4月近くなってもまだうっすらと雪をまとう山をバックに快走する8500系 会津長野-養鱒公園
さて水曜日、今度は“走り”を撮りにふたたび南会津へ向かいました。今回は修理から上がったばかりの愛車に乗って東北自動車道で宇都宮、そこからは日光宇都宮道路で今市まで行きます。ここでスペーシアけごん1号でやってくる平野君と合流する予定です。
編集部から午前2時半頃帰宅し、それからカメラ機材の用意や撮影ポイントの情報収集などをします。風呂に入り夜食を食べたら午前5時! もう出発の時刻です。嗚呼、今回も徹夜での出発です。大丈夫でしょうか・・・
余裕を持って出発しすぎたのか、SAで休憩しながらも7時台には今市に着いてしまった私は、平野君と合流するまでやることがありません。そうだ、新高徳の鉄橋でも撮影しておこう。ここは東武線では有名な撮影ポイントです。6050系を水鏡で色々な角度から数カット撮影。スペーシアが来なかったけどまぁいいか・・・ と、出発しようとしたその時、スペーシアが現れました。回送なのでダイヤには反映されていません。うう・・・ 撮り漏らしました。
さぁ、車に乗って時刻表をよくよく見てみると平野君を今市でピックアップすると、どうやら会津鉄道線内で8500系を撮影するのは無理そうです。う~ん、雪山をバックに撮影したいからなぁ。できればより奥地の会津鉄道内で撮りたい。ここは平野君に川治温泉の鉄橋を撮影して貰って、ボクは会津線まで向かった方が良さそうです。
予定を変更し、カーナビで撮影ポイントと決めた会津下郷のトンネルを指定すると新高徳から72kmと表示されました。げっ!結構遠い。急がないとロケハンする時間がなくなりそうです。下今市で合流は無理と携帯で平野君に告げ、彼には手前の野岩鉄道・川治温泉付近で撮影して貰うことにしました。待ち合わせは会津高原尾瀬口に変更し車を発進しました。
車で野岩鉄道沿いの国道121号線を駆け上がり、栃木・福島の県境となる峠を目指します。月曜日は川治温泉辺りから雪景色になったのですが、3駅奥の中三依温泉付近になっても雪は一切見えません。こりゃあ、もしかして全部溶けてしまったか・・・ 焦りつつ北上を続けますが、雪はない(汗)。男鹿高原駅に近づいたころやっと山の斜面に雪が見え始めました。峠近くでこれでは・・・ かなり期待薄です。隣の会津高原尾瀬口に着くと地面のところどころに雪が見えまてきましたが、先日とはえらい違い。ここから会津若松方面に進んでも標高が下がるため、むしろ雪は減ってしまいます。会津下郷はかなりまずいかも・・・ 不安になりつつ車を進めると、20分ほどで会津元郷に着きました。やはり雪は一切なし!こりゃダメだ。その頃、平野君は・・・
平野君は下今市でスペーシアを降り、会津田島行きの6050系普通電車に乗り換え川治温泉駅で降りました。駅を出るとすぐにコンクリート橋があります。ここで6050系を狙おうというわけです。何枚か撮影したようですが、フィルムカメラで撮影したため現像はまだです。ですから結果は分かりません。
そんな平野君が駅からコンクリート橋を目指す際に見つけたカラスよけグッズを撮影しています。カラスの死体は奴らにとって良い脅しになるようです。今でも場所によっては本物を吊しているようですが、これはさすがに樹脂製です。
吊されたダミーカラス。カラスの被害を避けるための脅しグッズだ 川治温泉付近 撮影:平野 聰
その頃、私は会津下郷での撮影を諦め、少しでも雪山がバックで撮影できる会津高原方面に逆戻りしました。カーナビを眺めつつ、色々と車で回っていると会津長野-養鱒公園間で田んぼが手前、奥に雪の積もった小高い山が見えてきました。うん、良い雰囲気。よし!ここで撮影しよう。デジカメとビデオを設置します。ビデオは会津長野の出発時間から回しっぱなしにしておきます。カタンカタン・・・軽快な音をさせてAIZUマウントエクスプレスがやってきました。ここで撮影したビデオが一番上の映像です。少し離れたところでデジカメ撮影もしました。
その後、平野君と会津高原尾瀬口で合流、次は鬼怒川温泉付近で東武線内を走る8500系を撮影しよう!となりました。しかし、まだ8500系が戻るには時間があります。そこでトンネル内に駅のある湯西川温泉駅で駅撮りをしました。トンネル手前は長いトラス橋があり、そこを列車は走ってトンネル内のホームに進入します。平野君がカメラを構えてパチリ!それが下の写真です。この頃から雨が降り始めました。
トンネル内にある湯西川温泉駅に進入する6050系 撮影:平野 聰
このあと、鬼怒川温泉付近まで降りましたが、雨脚は強くなるばかり。なんてこったい・・・ しばらく車内で待機していましたが、止む気配がないので、飛び出し俯瞰写真を撮るべくロープウェイへ向かいました。しかし、雨で頂上は完全にガスっています。
「ここから頂上が見えないということは俯瞰写真は無理だよ」
平野君が嘆きます。私はどうしても頂上から撮りたかったのですが、私が見ても確かに無理そう・・・ 仕方なく、川沿いに居並ぶホテルの隙間から鬼怒川線をゆく8500系を一枚押さえました。でも、どしゃぶりだったため輪郭はぼやけてしまっています。
この後は、折り返し鬼怒川温泉駅を発車する8500系を野岩鉄道内で迎え撃とうと、また国道121号線を北上しました。午後3時をまわり、この頃から雨が本格的な雪に変わりました。しかもかなりの量です。川治湯元駅付近ですでに雪景色に変わっていました。もうここで撮ろう。
斜面を降りて、川治湯元駅を出てすぐのトンネルポータルの上から構えました。構えて2分、8500系がやってきました。悴む指をなでつつ撮影したのが下の写真です。
豪雪で少し先も見えない有様。これが最後の8500系撮影となった 川治湯元駅
最後にもう少しだけ写真を撮ろうかと、湯西川温泉の鉄橋へ向かいました。すると雪の勢いが凄いため橋の向こうの風景が見えません。橋がホワイトバックに浮かび上がっています。まるで模型のようです。
湯西川温泉のトラス橋を渡る会津鉄道AT-650形“AIZU尾瀬エクスプレス”。寒かった・・・ 中三依温泉-湯西川温泉
ビデオも撮影したので、こちらもどうぞ。鉄橋進入前の警笛が良い感じです。
これで撮影終了、最後は睡魔と戦いながら東北道をひた走り東京へと戻りました。
そうそう、写真だけでは何なので、会津田島駅で8500系さよなら記念乗車券とストラップを購入しました。切符は流行の硬券が4枚セット(1500円)になっています。ストラップ(840円)は下ぶくれの前面形状と良い、塗装と良い、特徴をとらえています。
携帯ストラップと記念切符。会津田島駅か西若松駅にて購入できる。
合計3日間、結構な強行スケジュールでした。しかし、東武・野岩・会津鉄道ファンとしてはどうしても消えゆく8500系で“乗り”“撮り”を堪能したかったのです。会津鉄道によると引退の正確な時期はまだ未定のようです。ただ、それも4月が5月になるかな?程度のことのようです。皆様も廃車になる前に、乗りに出掛けては如何ですか?私はもう1回行ってみたいかも・・・
(おわり)