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頭の中に“威風堂々”という言葉が無意識のうちに浮かんだ,EF510-501が牽引する“カシオペア”の姿.間もなく専用色の機関車が落成するから,この姿は僅かの期間だけのもの.なお,何ごともなければ,日曜日の朝に上野へ到着する“カシオペア”は,この501号機の牽引ということになる.

本誌4月号で,“初夏の頃だろうか”と記した通り,本日からEF510-500番代が定期運用に就役した.予想が外れたのは,“北斗星”からではなく,“カシオペア”が定期運用の最初だったこと,それも,“カシオペア塗り”が出来上がる前に,“北斗星色”で暫定的に牽引を開始したことだった.
 この6月25日という日程は,6月発売の一部趣味月刊誌に公表されたので,平日とはいえ沿線での人出が気になったのだが,僕が出向いた東鷲宮と栗橋の間では混乱もなく,それぞれがお気に入りのポイントでカメラを構える風景が展開されていた.
 朝のうちは津軽海峡線での輸送障害の影響だろうか,“北斗星”が30分以上も遅れたものだから,どうなることかと,ちょっと気を揉んだが,それは杞憂に終わり,わが“カシオペア”は,定刻にやってきた.

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僕の周囲では,旧知のベテランファンAさんや,地元の親子連れを含めて10数人のファンが“カシオペア”を待ち受けたが,それぞれお気に入りのポイントで普通に撮影する光景が見られただけだった.それで当たり前なのだけれど.

東鷲宮と栗橋の間の,僕の撮影ポイントを“カシオペア”が通過したのは17時9分.ぎりぎり,この時刻に間に合うように,というのならば昼頃からの“出撃”で充分なのだけれど,せっかくの梅雨の合間の晴れ……にしては,強烈な暑さだったが……,撮影場所の確認を兼ねて,上りの“北斗星”に間に合うように家を出て,半日のカメラハイクと洒落込んだのだった.

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今日の“北斗星”の牽引機は,奇しくも“カシオペア色”のEF81 92号機だった.もっとも,このところ“カシオペア色”の起用が多いそうだが.

合間には,郡山からの“速達オイル列車”や,レール輸送用チキを組み込んだ下り貨物列車,元のジョイフルトレイン“彩野”をお色直しした東武鉄道乗り入れ車,修学旅行の生徒を満載した国鉄色の189系など,結構賑やかだった.
 とりわけ機関車ファンの僕を喜ばせてくれたのは,この春だったかに双頭連結器を新たに装備したひさし付きのEF81 136と,なんといっても,この22日に田端に到着したばかりのEF510-508の単機試運転を見ることができたこと.

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真剣な表情の係員をたくさん乗せて試運転に勤しむEF510-508.7月にも5日から翌日にかけてと15日から翌日にかけての2回,川崎重工からの甲種輸送が予定されている.“カシオペア色”の落成も待ち遠しい