今週はじめのある日の帰宅時,なにげなく乗っていた電車の天井を見上げれば,なにやら流線形蒸気機関車にも見えるシルエットがポスターに描かれているのに気がついた.
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掲出されていたのは横浜高速鉄道のY500形Y512.

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ペンシルヴァニア鉄道のS1とか,ニューヨークセントラルのJ3aとか……


でも,よぉく見てみれば,機関車などであるはずもなく,REVLONというブランドのオードトワレの広告だったのだけれど…….振り返ってみれば
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ちゃんとルージュが登場する.

こうなればレーモンド・ローウィの名著(そして藤山愛一郎の名訳)として知られる,“口紅から機関車まで”を思い浮かべてしまうのは,汽車好きの定めというものだろう.

ちなみにこのREVLONというブランドは,1932年に米国で始まったものとのこと.ちゃんと“流線形時代”してるじゃないか.創業者はチャールズ・レブソン(Charles REVSON).1906年生まれだというから,1893年生まれのレイモンド・ローウィより13歳年下.でもまぁ,ほぼ同年代ではあろう.
 ブランド名のREVLONは,科学者チャールズ・ラックマン(LACHMAN)の名前からLを取って自分の名字に組み込んだもの.ネイルエネメルの開発に貢献した人なのだそうである.
 そして,僕が機関車と見誤ったブツは,オーデコロンの容器だった.

なぜ,このY500系Y512の中吊り広告が全部REVLONだったのかといえば,この車輛は西武池袋線内では飯能方先頭車であり,朝の混雑時には女性専用車に指定されるから,ということのようである.