すでに話題にしたことのある,わが事務所の最寄り駅江古田(えこだ)改良工事.9月11日には南口の階段が完成して仮階段から解放された.
 この仮階段,1月から使われていて,ちょっと暗くて狭いのが難点.夏の始まりには暑さも加わったが,気がつけば2基の大型扇風機が取り付けられていて,工事関係者の気配りも感じさせてくれたものである.
  引き続いて10月に入って間もなく,北口では二方向に設けられる階段のうち,西向きの階段が完成するという.そうすれば,南北どちら側にもエスカレーター が使えるようになり,バリアフリー化が大進捗というわけである.素朴な疑問としては,旧来の2本の島式ホームの両側に退避線がある構造では跨線橋が不可欠 だったのが,対向式2本ならば,少なくとも片方向ずつは道路から直接ホームにあがることができるではないか……というのがある.けれど,それは駅員や設備 配置はじめ,種々の問題点があって採用に至らなかったのだろう.しかも,この時点で論議しても始まらないことでもある.

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完成して間もない9月13日朝の南口新階段.この写真の真正面向こう側にエレベーターも設置されている.

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そ して9月29日の朝には,コンコースの北西側が明るくなっているのに気づいた.新しい階段の完成が近づいた証しだろう.この階段が完成すると,画面で右側 にみえる東側階段は一時閉鎖されるが,それはこれまで階段だけだったのを,エスカレーター併設にするためだという.別に急遽ということではなく,当初計画 通の通りの過程に過ぎないが.

こうして新しい駅はどんどんと完成に近づいている.同時並行で駅の周辺も急速に変貌し つつあって,昔からおなじみだったコーヒー店H(その昔は洋食屋さんだった)や洋定食屋Y,パスタ料理店Pなどが店主の高齢化や道路拡張で相次いで閉店, つい先日は駅北口の古い定食屋Mも廃業したという.時の流れで致し方ないとはいえ,30年をとっくに越す,江古田“住まい”の身には感慨一入ではある.

変わり行くといえば,西武池袋沿線では駅の改良工事がいくつも並行して行なわれている.その中のひとつ,保谷駅で気になることがある.それは,これまで留置線の建物の影になっていて電車の窓から見えなかった機関車が, この春ごろから建物の撤去に伴って姿を見せているのである.保護シートで覆われているものの,シルエットから,明らかに旧武蔵野鉄道のE12と旧川越鉄道 の5号機である.E12は,もう30年も前に半日かけて採寸し,図面を描き起こした,僕にとっても思い出のある機関車.西武鉄道にとってはどちらも現在の 西武グループ繁栄の礎を築いた立役者.今後については西武鉄道の意思に従うしかないが,なんとかチャンスを得て,大切に保存されることを願いたいものであ る.