平成29年,西暦2017年が始まった.みなさんはどのように年越しされただろうか.模型運転三昧だった方は,ぜひとも,とれいん誌吉例の“年越し運転”にご応募いただきたいと思う.
 僕はといえば,1年間の写真や原稿などのデータを整理しているうちにTVの画面は年越し風景を映しはじめ,終わった頃にはとっくに新しい年を迎えていた……毎度のこととはいえ.

夜が明けて“新年おめでとうございます”とともに食膳にはお節が並び,お屠蘇代わりの日本酒が.ことしは酉年ということで,それにちなんだ語呂合わせのような……と,歳末の一刻,酒屋の棚の前で悩んだ末に選んだのが,石川の純米酒“加賀鳶”.“鶴”が名前に含まれる酒は数多いのだけれど,ちょっと当たり前過ぎて…どのみち“酉”そのものはないだろうから,というわけ.酒蔵の名前は福光屋…ん?.加賀なのになぜ城端線の駅名が?…と思ったら,実は創業者が福光の出身で…ということらしい.歴史の始まりは寛永で,現在の屋号になったのは享和というから,かれこれ400年の歴史が……ということのようである.
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福光屋という屋号と金沢という所在地の組み合わせに違和感を覚えるというのは,汽車好きだけではないかと,我ながら苦笑してしまったことである.ちなみにこの蔵,現在は純米酒しか作っていないそうである.


昼からは初詣……ことしは築地の本願寺へ.特に意味はない.何年か前から,都内のお寺やお宮さんを順番に巡っていて,たまたま白羽の矢が立ったということ.強いていえば,関東大震災からの復旧に際して建立された,特異なインド風の本堂を久し振りに観察してみたくなった,ということだろうか
 その出掛けるおりに,ちらりと影を見たような気がしたのが,本日の本題.東急電鉄の5050系5177編成である.
 思い起こせば3年前の2月.折から降りしきる雪のために発生した,元住吉駅での追突事故のために東急電鉄5050系5155編成と横浜高速鉄道Y500系516編成がラインナップから外れたため,いつ,どのように補充されるのかが注目されていたものである.
 そして友人との新年お茶会(お酒,ではなく)のために出掛けることになっていた3日.ふと思いついて早めに家を出て,保谷の駅で待ち構えていたらどんぴしゃり.元日と同じ運用に,その新車が充当されていたのだった.
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保谷駅2番線に停車中の,飯能方先頭車が5177,元町中華街方先頭車が5877の編成.平成29/2017-1-3


一目ではこれまでの5050系と同じにみえるが,まず,スカートの形状が違っている.下辺が切り上げられてスノウプロウが新設されているのが外観で大きく異なる点.
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2番目は側窓下部に“TOKYU CORPORATION”のロゴが入れられたこと.これで思い出したのが,昨年のはじめにデビューした,5000系6扉車置き替え用の4扉中間車.では車内は?

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背摺りが高くなって一人分ずつ独立,独特の形状となった上に,端に近い二人分ずつには独立したヘッドレストが設けられている.5000系新造4扉サハと全く同じである.


ちなみに室内照明は直管タイプのLED(メーカー名は読み取ることができなかった).荷物棚は打ち抜き穴を開けた金属板.各扉鴨居部の情報表示装置はワイドタイプの液晶である.
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と,いうわけで1年前に撮影したサハ5520の車内.瓜二つとはこのようなことをいう.長津田検車区 平成28/2016-1-11

この編成,5分で折り返すから主制御装置などがどのようになったのかまでは観察するヒマはなかった.けれど,乗ってみての感想では,変調音がこれまでの5050系とは違っているように思われたのだけれど…….
 運転室の機器配置は,すぐに比較できる手元の写真では,5050系4000番代の4110編成“Shibuya Hikarie”と同じであるように思えた.
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そして事務所で年越しの仕事を片付けるため,降りた江古田駅近くの交叉点には,すっかり江古田名物であるらしい,材木屋さんの材木置き場に描かれたことしの干支,立派な酉が待っていてくれた.


さて,ことしはこれから,どんなできごとが僕の廻りに起こるのだろうか.興味津々,鉄道を中心として森羅万象を,皆さんとともに愉しんでゆきたいと思う.