既に“イベント・グッズ情報室”で紹介済みの書籍ですが,周囲から「もっと広めてもいいんじゃないか?」との意見をいただいたので,こちらで詳述することにしました.4月28日から発売されたばかりの“新刊”です.
北海道の釧路市立博物館では,創立80周年を記念して,この本と同名の企画展を昨年10月から今年の1月まで開催しており,その内容を纏めたもので,いわゆる“図録”なんですが,一般的に想像されるような,例えて言えば映画のパンフのような薄い冊子とは異なり,立派な研究書と言える内容なんですな,これが.何せ136ページというボリューム!
簡易軌道の本と言えば,弊社刊“簡易軌道見聞録”や,モデルワーゲン刊“簡易軌道写真帖”くらいしか纏まった資料がなく,いずれも絶版となって久しいことから,もうこのカテゴリーの本は出ないのではないかと思っていました.しかし,その後も地元では地道な調査や研究が続けられていたようで,現在まで残された記録や資料をすべて収めた“集大成”と言ってよい内容だと思います.写真や図版も豊富で,地の利があるとは言え,廃止からおおよそ50年後に,これだけのものを集められた努力には頭が下がる想いです.僕自身,久々に「すごい!」と思える本を見つけたという感動がありましたね.いや,大袈裟でなく.
ゲスト執筆陣もこの道の第一人者である湯口徹さんをはじめ,著名な方々ばかり.それに加えて,簡易軌道に実際に関わった地元の方々の思い出が集められているのは,さすがご当地ならではと言えるでしょう.
これだけの内容でありながら,価格は何と750円(税込)!何だかあまりに申し訳ない気がして,自腹で2冊買いました(笑)
通信販売については,定額小為替のみの受付だったり,いろいろと取り決めがありますので,“イベント・グッズ情報室”から釧路市立博物館のリンクに飛んでいただき,そちらで内容をじっくりご確認ください.それにしても,釧路まで行かなくても購入できるのは有難い限り.ナロー好きに限らず,鉄道史に興味のある方や,小型車輛が好きな方など,万人にお薦めしたい本です!今なら自走客車のペーパークラフトも付いてますよ!(笑)
(追記)企画展については巡回展示中で,もうほとんどが終了してしまいましたが,最後の会場である“標茶町図書館”で,6月11日まで開催されています.そこでは5月28日に講演会も行われます.また,来冬にはNHK釧路放送局との共催で続編を実施する予定があるそうです.