モデラーな日々 とれいんスタッフブログ

月刊とれいんスタッフの,模型と格闘していたりしていなかったりする日々をお送りします.

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T2408

【オススメ記事】
西武鉄道6000系電車.同社の鉄道線用として初めてインバータ制御を採用し,ステンレス鋼製車体を纏って1992年の登場から早くも30年以上を経過しましたが,今もなお元気よく地下鉄直通列車として活躍を続けています.そんな6000系電車の現況と最近10年ほどの変化を中心としてまとめたのが今回のMODELERS FILEです.もちろん登場時の初々しい姿もお目に掛けています.
 マイクロエースから再販された国鉄103系高運転台仕様をベースにして多様な電車を競作したのが,チームおやびんメンバーです.十人十色のバリエーションをお楽しみください.また,Nゲージで製作された,東武鉄道N100系 “SPACIA X”の作品も紹介します.先月号に続き,紙成模型塾では東武鉄道N100系 “SPACIA X”の後編を掲載,巻末には型紙付きです.
 外国の話題では"英国鉄道へのいざない"でマン島の鉄道を,"韓国鉄道探訪"で最新のKTX-青龍を,そしてDiesel Power in USAではサンフランシスコのPCCカーをご紹介しています.


【目次】
MODELERS FILE-----------------------------------
  4  MODELERS FILE 西武鉄道
      6000系電車
      登場から「もう」30年,「まだ」30年の地下鉄直通車
                  解説及び特記以外の写真:池添 智和
                    床下機器配置図調製:松井 一彦
                    写真協力:土屋 隆司/前里 孝
                    取材協力・資料提供:西武鉄道
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 3・44 マイクロエース103系で遊ぼう!      製作:チームおやびん
 28 32年振りのフルモデルチェンジ車は驚きの白さ!
     東武鉄道N100系"スペーシアX"を作る        浅野 貴雄
 32 紙成模型塾 第七十一講 東武鉄道N100系"SPACIA X"(後編)
     観光特急の在り様を新提案した東武期待の新星 講師:中村 文人
 56 サロン・ド・庭園鉄道
     日本庭園鉄道交流運転会開催  我妻 孝(JGR)・大沼祥一(JGR)
     5″ゲージ枕木と車輪を発売     有限会社ヤマダ金属商会
 66 グランシップトレインフェスタ2024 Part.2
 69 韓国鉄道探訪 番外編 KTX-青龍運行開始! 一番列車乗車レポ
                              加坂 紳
 70 第23回 関西Nゲージ合同運転会 Part.2
131 紙成模型塾 型紙 東武鉄道"SPACIA X"
     5号車・妻板/1号車・6号車個室仕切り・クーラー
                           講師:中村 文人
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 40 英国鉄道へのいざない
    第28回 魅惑のマン島蒸気鉄道
 52 Diesel Power in USA! /佐々木 也寸志
    Vol.108 サンフランシスコのPCCカー
 60 線路は続くよいつまでも 168回 /信沢 あつし
    約15インチゲージのジグザグ線路
    日光街道越谷宿 大正創業の元酒屋
 62 入門者必読! 誰も教えない基礎・応用テクをプロモデラーが伝授
    Nキット上達への道  /解説:P.S.
    第27回:グリーンマックス江ノ電1000形タイプ-(3)
 64 モデリング・リサーチ・センター /解説:P.S.
    第124回 GSIクレオスMr.フデピカリキッド
 72 台鉄ナビ
   文:邱 浚嘉  翻訳:黃 昱嘉
 74 E.NUKINAのB級コレクター道 /貫名 英一
    第157回:ショーティ(その2)
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 75 新車登場
 98 コンさんの工作メモ /今野 喜郎
    第7回 8/0糸鋸刃の使い方
 99 輝け!日本の運転会
100 子連れ鉄日記 /写真・文:山本 晃司
    第123回:18きっぷで東京へ(後編)
101 伝言板
118 BOOKS
119 甲種・特大輸送実績 2024年6月分
   JR東日本在来線車輛の動き 2024年5月
120 各種募集のご案内
122 新車登場INDEX
124 いちぶんのいち情報室
128 月刊とれいんバックナンバーのご案内・とれいんスケール呼称早見表
129 Combo Caboose・掲載広告索引
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2024年7月20日(土)発売
定価:1,694円(本体1,540円)




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◆8620形蒸気機関車
大正期に大量産された8620形という蒸気機関車.日本の鉄道事情にほどよくマッチした大きさと性能によって全国で長らく愛用されました.今回は最初に八木邦英さんが撮影された,御召列車牽引の晴れ姿を含む昭和30年代後半以降の活躍をご覧いただきます.続いて新澤仁志さんが8620形ならではの形態の特徴を各地の保存機で考察します.そして最後に,各メーカーで完成した大正期から東海道本線での活躍,西尾克三郎さんの津山で撮影の8635など,この機関車の艶やかな姿も一挙披露します.
◆越美北線余話
レイル№126でお届けした“越美北線”には,多くの反響をいただきました.それらの中から,西村雅幸さんの“私の越美北線”と,八木さんの後日譚をご紹介します.
◆福井市の鉄道今昔
そこから派生したようなテーマとして,高見彰彦さんの福井市の鉄道今昔もお楽しみください.福井駅や福井機関区,福井鉄道,京福電鉄の話題が丹念に発掘されています.
◆ヒギンズ写真の真髄 11 鹿児島市電と屋久島を巡る
ヒギンズさんのモノクロ私鉄写真は,九州完結編,鹿児島市電と屋久島の森林鉄道です.鹿児島は昭和32/1957年,屋久島は昭和39/1964年が最初の訪問で,前者は路線拡充期,後者は観光地化される以前の現役森林鉄道としての貴重な記録です.


2024年7月20日(土)発売
定価:3,960円
(本体3,600円 税率10%)


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先週のここで,4月13日の早朝に伯備線で“サンライズ出雲”や”WEST EXPRESS銀河”を撮影したとお話した.撮影後は出雲へ遠征して“やくも”を撮ったとも記した.この行程では,列車ではなく自分で運転する自動車に頼らざるを得なかった.賢明な読者なら,既にお気づきのことだろう.
 鉄路に依存しない移動ならば……ということで採ったのが,いくつかの山越えを伴うものの,“広瀬”とか“備後落合”とか,あるいは“三刀屋”など,鉄道に興味と関心を持つものにとって蠱惑的な地名が散りばめられたコースだった.いずれも,再訪がかなう可能性が低いとあれば,“全部寄り道”といいたいところだけれど,そんなことしていたら,本来の目的を見失ってしまう.
 結局のところ,亀嵩川と斐伊川が合流する辺りで細い線路道と出会ったこともあって,小休止は木次となった.駅近くの駐車スペースに車を入れたら踏切の音が……あれれと駆けつけたけれど遅かりしで,列車の姿を見ることはできなかった.“では次”といかないところが木次線の悲しいところ.
 そもそも僕にとっての木次線は,夜中に乗る路線だった.前回記した通り,山陰均一周遊券の南端が備後落合であり,米子を23時前に発車する広島行き“ちどり”に乗って,備後落合に2時ごろ着,折り返しの米子行き“ちどり”が3時前に到着して米子着が朝6時.実に効率のよい折り返しではないか.
 でも,強行軍が何日も続くと,夜中に目が覚めるかどうか自信が……と思っていると,車掌さんが気配を察して“起こしたげるから”とありがたい言葉をかけてくださるのだった.
 備後落合駅の様子はレイルNo.88では河田耕一さんが,No.92では宮田寛之さんと赤木幸茂さんが紹介してくださっている.その稿に登場する駐泊所や転車台は,見ているはずだが記憶はない.ないといえば,なんということか,出雲坂根のスイッチバックすら記憶がない.レイルNo.122のキハ42000・07形でお目に掛けた素晴らしい桜の風景は,なんとしてでも見たいとは思っているが.

さて2024年の木次駅.
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駅本屋は,モダンな外装だが実は開業時に建築された建物を,何度もリニューアルして現在に至っている.左側の木次鉄道部事務所は後年の増築かも.
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駅ホームから見た機関区.線区の規模の割には線路の数が多く,立派な建物である.なにしおう豪雪地帯だけに,冬季は全車輛を格納する目論見だったのだろう.

やはりレイルNo.122の32~33頁に見開きでご覧いただいた福田静二さん撮影写真の頃の面影が強く残っている.
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振り返ったのがこの風景.これは,同じレイルNo.122の31頁,早川昭文さん撮影のレールバス,キハ02の写真と,何ら変わるところがない.

ホーム上の上屋は,ほぼそのまま.右に見える駅本屋裏側(と,いってよいのか?)の差し掛けや本屋根の梁が,今もなお新築時の構造を残していることが知れる.レールはだいぶ太くなっている.

木次といえば,保存されていたC56 108が解体される寸前まで事態が進んだという話題があった.地元の人々の強力な,熱意ある運動が功を奏して,解体は中止となり,1,000万円を費やしての整備が実施され,2013年11月3日にセレモニーを実施した上で,引き続いて雲南市木次体育館の前庭で保存されている.
 現在はいえば,さらにこの機関車を木次駅前に移設しようという運動が継続されているのだという.確かに写真でご覧の通り,駅前広場は広い.実現することを願っている.
 ちなみにこの活動の中心となっているのは,雲南市蒸気機関車C56108保存会で,日常の活動状況はブログで紹介されている.
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体育館前での保存の様子.背景の建物が体育館.再整備から10年を経て,なおかつ露天での保存にもかかわらず,この美しさ.関係者の努力振りを窺うことができる.

この雲南市木次体育館は,木次駅から南へ約1km.久野川を渡ってすぐのところにある(島根県雲南市木次町新市409).
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背面.前照燈は,かなり傷んではいるもののLP42系であることが判る.ちなみに機関車の向きは,東が前頭.
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説明板も美しく保たれている.現在の雲南市ではなく“木次町”のままで残されているところが,とても,よいと思う.

ここから山陰本線の直江と出雲市の間の築堤までは斐伊川沿いに走って約20km.岡山からやってくる“やくも5号”まで,充分に時間がある.
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ということで,さきほど木次駅前のショッピングセンターで求めた“出雲割子三段そば”で,行き交う電車や気動車を眺めつつの昼食とした.

ちなみに木次駅前ではこんなものも買っている.
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吉田酒造の“月山”.

酒造所の所在地は,現在の行政区分では安来市だが町名は広瀬.かつての能義郡広瀬町……午前中に気になっていた地名,即ち広瀬鉄道……一畑電鉄広瀬線の終点所在地である.
 ヤマタノオロチ(八岐大蛇)伝説にもある通り,木次一帯は日本で初めて酒が醸造された(といわれている)地域であり,木次酒造という蔵が盛業中のはずなのだが,棚には見当たらなかった……

これでこの日の“寄り道”はおしまいなのだが,5月の末,家から少し離れたスーパーマーケットに出掛けた時,冷蔵ケースからなんとなく視線が…….
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なんと“木次牛乳”なのだそうだ.低温殺菌を特徴とする“パスチャライズ牛乳”なのだそうで,値段もそれなり(ちょっと以上?)だし,保存期限も短い.でも,視線を感じた以上は確保するしかなかった.

持ち帰って観察してみたら,“広告欄”というのがあって,牛乳への注意や効用が説かれているのが,なんともユニークに思ったことである.味は,濃い.

そしてさらに今日のことである.
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先日と同じスーパーマーケットで再びの視線.今度はミルクコーヒー……名前が“コーヒー牛乳”ではないところに惹かれた…….

ちなみに,島根県には木次牛乳のほか,安来出雲市と浜田にも牛乳メーカーがあるようだ.

なんだか,“各地牛乳をたく”になってしまいそう.同好の士はおられるのか?そのうち“地牛乳行脚”でも始まるのだろうか????


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鉄道博物館では鉄道写真家 南正時氏より寄贈された作品で作品展を開催しています。
既に蒸気機関車の北日本と西日本、寝台列車編を行っており、この作品展は第4弾になります。
その内覧会にお誘いいただき、先日行ってまいりましたのでご紹介いたします。
私の年齢的にはとても懐かしい列車群がたくさん並んでおり、まるで特急図鑑をめっくって見ているような感じでとても楽しい作品展でした。
当日は鉄道博物館の企画担当の方から作品展のテーマなどのご紹介があり、作品ごとには南さんからの写真解説で進行していきました。
1970年代から1980年代までの特急列車をテーマとした写真約90点が展示されておりとても見ごたえありです。
内覧会ではすべての写真をじっくり拝見できていないので、開催期間も長いですし、ぜひ再訪してみたいと思います。皆様もぜひ!!

 「鉄道写真家 南 正時 作品展 Lの時代 国鉄特急、大集合!」
  会期:2024年7月6日(土)~9月23日(月・祝)
  会場:鉄道博物館 本館2階 スペシャルギャラリー1
  入場料:無料 鉄道博物館の入館料のみ

  入館料:前売券(前日まで)一般1500円 小中高生500円 幼児200円
      当日券      一般1600円 小中高生600円 幼児300円


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入口前で!
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写真解説をする南さん。
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昭和時代の子供部屋を再現?南さんの写真を使ったグッズも!
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撮影エピソードを紹介。
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暑い日が続きますが涼しい鉄道博物館にぜひ!

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先週のここでは,短い距離ながら273系“やくも”に,岡山県内で乗車したことをお話した.
 今週は,本当に久し振りの米子とその周辺を訪問したお話である.
 ……僕の記憶によれば,前回の米子訪問は2002年4月のこと.インターネット上で鉄道情報・交流サイトとしては今や最古参ともいえる“鉄道フォーラム”の15周年記念行事として岡山から松江までキハ181系貸切列車に乗り,翌日,米子在住のモデラーである西本輝昭さんを訪問した.その様子は当時のとれいん誌上でご覧いただいた.
 その前といえば,381系電車に“パノラマグリーン車”クロ380の取材で後藤工場を訪問した時だろうか.この時は,盛んに試運転が行なわれていた智頭急行線の沿線を上郡から順に北上し,鳥取で泊まって米子へ足を延ばした……あるいは順序が逆かもしれないが.平成6/1994年秋のことである.おや,ちょうど30年前のことではないか.その時点では出雲市駅はまだ地平だったが,松江駅と鳥取駅は既に高架となっていた.

そんなこんな,4月12日に伯備線を北上して米子駅に到着したのは,春の陽が日御碕の西の日本海に没する頃だった.
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話には聞いていたが,すっかりコンパクトになった米子駅本屋.大きなガラスのモニュメントが印象的.実はこの画面の左には,銀河鉄道のようなモニュメントもあるのだが,その存在に気付かなかったというお粗末.
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右を見れば,かつての米子鉄道管理局庁舎が.実はこの建物を記録したくて,それで頭がいっぱいとなり,左を向くということに,気が回らなかった…….

一方,振り返って駅前を眺めるということには思いが至っていて,C5743 の第2動輪と松葉スポークの車輪が置かれている様子は,写真を撮った.なお,かつて保存されていたはずのD51 488は安来市内に移動している.(2024.07.05:追記しました)

米子鉄道管理局といえば,昭和40年代半ば,各地の機関車履歴簿閲覧に精を出していた僕には,思い出の庁舎.履歴簿は画面右に見えるビルの用地にあった倉庫に収められていた.C54の履歴簿を発見した時の嬉しさといえば…….福知山の庁舎では地下だったかの倉庫に残されていた,本州最後のC55たちの履歴簿も,調査している.誰に頼まれたわけでもない.“自分の趣味”であった.
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僕が通い詰めたころには,米子駅といえば北口しかなかった.今では南北が自由通路で結ばれている.その自由通路から西を見たのがこの風景.給炭塔や給水設備などは残っているはずもないが,画面右奥に転車台と扇形庫の端っこが見える.手前の線路のピットは,蒸機時代にはアシュピットだったかもしれない.

米子といえば,先週にもお話し,今月号の“とれいん”でのCoffee Cupでも記した通り,僕が初めて遠征した旅で,最初に降りた駅である.境線ホームではC11牽引の混合列車やキハ07を見て,機関区も訪問した.戦災復旧客車転用の救援車に相まみえたり,収穫の多い1時間だった.

この時が最初で,山陰本線から蒸機がなくなるまで,なんど通ったことだろう.山陰均一周遊券を駆使して,米子駅を出発する夜行列車に乗り,西は益田で,南は備後落合で折り返して早朝の米子駅やその周辺に戻ってきたものである.
 その時代,コンビニエンスストアなどという存在はなく,乗車前に駅前商店や駅の売店で菓子パンと牛乳を仕入れて一日の糧とするのが,常だった.

どんなパンや牛乳を買ったのか……,ある時に気が付いたのが,“白バラ”という名前.この牛乳が鳥取県を代表する“ブランド”であることを認識したのは,実は20年ほど前のことに過ぎない.
 そして何年か前,東京のコンビニエンスストアのスイーツ棚に“白バラ牛乳を使った……”を謳い文句とする商品を発見した時の驚きたるや.
 さらに,もっとびっくりさせられたのが,今から半年かそのぐらい前,自宅近所のスーパーマーケットで,大山の山麓に集う牛の上に描かれた日本海の波,そして“白バラ牛乳”の名前のパックを発見した時である.
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ということで,それ以来,我が家の冷蔵庫に“白バラ牛乳”が一定の割合で場所を占めることになったのである.
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米子の駅売店ではこんなものも見つけて,思わず買ってしまった.

閑話休題.
 米子の駅前に泊まった翌朝は早起きして“サンライズ出雲”や“West Express銀河”を撮り,出雲まで遠征して表紙に使ってもらった写真を撮影し,そして米子へ舞い戻り……訪ねたのは駅前からほど近い道笑町の公園“元町パティオ広場”に保存された客車.
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かつて米子駅の裏から出ていた日の丸自動車法勝寺線のフ50である.

いわゆる“マッチ箱”クラスの客車で,ここまで原形の面影をとどめている例は多くない.
 明治20/1887年の英国バーミンガム工場製とされ,元は大社宮島鉄道……壮大な名前である……のちの一畑電鉄立久恵線からやってきた車輛である.
 ちなみに今年は法勝寺線全通100周年だそうである.
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齢140の客車の台枠を,こんなに身近に自由に観察することができる.なんと幸せな環境だろうか.

法勝寺線車輛は,もう1輛保存されている.
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デハ203である.

南部町の“キナルなんぶ”敷地内に,立派な上屋で守られている.訪問した日は幸いにも車内を公開していて,運転台や客席も観察することができた.
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制御器は東洋電機製造のDB1.

この電車は大正11/1922年の日本車輌製で,発注主は駿遠電気(のちの静岡鉄道).池上電鉄(のちの東急電鉄の一部)を経て昭和6/1931年に伯耆の国へやってきた.廃車は,路線廃止と同じ昭和42/1967年のことである.
 平成23/2011年に鳥取県の保護文化財に指定され,解体整備を行なって平成26/2014年にそれまでの小学校校庭から現在地に移設されている.整備を担当したのは後藤工業株式会社……というと,どこ?だが,実は本社も事業所も,JR西日本の後藤総合車両所の中にある.といえばおわかりだろう.
 各地それぞれの智恵と工夫によって,鉄道の現在も未来も,そして過去も守られていることを再認識した半日であった.

※2024.07.05:C57動輪とD51の保存について追記

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