モデラーな日々 とれいんスタッフブログ

月刊とれいんスタッフの,模型と格闘していたりしていなかったりする日々をお送りします.

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まず最初に.今回は異例に長く,写真の枚数も多いことをお断りしておきます.それだけ内容の濃い1日だったのです.

今日,千葉・幕張メッセで開催されている“第7回鉄道技術展”を展観してきた.
 産経新聞社が主催し,2年に一度ずつ開催されているこの展示会,これまでにブログでは2015年2017年2019年の3度,レポートしている.2019年は,本誌2020年1月号のCoffee Cupでもご紹介した.
 その時々で出展社は増減し,入れ替わりもある.例えば今年は,外国からの出展は日本駐在のメンバーばかり.それでもスイスは各社が連合してパビリオンを形づくって展示を行なっていた.国内の会社では川崎重工改め川崎車両三菱重工,新日鐵住金改め日本製鉄日立製作所などは“お休み”だった.
 一方で総合車両製作所日本車両近畿車輌,JR西日本とその関連各社,東京地下鉄とメトロ車両などの各社は賑やかに展示を繰り広げていた.
 もちろん,車両メーカーを支える部品メーカー,そして検測機器の専門メーカー,併催の“第4回 橋梁・トンネル技術展”にも数多くの専門会社が出展していた.

いつも通り,まずは会場を一回りして全体の見当をつけてから,二巡目に個別のブースを訪問という段取り.
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最初は東京地下鉄.さまざまな独自技術の解説や車輛の展示模型など,興味津々の内容.ささにその一角には…….
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日比谷線で活躍していた03系の歩みを振り返る展示があり,その前に2輛編成の北陸鉄道仕様03系が走っていた.

これは東京地下鉄が,同社で新形車に置き替えられた車輛を活用する事業をアピールするのが目的で,子会社であるメトロ車両のセクションで展開されていたものである.実は編集部あてに,この車輛作品を製作し展示に協力された鹿倉明祐さんご自身から連絡があったので,平野編集長から“ぜひ撮影させていただくように!”と命じられていたものである.作品の出来栄えは,もちろんいつもの鹿倉作品らしく,端正な出来上がりであった.

続いては近畿車輌.つい前日,JR西日本のDEC741の報道公開でお邪魔したばかりだから,なんとなく惹かれるところが…….
 東武鉄道70000系や東京地下鉄13000系の大形模型を展示していたほか,車輛開発に際してのプレゼンテーション用バーチャルリアリティ(VR)システムのデモンストレーションを展開していた.
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デモ中の車輛開発VRシステム.京都市交通局20系と近鉄80000系“ひのとり”の,とりわけインテリアの開発シミュレーションを体験することができる

車輛メーカーでは日本車両の“NS台車”目を惹いた.2017年の第5回展示で,小田急70000形GSE向けの現物を展示していたが,今回は“N-QUALIS(エヌクオリス)”と名付けられた,同社の車輛製造全般についての次世代プラットフォームの一端を担うパートのひとつとして,側梁が展示されていたものである.
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完成状態では見ることができない,この台車の構成方法が一目瞭然であった.

台車の次は屋根上…というわけでもないが,今では2社となってしまった,国内でパンタグラフを製造する会社のひとつである工進精工所では,前回に引き続いて独自技術による試作パンタグラフが展示されていた.
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上昇は空気,下降は自重でというのは前回と同じ……その上昇が,エアベローズに依るというのが最大の特徴のようである.来年には走行試験を実施という.さて,いつ,どこで行なわれるのだろうか.楽しみなことである.


もうひとつのメーカーである東洋電機製造でも新形パンタグラフが展示されていた.
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なにが新しいのかといえば,アームを丸パイプに変更したことにあるそうだ.角パイプでは折り畳み高さを低減できるなどのメリットがあるのに対して,丸パイプでは雪が積もりにくいということからの採用とのこと.どこの鉄道の何形で最初にお目見えするだろうか.

部品メーカーでも力のこもった展示をたくさん見ることができた.例えば前照燈のコイト電工……
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と,思ったら,今回初の,腰掛の展示が大きなスペースを占めていた.

京急1800形1890番代や,しなの鉄道SR-1系ライナー車のロング・クロスシートが同社製であることはMODELERS FILEにも記したが,実は同社の座席製作には長い歴史と実績を有しているのである.今回はJR東日本E161系“サフィール”やJR東海N700Sなどの現物が展示されていた.

スイッチ製作の専門会社であるNKKスイッチズも地味ながら意欲的.
 近年,都会地の通勤電車でも見かけることが多くなった半自動側扉の開閉スイッチ.年を経て数が増えるとともに見栄えがよく,扱いやすいタイプが開発されてきたが,今回の展示では,ベゼルの色調に工夫を凝らして色覚に障碍のある乗客にも正しい色で認識してもらえるように改良した製品を展示していた.模型製作でも,微妙な色遣いに影響が出るかもしれない.
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ベゼルの上にフィルターをかざして,ちゃんと色を認識できるかどうかのデモンストレーション.
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スイスパビリオンの一角に展示されていた,シュタッドラー(STADLER)製初の本線用ディーゼル機“SALi”の模型.これまで中・¥小形電車を得意としてきた同社ではじめて開発された機関車である.電気式で出力は約2,000kW,2019年にはボリビアの1,000mm期間用が輸出されている.

と,駆け足で巡っているうちに,午後2時半になった.“第7回レイルウェイ・デザイナーズ・イブニング(RDE)”の開始時刻である.

この催しは,鉄道技術展の機会を利用して鉄道技術者,デザイナーが集う機会を作ろうということで始まり,今回で7回目.今回のテーマは“どうして鉄道は,人を惹きつけるのか”.内容は,基調講演,パネルディスカッション,現役デザイナーによるプレゼンテーション,そして親睦の場という構成.基調講演は月影デザインコンサルティング代表の山田晃三さん. パネルディスカッションのメンバーは,元名古屋鉄道副社長の柚原 誠さんと鉄道模型趣味誌編集長の名取紀之さん,フリーアナウンサーの久野知美さんというユニークな取り合わせで“鉄道の趣味とは?”論が繰り広げられた.
 そしてプレゼンテーションは川崎車両の小菅大地さんと近畿車輌の杉本信広さん,そして日立製作所の野末 壮さんにから,それぞれに興味深い論が展開された.
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鉄道はなぜ人を惹きつけるのか.3人のパネリストに加え,車輛をデザインし製作する立場である近畿車輌の南井健治さんがモデレーターとなり,“あれも同感,それも同感”と,話は尽きなかった.

外に出たら,もうとっぷりと日が暮れていた.そして夕食もそこそこに,このレポートを記している…….
 デザイナーズイブニングは残念ながら今晩だけの催しだが,催しは26火の夕方まで.興味を持った方は,ぜひ幕張へ!


この鉄道技術展.趣味人対象の催しではないが,来場資格に制限はない.入場料は2,000円で,ウェブで事前登録すれば無料となる……当日でも大丈夫だと,思う.

また,来年5月には,初めての大阪展が開催される.
会期は2022年5月25日(水)~27日(金).会場はインテックス大阪 4・5号館
詳しくは専用ウェブサイトをご覧いただきたい.

※なお,ここに掲載した写真は,報道用として撮影したものです.

※:2021.11.26:大阪展に関する記述追加.追加に際して表示に不具合が発生したので別エントリに移動.その結果URLがあっぷろーど直後と比べて変更された.
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【オススメ記事】
カツミ模型店から発売されていた2軸やボギーの自由形客車で遊んだ子供たちは,今では何歳ぐらいまで成長したのでしょうか.立派な空気バネ台車を装着した中型客車には荷物合造車もあって,今眺めても,夢が膨らむアイテムです.その中型客車を題材として,さらに自由な発想からさまざまなバリエーションを展開している針生秀樹さんの作品群は,理屈抜きに圧巻です.
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 久し振りのライブスチーム作品紹介は,英国型の内側シリンダーCタンク機製作譚です.
 お座敷レイアウトやケーブルカーの作品も見逃せません.
 一般記事や好評の連載記事も充実満載です.

【目次】
MODELERS FILE-----------------------------------
  3・  6 MODELERS FILE 東日本旅客鉄道
     E131系600番代電車
     来春 那須野路と日光路にニューフェイスデビュー
     まとめ:前里 孝
     写真:齊藤 知之/前里 孝
     取材協力・資料提供:JR東日本
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  4 Products Data file
    マイクロエース製 西武/大井川鐵道E31形/トム301(N)
 14 サロン・ド・庭園鉄道
    35年目に完成したパニアタンク
     /市川蒸気鉄道クラブ:竹内 史行
    運休中の市川蒸気鉄道再び線路補修
     /市川蒸気鉄道クラブ:渋谷映輔
 22 新素材 カツミ中型客車を遊び尽くす  /針生 秀樹
 30 やまんなか鉄道お座敷線
    コロナ禍で自宅に建設した組立式レイアウト /川島 章
 38 偉味梨山いみなしやまケーブルカー製作記
     箱根登山タイプ・生駒ケーブルタイプ車輛を自作する
     /北野 隆雄(鉄道友の会東京支部)
 44 冗車会作品集 part.1
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 28 Coffee Cup /前里 孝
    僕の京都市電と京都市電資料特別展覧会
 36 線路は続くよいつまでも 第136回 /信沢 あつし
    京急沿いの昭和な一角に残った線路
    京急新子安付近にあった平戸製作所(2011年5月3日)
 54 蕗狩通信 /北村 昌三
    第44回 The Horse Powered Amphibian Tractor
    【一馬力軌陸式牽引車】
 58 Diesel Power in USA! /佐々木 也寸志
    Vol.92 BNSFのバッファーカー
 62 入門者必読! 誰も教えない基礎・応用テクをプロモデラーが伝授
    Nキット上達への道 /解説:P.S.
    第4回:グリーンマックス 201系編-(4)
 64 モデリング・リサーチ・センター /検証:P.S.
    第99回 水性サーフェイサー
 66 工作に役立つアイテムを紹介 ツールセレクション /山中 洋
    第31回 ウェザリング用品
 68 英国鉄道へのいざない
    第12回 動力近代化の時代
 72 台鉄ナビ 文:邱浚嘉 翻訳:濱川 真由美
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 74 新車登場
 94 E.NUKINAのB級コレクター道 /貫名 英一
    第125回:グローブの貨車
 95 子連れ鉄日記 /写真・文:山本 晃司
    第91回:九州の旅(後編)
 96 伝言板
118 BOOKS
119 甲種・特大 運行計画 2021年12月
120 各種募集のご案内
122 新車登場INDEX
124 いちぶんのいち情報室
128 月刊とれいんバックナンバーのご案内・とれいんスケール呼称早見表
129 Combo Caboose・掲載広告索引
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2021年11月20日(土)発売
定価:1,595円(本体1,450円)

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ZUMEN2111

旧国ファン必携! 模型化図面集の決定版
13㎜ゲージ台車や床下機器の分売,自身の作品発表など旧型国電をテーマに活動された模型工房アダージョの前田 保氏が,長年の趣味活動の集大成として世に送る図面集.昭和8年に登場したモハ40系,関西急電で活躍した42系,流電52系など,後の電車王国の基礎を築いた名車が,1:80の詳細図面によって美しい原形の姿で甦ります.解説は「雑記帳メモリアル」「22世紀の汽車絵本」でもお馴染みの長谷川 興政氏.旧型国電の模型製作に欠かせない資料集です!


【目次】
省線電車概説  解説:長谷川 興政    

第1章
1:80イラストで見る省線電車    

モハ40001    (昭和7年・奇数向き)    
モハ40020    (昭和8年・奇数向き)    
モハ41001    (昭和7年・奇数向き)    
モハ40048    (昭和10年・奇数向き)
モハ40057    (昭和10年・奇数向き)
モハ41012    (昭和11年・奇数向き)    
モハ41034    (昭和12年・奇数向き)    
モハ41053    (昭和13年・奇数向き)    
モハ60001    (昭和14年・奇数向き)
モハ60029    (昭和15年・偶数向き)    
クハ55001    (昭和7年・偶数向き)    
クハ55020    (昭和8年・奇数向き)    
クハ55104    (昭和10年前期・偶数向き)    
クハ55031    (昭和11~12年・偶数向き)    
クハ55053    (昭和13年・偶数向き)
クハ55065    (昭和14年・偶数向き)
クハ55075    (昭和15・17年・奇数向き)
サハ57001    (昭和8年・偶数向き)
サハ57013    (昭和14年・偶数向き)    
サハ57026    (昭和15年・偶数向き)
サロハ56001    (昭和8年・偶数向き)
サロハ56012    (昭和13年・偶数向き)    
クハニ67001    (昭和11年・偶数向き)
クハニ67007    (昭和14年・奇数向き)    
モハ42001    (昭和8年・奇数向き)
モハ43001    (昭和8年・奇数向き)    
モハ43025    (昭和9年・奇数向き)
クハ58001    (昭和8年・偶数向き)
クハ58023    (昭和9年・偶数向き)    
クハ58025    (昭和10年・偶数向き)
クロハ59001    (昭和8年・奇数向き)    
クロハ59016    (昭和9年・奇数向き)    
サロハ46014    (昭和9年・偶数向き)    
モハユニ44001    (昭和9年・偶数向き)    
モハ52001    (昭和10年・奇数向き)    
モハ52002    (昭和10年・偶数向き)    
サロハ66020    (昭和10年・奇数向き)    
サハ48029    (昭和10年・偶数向き)    
モハ52003    (昭和11年・奇数向き)    
サロハ66016    (昭和11年・偶数向き)    
サハ48030    (昭和11年・奇数向き)    
モハ43038    (昭和12年・偶数向き)    
モハ43039    (昭和12年・奇数向き)
サロハ66018    (昭和12年・偶数向き)    
サハ48032    (昭和12年・奇数向き)    
モハ51001    (昭和10年・変則)    
モハ51011    (昭和11年・変則)    
モハ51027    (昭和11年・奇数向き)    
モハ51028    (昭和11年・偶数向き)    
モハ51049・055    (昭和12年・奇数向き)
モハ51057    (昭和13年・奇数向き)
モハ54003    (昭和15年・奇数向き)
モハ54006    (昭和16年以降・偶数向き)
モハユニ61001    (昭和18年・変則)
クロハ69001    (昭和11・12年・奇数向き)
クロハ69004    (昭和12年・奇数向き)    
クハ68001    (昭和11年・偶数向き)
クハ68018    (昭和13年・偶数向き)    
40系車輛 その背景及び製造年度表    

第2章  
台枠・前面・部品類 詳細図面    
昭和7年製(省電初の20m級電動車)床下機器及び機器の変遷        
製造年度別 空気溜,制動筒 取り付け概要 
省形規格車車体断面図 屋根形状及び窓寸法    
40系 車輛室内割付図     
42系 車輛室内割付図 
51系 車輛室内割付図     
台枠    
車体外側付属品        
張り上げ屋根と雨樋の高さ    
前照燈    

第3章 
模型工房アダージョ
旧型国電作品集&製品アーカイブ    
42系車輛・ 51系車輛 その背景及び製造年度表


著者:前田 保(模型工房アダージョ)
解説:長谷川 興政
A4 横綴じ 並製  カバー付き 164ページ
定価:5,500円(本体5,000円 税率10%)
荷造送料:450円(税込)
発売:株式会社エリエイ プレスアイゼンバーン

本書は前田 保さんの個人出版ですが,通常の当社出版物と同様,全国の書店,有名模型店にご注文くだされば取り寄せ可能です.直接のご注文も受け付けております.注文書名を明記の上,現金書留または郵便振替で本代と荷造送料をエリエイ宛てにご送金いただければ到着次第,お手元にお届けいたします.


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10月22日,近畿車輌でのJR西日本DEC741報道公開に参加するため,片町線の徳庵駅へ行った.
 どういう経路で行こうかと,ちょっとだけ考えたけれど,新大阪からなら,2年前に新しく開業した“おおさか東線”が順当だというのは,衆目の一致するところだろう.
 ということで8時半過ぎに新大阪駅1番線に到着した僕を待っていたのは,うぐいす色の201系だった.関東地方では姿を見なくなって久しい201系も,大阪ではまだまだ現役.先頭はクハ200-77.1983年の川崎重工製である.
 先頭部をホームから撮影…と思う間もなく発車時刻が来てしまった.初乗りとあれば,運転室のすぐ後ろでの“かぶりつき”が必然である.
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製造は国鉄時代だけれど,車内標記はJR西日本書体だった.体質改善工事の際に貼り替えられたのだろう.

発車してすぐに東淀川を通過,神崎側を渡ったら東海道本線と立体交叉で分岐し,南吹田の駅を過ぎると再び神崎側を渡る.このあたり,もっと南方で右へ方向を変えればよいのにと,合理的にはそうなるのだけれど,路線計画は随分昔から存在していて,用地も確保済みだったという事情も,ある.
 2度目の神崎川渡河の後すぐに左から城東貨物線が寄り添ってくる.ここから先は,僕だけではなくて,大阪周辺にUMレソだった人には,なんといっても城東貨物線である.
 昭和初期に大阪北部と南部を結ぶ貨物専用路線として開業した城東貨物線は,先行投資として全線に亘って複線のための用地が確保されていた.淀川貨物駅から吹田操車場までの間は,片町線の電車運転開始とともに電化工事も実施された.昭和14/1939年には放出と八尾の間も開業し,以後,大阪周辺貨物輸送の大動脈としての役割を果してきた.第二次世界大戦後は,最大級の貨物用蒸機であるD52も牽引機のラインナップに加わるほどに.
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2度目の神崎川はカーブしたトラス橋で渡る.左手に見えるデッキガーダー橋は吹田操車場…吹田貨物ターミナルからの線路である.
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高架化工事真っ盛りの阪急電車の真下にあるのがJR淡路.
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そして“赤川の鉄橋”.いや,正式名称は“淀川橋りょう”である.これから渡ろうとしている南行き線路が,つい先日までの人及び自転車通路だった,と,思う.

僕が生まれ育った地からほど近いこの鉄橋,子供のころに何度も遊びには行った.とはいえ,さらに親しかったのは,赤川の鉄橋の少し上流にある城北公園(しろきたこうえん)であり,さらにいえば,現在は豊里大橋という道路橋が架かるあたりであった.僕の子供時代には後に新幹線の鳥飼基地が建設される鳥飼の近くに架けられた鳥飼大橋の次には天神橋筋の長柄橋まで橋がなく,豊里の辺りには,淀川を渡る最後の渡し船“平田(へいた)の渡し”があり,それは本当に身近な存在だった.
 ということで,地図を見ていただければ理解してもらえるだろうが,子供にとって,平田の渡しから城北公園を経て赤川の鉄橋まで行くのは,大冒険だった…….

そしてJR野江を過ぎたら,京阪電車との交叉地点である.
 京阪電車の車窓からは,D51牽引の貨物列車が通過して行く様を眺めていたものである.たぶん定数一杯だったのだろう,本当にゆっくりゆっくりと走っていたものである.
 とはいえ,交叉風景を撮影しようと思ったら,それは至難の業なのである.あんなにゆっくり走っているのだから,鉄橋を通過している間に電車の1本や2本,やってきてもよさそうなのに,全然,来ない!
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画面右端に,見事に6000系が写りこんでいるではないか!
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元の淀川電車区からの線路跡を過ぎて,片町線との合流が近づく.向うには207系電車も見える……あ,こんな所に踏切が.なにしろ初乗車.いろいろと新しい発見があるものである.

そして到着した,鴫野(しぎの).いろいろ観察したくて,列車を降りてみた.
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大きくカーブしたホームの駅という印象は変らない.けれど,何もかもが,新しい.

この鴫野駅は,高校に通っていた3年間,毎日通っていた駅である.その頃から既に高架化され,駅の近くの線路脇には郵便車の車体を使った倉庫があったのを覚えている.探索してみようと思っているうちに,卒業してしまったけれど.
 その頃の鴫野駅は,駅の南側に広い空き地があった.何のためだろうと思っていたのだけれど,実は高架化前の線路敷きだった.それとともに,将来の線増に備えて確保された土地でもあった.その証拠(?)として,京橋方面行きホームの上屋は,拡張の余地を残した構造だった……と,記憶しているのだけれど,さて,実際は?そして,今回の線増に際しては,それらはどのぐらい活用されたのだろうか.
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さきほど通って来た道.次にやってきたのはクハ200-142が先頭の編成.かつてのこの駅の,ちょっと鄙びた風情は,ほぼ振り払われてしまった.

撮影した201系にそのまま乗って放出へ.沿線風景は,いろいろ様変わりしていたけれど,かつてC11が給水していた駐泊所の付近は,線路に面した敷地に建つ倉庫が健在であることもあいまって,ほんの少しだけれど往年を偲ぶことができた.
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そして放出駅.ホームは変らないが,橋上駅になったので1番線から直接改札を通ることはできない.背後のマンションとその周辺は,貨物扱い用地の跡である.


ということで,単純に乗り通せば僅か23分の旅.でも,新線ならではの新鮮さの中に,思い出もいっぱい湧き出てきた,豊かな旅となった.
 次は南半分にも挑戦しなくちゃ.

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今日の午後,日立製作所東武鉄道からニュースリリースが到着した.
 タイトルはそれぞれ“日立が東武鉄道の新型特急車両「N100系」を受注”.“2023年に特急スペーシアの新型車両を導入します”.
N100パースb
まずは外観写真.というより,添えられた写真は,この1枚だけ.ここからいろいろと想像を逞しくして,この新しい電車の中身を想像するしかない.それがまた,楽しみでもあるわけだが.クリックすると,いつもより,随分大きく開きます.ご注意を! 写真:東武鉄道

その前に,リリースに記された概要を…….
まずコンセプトは“Connect & Updatable~その人,その時と,つながり続けるスペーシア~”:
鉄道の物理的なつながりに留まらず,さまざまな情報やサービスを更新し提供することで,車輛に乗り込んだ瞬間から,お客様それぞれにとって“自分だけの最適な日光・鬼怒川エリア」とつながることができ,幾度も同エリアを訪れたくなる特急を目指します.

続いて車輛デザイン
現スペーシアのフォルムを現代に進化させ,デザインに取り入れました.カラーリングは日光東照宮陽明門・唐門・御本社に塗られた“胡粉(ごふん)」の白を彷彿とさせる高貴な白をイメージし,窓枠は鹿沼に伝わる組子や,竹編み細工といった江戸の手仕事を思わせる丁寧につくられた工芸品のような佇まいで,大切なものを包み込んでいるかのような期待を演出しています.

座席について:
現スペーシアにある個室も継承するほか,ラウンジなど新たに様々なタイプの座席を用意することで,より上質な空間を提供するとともに,幾度も乗車したくなる特急を目指します.

カフェカウンター
“自分だけの最適な日光・鬼怒川エリア」と出会える場となるため,新しいものを積極的に取り入れ,ここでしか出会えない五感で楽しむ商品等を提供します.

そして,現代の新規導入案件に欠かせない,カーボンニュートラル:
現スペーシアと比べ,CO2排出量を最大40%削減します.また,運行の使用電力相当分は,全て再生可能エネルギー由来の電力に実質的に置き換え,CO2排出量を実質“ゼロ”とします.

大まかな仕様は…
形式(車両型式と記されている)がN100系.愛称は未定である.
 6輛編成4編成24輛が製造される.座席定員は212席.
 使用線区は,東武伊勢崎線,日光線,鬼怒川線の浅草と東武日光及び鬼怒川温泉の間.

注目の導入予定時期は2023年.あと2年!

日立製作所のリリースには,アルミ合金製標準車輛A-trainコンセプトを適用すること,笠戸で製造されることが記されている.また,同社から東武鉄道に車輛が納入されるのは野田線用の60000系以来であることも記されている.

さてここからは,提供されたイメージ図とリリースの内容から,構成や構造などを想像して楽しんでみることにしよう.

まずカラーリング.リリースを見た直後には“色は未定なのだな”と思ったのだけれど,実は“胡粉の白”が正解.
 編成の6輛は,100系と変らない.イラストの手前側先頭車の側窓は六角形.東海道新幹線の試作車B編成の中間電動車1004号車を思い出すのは,発想が古いだろうか.そういえば,あちらも日立製だった.
 そしてこの窓が採用されているのは,この先頭車だけだから,きっと,この車輛が個室車なのだろう.そして,浅草方の先頭車に違いない.
 中間車の側窓は,100系の白幅から一転して狭幅になったように見える.一番奥の先頭車の”連結面寄りが,少し窓配置が異なっているように見えるのは気のせいだろうか.
 側扉は1輛1ヵ所.ホームドアに対応しているはずである.プラグドアではなく,普通の引き戸のようである.
 定員は,100形に比べて相当に減っている.投入編成数も半減以下だから,リバティの上級特急という位置付けになるのかもしれない.
 屋根には集中式の空調装置が取り付けられている.日立製になるのだろうか.画面奥には4基のシングルアームパンタグラフが見える.ということは,中間車全てが電動車なのかもしれない.
 台車は……モノリンク式軸箱支持装置のボルスタレスのようである.
 先頭の連結器が密連なのはよいとして,電気連結器を装備しているのは……まさか2編成併結の12輛編成も実施されるのか?それとも一般車との併結?
 前照燈と尾燈は丸い粒のLEDを組み合わせているようだ.前照燈は9粒が点燈中.灰ビームでは一番上の列の10粒が加わるのか?.尾燈は左右の10粒ずつである.前面の列車名表示装置は……どうやら,なさそうである.
 前頭のデザインは,100系のイメージを引き継いだとされるが.JR西日本の581・683系や台湾鉄路局の最新型EMU3000にも通ずる,いわば“日立デザイン”といえようか.

……と,いろいろ想像妄想を連ねてみた.みなさんのご意見は,どうだろう.どのぐらい的中しているのかは,2年後の,おたのしみ!

※2021.11.13追記:イラストの先頭車はラウンジではないかとのご意見をいただいた.異形窓の採用も,そのように考えれば納得できるような気がする.となれば,一番奥の車輛の窓配置が異なっているような気がするのも,そこが個室であると考えれば,納得できるかもしれない.

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