ここ数年,米国型HOの機関車はDCCサウンドデコーダーを標準搭載した製品が主流となり,昔のように線路や車輛に大がかりな加工が必要なPFM方
式を使わずとも,誰でも手軽に走行中の効果音が楽しめるようになりました.また技術の進歩によりスピーカーやデコーダーが小型化され,最近ではサウンド
DCC装備のNゲージも各社から発売されています.
思い返せば幼い頃,やかましく唸りを上げるモケイを走らせながら“あ〜 ディーゼル音みたいだあ”とアバタもエクボだった頃が懐かしい… そこで,今回は懐かしい模型をほじくり返して,“賑やかな模型”ランキングをやってみます.
●その1:リバロッシ製 UP SW1500(N)…小学生の頃,アメリカ出張に行った父が土産に買ってきてくれたもの.小さい車体中央に両軸カンモーターを抱き込み,ダイキャストのフレームを震わせながら良く走ってくれます.
ヘッドライトはキャブ内で豆電球を光らせ,導光材で光らせているのですが,そのためか(?)キャブ窓は全てダイキャストのウエイトで目張りされていて,実物以上にゴツイ外観が強調されています.
音はウルサイですが,当時のNゲージ小型車としてはかなり走りの良い方だと思います.
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その2:アサーン製 D&RGW
F7ディーゼル(HO)…とれいん6月号の“私を趣味人にした模型”でもちょっと書きましたが,中村精密のオールドタイマー4-4-0が私のHOゲージ1
号機でした.しかしオールドタイマーでは牽かせるものもほとんどない…
そこで,銀座の天賞堂で小遣いをはたいて買ったのがこの模型.アサーンで米国型に入ったファンには定番ですね。
ノーズ上面の塗り分けがぼやけていたので筆塗りで直したのですが,当時はバンブルビー塗装なんて良く知らなかったので,鼻先が側面近くまで真っ黒に塗られているのはご愛嬌.
肝心の走りは,ごついダイキャストフレームにオープンコアのモーターを乗せ,焼結車輪の転がるガラガラ音がいかにも昔のアサーンです.ディーゼルの臨場感を出すためにわざとガラガラノイズが鳴るように出来ている,なんて話も聞きましたが,どうなんでしょうね.
●その3:MDC(ROUNDHOUSE)製 GEボックスキャブ(HO)…数ある量産品HO製品の中でも,ラウンドハウスの組み立て式機関車のガラガラキング振りは伝説(?)といえましょう.さすがに例のバリだらけの蒸機キットまでは手を出したことがないのですが…
このGEボックスキャブは短車体にもかかわらず,台車のシャフトに車体中央のギヤボックスからルーズカプリングで伝導するというかなりムチャな構造なの
で,ちょっとでも台車が首を振るとモーターツールをこすりつけているようなすごい金切り声を上げます.さらにプラ製ギヤがシャフトから緩んできて段々走ら
なくなってくるというオマケ付き.
車体中央のギヤタワーを挟んで棒モーターの反対側にはダイキャスト製の怪しげなフライホイールが付くのです
が,あまりの動力のヒドさに呆れて外してしまいました.なお,昔のウォルサーズHOカタログを見ている方ならご存知と思いますが,このボックスキャブ,前
後の端梁に紙ヤスリみたいなクリーニングヘッドを装備したレールクリーニングカー仕様もあったのです.自走すらままならないのに,レールクリーニングと
は… 実にのどかな時代だったのですね.
床上の棒モーターからプラ製のギヤタワーを介して,床下で両端台車のシャフトに伝動.この継手部分のルーズカプリングがものすごい騒音を発生する.