先週に引き続いて写真展のご案内.ただし,今回は残念なことに会場を訪問できないままでのご紹介.
けれども,内容はみなさんに自信を持ってお薦めできること,間違いない.なぜならば,撮影者が田部井康修(たべい やすのぶ)さんだから.
田部井さんといえば,群馬県の高崎にお住まいの,極めて熱心な鉄道趣味人として知られている.旧市街のお住まいにも何度かお邪魔しているが,とにかく部屋の中は写真の作品と模型を中心とするコレクションで満ち溢れている.半世紀以上にわたって撮り続けられている鉄道写真は,伺う度にアルバムを拝見しているが,いまだに全貌をつかめないでいる僕である.
今回の写真展は,高崎市美術館で開催されている地元出身の画家の展覧会に併設の写真展(観覧料:一般300円)ということで,テーマが“伊香保電車”に絞られている.伊香保電車といえば,“レイル”で,小林 茂さんにご出馬願って歴史を纏めた折りに,田部井さん撮影の写真もたくさんご提供いただいた.
併用軌道あり専用軌道あり,そして本格的な山岳鉄道と,多彩な表情を持つこの路線を,黒岩さんと一緒になって纏め上げたのを,昨日のことのように思い出す.
あれから26年経った今日,“レイル(No.10)”は残念なことに品切れ中だが,だからこそというべきか,田部井さんの伊香保電車のオリジナルに触れる,絶好の機会ではないか.“レイル”に掲載できなかったシーンも,数多く展示されているようでもあるし.
会期は7月8日まで.高崎駅の,ほとんど目の前という便利な立地だから,僕も,ぜひとも会期中に高崎訪問を果たしたいと思っている.みなさんも,ぜひどうぞ!
パンフレットに掲載された,北高崎駅近くの専用軌道風景.撮影日は昭和28/1953年の6月20日とあるから,今からちょうど56年前の風景である.