昨年9月に落成し,11月から昼間の本線での試運転が始まっていた西武鉄道40000系
 有料列車として,横浜元町中華街と西武線内との直通運転を3月から開始と発表されてはいたものの,細目については“追って”とだけしかアナウンスされていなかった.
 それが去る10日,西武鉄道を主体として東京地下鉄東急電鉄横浜高速鉄道の4社連名で,ようやく運転時刻や区間,停車駅,料金まですべて公表されたのだった.営業運転開始日は3月25日の土曜日.
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列車の愛称は“S-TRAIN”.40000系を使った有料座席指定列車にのみ与えられる.写真:西武鉄道


“S”の意味づけは,さまざまなシーン(Scene),全席指定でゆったり快適に座れる座席(Seat)乗り換えのない直通列車(Seamless)なのだという.
 ロゴマークには,秩父の豊かな自然を表わしたグリーン,みなと横浜のさわやかな海を表わしたブルー,豊洲の都市の先進性・シャープさを表わしたグレーの3色を使い,“S”の字をシンボリックにデザインしたロゴマークとして表現したという.

ここで登場した地名は秩父と豊洲と横浜.それぞれをどのように結ぶのかといえば,土休日には西武秩父と元町・中華街を2往復半.平日には所沢と豊洲の間を3往復半の運転.
 土休日は朝一番7時1分に元町・中華街を出て西武秩父への列車と9時18分に飯能から元町・中華街を目指す列車が運転される.そして夕刻には元町・中華街16時55分発と西武秩父17時5分発の1本ずつ運転.さらに元町・中華街からは夜間19時55分発で所沢まで1本が運転される.半端だから回送が…と思うのは早合点.折り返しでロングシートにすれば,一般列車に充当することができるわけである.昼間も,同じように通常の列車として運転されるのだろう.
 一方,平日は朝6時24分に所沢を発車して豊洲に向かう列車があり,その後は15時18分,18時20分,21時20分発.豊洲からは17時,20時,23時発の3本が設定される.こちらも,昼間はロングシートで普通の列車として運転されることだろう.
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運転経路図.土休日には,実に運転距離が114キロに及ぶ直通列車が実現することになる(文字を読みやすくするため,いつもより大きく掲載しています.クリックして驚かれませんよう). 写真:西武鉄道


上の経路図を見て奇異に感じる方は少なくないだろう.それは記入された駅名.これ,すなわち停車駅であるわけだが,土休日では地下鉄への乗り入れなのに練馬にも小竹向原にも停まらない.平日では,なんと,池袋に停まらない.
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停車駅.土休日の横浜方面行きでは横浜高速鉄道線内が下車のみであり西武秩父方面行きでは乗車のみとなっているし,平日では豊洲方面行きの保谷と石神井公園が乗車のみで飯田橋と有楽町が降車のみ.所沢方面行きではその逆となっているのも注目(文字を読みやすくするため,いつもより大きく掲載しています.クリックして驚かれませんよう).写真:西武鉄道


いや,停まらないとはいっても,信号保安装置や乗務員交代の問題がある.ここの読者の皆さんなら“運転停車”だろうことは容易に想像されたことだろう.

そして指定席料金はといえば,最も安いのが,西武線内飯能と石神井公園間の300円.西武秩父から元町・中華街まで乗り通したならば,大人が1,060円.運賃は紙の切符で1,460円,ICカードで1,454円だから,合計2,520円または2,514円ということになる.ちなみにほぼ同じ距離である高崎と川崎の間の運賃は2,270円(カードは2,268円),グリーン料金は平日の事前購入で980円だから,まぁ,高いとはいえない.けれど,西武の特急レッドアローは西武秩父と池袋の間の特急料金が700円であり,S-TRAINが710円というのは…….この列車の設定趣旨からいえば,自社線内のみの乗車ではなく,直通区間相互でご利用いただければ……ということなのだろう.

平日の所沢-豊洲間は,乗車区間にかかわらず一律510円に設置された.小田急と東京地下鉄との間で運転されている,いわゆる“メトロ・ロマンスカー”は,北千住と町田の間が約47キロで運賃580円(577円),特急料金が620円.ちなみに所沢と豊洲の間は約38キロで運賃が580円(577円).
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正面窓上に“S-TRAIN”を表示した40000系電車.お披露目が待ち遠しい.写真:西武鉄道