NY-20090416-01

2月にパイオニアがプラズマディスプレイ事業から撤退すると発表しました。これは家電好きにはビッグニュースでした。すると発表後、同社の“KURO”シリーズが売上を急激に伸ばしたそうです。撤退前の駆け込み需要ではないか? という話ですが、そうだとしたら、もっと前から買ってやれ・・・ 一(いち)パイオニアファンの本音です。

私は昔からパイオニア製品が好きでした。安易に売上だけを考え、すでに普及しそう(した)製品に飛びつき、低価格と営業能力を武器にするメーカーも多いなか、まだ普及していないもの、どこも開発に二の足を踏んでいるものに果敢に挑戦するメーカーというのは男として“惚れて”しまいます。

パイオニアはその名のとおり先駆者的分野の多いメーカーです。古くはスピーカーで名を馳し、独自ブランド“TAD”はオーディオファンの間では有名です。その後、映像の分野では多くメーカーが支持したVHD方式を、たった1社、レーザーディスクで迎え撃ち、その後シェアを独占しました。またカーオーディオで、ある程度、安定した地位を保っていたにも関わらず、その地位に安穏としませんでした。GPSの一部民間への開放により、カーナビゲーションシステムを世界で初めて開発したのです。これは多くの人がご存じですよね。

そのほか、これまた私の大好きだったアップル社製Macintoshの互換機を出し、音質を特化した物を作り続けたのは「さすがパイオニアだ」と感心したものです。

そんな私のお気に入りメーカーがプラズマ事業からの撤退ですからね。本当にショックでした。というのも、3年前に50インチプラズマテレビ、AVアンプ、300枚連装CDプレーヤーなどを、パイオニアで揃えたからです。店頭でライバル社と見比べた時(1)黒が締まっている(2)幅広い階調が綺麗に映る(3)コントラストはライバル社より弱めだが、その分、白も黒もベタっとしていない など、私個人の評価ですが、判断し購入したのを覚えています。しばらくディスプレイ下の“PIONEER”のロゴを見ては、ニヤニヤしていたものです。それが購入から1年半でプラズマ開発部門がパナソニックへ吸収、そして今年2月には完全撤退発表ですもの・・・

NY-20090416-02
韓国では液晶と人気を2分するプラズマテレビも、日本ではかなり劣勢らしい。

そういえば、パソコンで常に先駆的であったアップルもシェアは伸びませんでしたね。 iMacやiPod、iTunes等では社会現象を引き起こしましたが、私の好きだったclassic環境(OS一ケタのもの)は、ビジネス的には決して成功とは言えませんでした。10数年前、私は大学の恩師とともに周囲ではかなり有名なマック信者でした。Macintosh II を人に見せ、マックがどれだけ素晴らしいかを人に説いてまわっても反応はあまり良くありません。「高い!」「DOSの方がシェアは上!」「ソフトが少ない」「Windowsのほうが・・・」とあまり相手にされませんでしたね。それどころか「マック使いは(ああ、怒りで書けない)」と言われた日には・・・ 特にWindows 95で世の中が大騒ぎのなか、1996年1月号の『Windows World』誌の表紙を飾った「さよならMacintosh」の文字! あれは今でも忘れられません(怒)。それらの怨念が後に編集部の多くのパソコンを“DTPのため”という名目でマック化させてしまったのです。ああ、恐ろしい(笑)。

NY-20090416-03
すでに使わなくなり机の端に追いやられても処分したくない。ウィンドウズ機には湧かない感情がマックにはあります。

そういえば車もそうですね。前の車が廃車になった事をきっかけに、昔から好きだったアメ車を中古とはいえ、かなり無理して購入しました。そうしたら、エコカーブームと燃油高騰で、アメ車乗りは白い目、同情の目、ざまーみろの目等で見られることが増えました。そしてメーカーの破綻不安・・・(まぁ、これは数年前から分かっていたことですけどね・・・) 中古相場も随分と暴落しましたなぁ・・・(遠い目)。そういえば、前の前に乗っていたMiniクーパーも、そのデザインが大好きだったのに、ちっとも「小」さくないMINIが、BMWから発売された時はショックでした。今の技術なら、前のデザインのまま、高性能なものが出せるだろう? と思ったものですが、商売的には×なんでしょうね。

そんなわけですから、鉄道模型でも私が「好きだ!」というものは、ふっふっふっ・・・