巡りあうことになった宗谷本線の“キマロキ”と,炭砿鉄道の除雪列車のフォトルポルタージュを展開.

その右側の壁面では,大都会の大鉄道の風景がずらりと並ぶ.それも単純な展示ではなく,工夫を凝らしたコラージュの大群.それが“平成版 鉄道の街 大宮”.
DSCN0190
自分が生まれ育った大宮の街と鉄道との関わりを写真で表現し続ける金澤さん.大宮工場から大宮駅,東武野田線,そしてそれらを取り巻く人々が鮮やかに写し込まれている.それぞれのコラージュの趣向探しも,楽しみ.
DSCN0189

入り口のドアを開けてすぐ右を向けば,四川省のふたつの鉄道にスポットライトを当てた,野口さんの今回の作品群.とりわけ芭石鉄路は,わざわざ“1”と銘打たれており,次回以降への期待が膨らむ.

DSCN0195
恒例(?)の記念写真.平日昼間の訪問だったので,お仕事中の金澤さんにはお目にかかることができなかった.ごめんなさい.
1b