今週の月曜日,飛び石連休の合間の2月10日午前,東武鉄道の80000系電車が報道公開された.アーバンパークライン,野田線の七光台へ駆けつけたのは,いうまでもないこと.
七光台の駅にやってくるのは60000系の取材以来のことだから,およそ10年振りだろうか.
かつて3000系列や5000系列が主力だった頃には広々としていた駅前一帯も,徐々に住宅が増えて,今では公園を除いて,空き地はほぼ消え去った.
一方,駅の裏というか東側には,以前と変わらない雑木林が拡がっている……
午前10時に集合して,各種レクチャーの後に車庫線へ.光線は完全順光.写真のことをよく理解した人がセッティングしていること,間違いない.
今回の80000系が60000系と異なっていること,それはまず5輛編成であること.そして製造所が日立ではなく近畿車輌であること.同じ点は,車体がアルミ合金製であること,前面に非常用貫通扉を備えること,20m級ロングシートであること.
第1編成の車号は柏方から大宮・船橋方に向けて
81501+82501+83501+84501+85501.
このうち82501と84501が電動車で,あとの3輛が付随車.主電動機の定格出力は60000系の160kWに対して250kWと強力であり,編成単位では1,920kWに対して2,000kWと,ほぼ同じでやや大きい数字となっている.パンタグラフは電動車の大宮方に1基ずつ搭載.
柏方の電動車82501.主制御装置は車体中央よりやや大宮方に車体幅のほぼに一杯取り付け.その並びに電動空気圧縮機,車上バッテリーシステム用SCiBを取り付けている.車体の水玉ラッピングは“たのしーと”アピール用.
その主制御装置は放熱部の黒塗装が特徴の三菱電機製MAP-204-15V369.フルSiC-MOSFET.組み合わせられる主電動機は,回転子にレアアースを使わない,同期リラクタンスモーター(SynRm)を,東武鉄道としては初めて採用している.なお,福岡市交通局の新形式車4000系も,同じシステムを採用しているという.
補助電源装置は東芝製のINV192-H0を84501に取り付け.電動空気圧縮機は三菱電機製を82500形に取り付けている.
そして東芝のリチウムイオン二次電池を使った車上バッテリーシステムを82501に設備している.ブレーキング時の回生電力を架線に戻さずに蓄電池に充電して回生失効を減少させるとともに補助電源装置の不具合時に補助電力を供給するシステムのこと.これは東芝製で,SCiBという商品名で各方面への展開をはかっている.
さて室内.
客室全景.からし色の腰掛表地は,東武鉄道ユーザーにとっては,どこか懐かしさを感じさせることだろう.
でも本質はそこにはない.
柏方電動車に設けられた“たのしーと”.子供たちが電車の旅を楽しむことができるように工夫されたスペースで,内壁や床は子供部屋のイメージ.車外には存在をアピールする水玉のラッピングを施している.そのほか,フローリング調の床など,全体が“まるでリビングルームのような”をコンセプトとしている.運転室.左手マスコン,右手ブレーキハンドルの配置.メーター類は,いわゆるグラスコクピット.そして画面左……窓が見える.その奥は客室.仕切壁に窓,それも特大サイズ.東武電車としては,画期的なできごとといえよう!
80000系の話題は,実はこれで全部ではない.まもなく落成する予定の編成には,施設モニタリングシステムが屋根と床下に搭載されているのだという.現在性能確認中の小田急5000形に搭載されているシステムとは同じなのか違うのか.その登場が待ち遠しい.
この80000系電車はすでに3編成が落成していて,全体では合計25編成125輛が投入される.これらのうち18編成については4輛だけ新造し,60000系から抜かれた1輛を組み込むことになっている.だから実質の新造車は107輛ということになる.
待ち遠しいといえば営業運転開始開始.それは“東武アーバンパークライン 5両編成運転のお知らせ”として,3月8日からと発表されている.
七光台の駅にやってくるのは60000系の取材以来のことだから,およそ10年振りだろうか.
かつて3000系列や5000系列が主力だった頃には広々としていた駅前一帯も,徐々に住宅が増えて,今では公園を除いて,空き地はほぼ消え去った.
一方,駅の裏というか東側には,以前と変わらない雑木林が拡がっている……
午前10時に集合して,各種レクチャーの後に車庫線へ.光線は完全順光.写真のことをよく理解した人がセッティングしていること,間違いない.
今回の80000系が60000系と異なっていること,それはまず5輛編成であること.そして製造所が日立ではなく近畿車輌であること.同じ点は,車体がアルミ合金製であること,前面に非常用貫通扉を備えること,20m級ロングシートであること.
第1編成の車号は柏方から大宮・船橋方に向けて
81501+82501+83501+84501+85501.
このうち82501と84501が電動車で,あとの3輛が付随車.主電動機の定格出力は60000系の160kWに対して250kWと強力であり,編成単位では1,920kWに対して2,000kWと,ほぼ同じでやや大きい数字となっている.パンタグラフは電動車の大宮方に1基ずつ搭載.
柏方の電動車82501.主制御装置は車体中央よりやや大宮方に車体幅のほぼに一杯取り付け.その並びに電動空気圧縮機,車上バッテリーシステム用SCiBを取り付けている.車体の水玉ラッピングは“たのしーと”アピール用.
その主制御装置は放熱部の黒塗装が特徴の三菱電機製MAP-204-15V369.フルSiC-MOSFET.組み合わせられる主電動機は,回転子にレアアースを使わない,同期リラクタンスモーター(SynRm)を,東武鉄道としては初めて採用している.なお,福岡市交通局の新形式車4000系も,同じシステムを採用しているという.
補助電源装置は東芝製のINV192-H0を84501に取り付け.電動空気圧縮機は三菱電機製を82500形に取り付けている.
そして東芝のリチウムイオン二次電池を使った車上バッテリーシステムを82501に設備している.ブレーキング時の回生電力を架線に戻さずに蓄電池に充電して回生失効を減少させるとともに補助電源装置の不具合時に補助電力を供給するシステムのこと.これは東芝製で,SCiBという商品名で各方面への展開をはかっている.
さて室内.
客室全景.からし色の腰掛表地は,東武鉄道ユーザーにとっては,どこか懐かしさを感じさせることだろう.
でも本質はそこにはない.
柏方電動車に設けられた“たのしーと”.子供たちが電車の旅を楽しむことができるように工夫されたスペースで,内壁や床は子供部屋のイメージ.車外には存在をアピールする水玉のラッピングを施している.そのほか,フローリング調の床など,全体が“まるでリビングルームのような”をコンセプトとしている.運転室.左手マスコン,右手ブレーキハンドルの配置.メーター類は,いわゆるグラスコクピット.そして画面左……窓が見える.その奥は客室.仕切壁に窓,それも特大サイズ.東武電車としては,画期的なできごとといえよう!
80000系の話題は,実はこれで全部ではない.まもなく落成する予定の編成には,施設モニタリングシステムが屋根と床下に搭載されているのだという.現在性能確認中の小田急5000形に搭載されているシステムとは同じなのか違うのか.その登場が待ち遠しい.
この80000系電車はすでに3編成が落成していて,全体では合計25編成125輛が投入される.これらのうち18編成については4輛だけ新造し,60000系から抜かれた1輛を組み込むことになっている.だから実質の新造車は107輛ということになる.
待ち遠しいといえば営業運転開始開始.それは“東武アーバンパークライン 5両編成運転のお知らせ”として,3月8日からと発表されている.