今週の月曜日朝.撮影取材の予定があって目的地へ向かっていたのだけれど,なんとなく虫の知らせというか,地下鉄駅のホームでパソコンを公衆無線LANに繋げてみたら,[本日は中止]の連絡が.
 ガッカリして会社へ舞い戻って,どんどん降り積もる雪を横目でにらみながらデスクワークに勤しんだわけだけれど,頭の中では取材と編集作業のスケジュールをどのように再構築すればよいのか…悩んでも詮のないことと知りつつも,いろんなことが渦巻いていた.とはいえ,心の中のどこかでは[あしたの朝はよい雪景色が撮れるかも…]などと,輸送関係に携わる人からは蹴飛ばされそうなことを考えていたのも,事実である.

そして翌朝.
天気のよい日には秩父の山並みが美しく見える富士見台駅の所沢方に立った僕の肩を後ろからたたく人が.振り返ってみれば地元在住のNさん.“好きですねぇ”とはご挨拶.そりゃあ,この趣味を持つ人の性(さが)というものではないか.
 このブログでも何度か東京近辺の雪景色をお伝えしているが,前回はいつ?と思ったら一昨年11月24日.11月の降雪が57年ぶりどころか記録史上初の積雪の今日の東京だった
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空気中の水蒸気の加減だろうか,残念ながら山が見えなかったので,線路上の雪を蹴散らしながらコーナーを回り込んでゆく電車を切り取ってみた.やはりかっこいいの一言.


続いて練馬に場所を移し,地下鉄乗り入れ列車を含めて待ち構えてみることにする.
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ビルの合間から差し込む朝日に一瞬輝く40000系第4編成.

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“副都心線方面への直通列車が少なくなっておりますので,小竹向原までご乗車の上お乗り換えくださいますよう…”などというアナウンスが構内に響く中,急行線をやってきた東京地下鉄10000系電車.地下鉄乗り入れ線に入るかと思ったらそのまま直進して池袋行きホームへ…….西武練馬駅の線路配置をご存じの方なら,ひと目でイレギュラーな風景であることを理解していただけるだろう.


この池袋行き地下鉄10000系.第33編成で運行番号は87S,列車は“快速”であった.

続いては事務所のある江古田へ移動.池袋方のカーブから,雪を身にまとった電車の正面をアップで…という狙い.
 しかし待ち構えているときに限って目の前に現われる電車は,丁寧に雪が落とされた編成ばかり.撮影者としてはステップや屋根回りにどっさりと雪を積んだ姿がよいのだけれど…….本気でそれを写したいのならもっと早起きしなさい.というご意見には,ただただごもっともではある.
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ようやくやってきたのが,2072を先頭とする池袋行き.スカートや連結器,そして屋根上に残る雪が“都会地の雪景色”という風情であった.


これをもって,朝の小カメラハイクはおしまい.
午後の外出では都心部の雪を…と思ったのだけれど,やはり郊外より気温が高いのかほかの理由なのか,地面に雪はほとんど残っていなくて,辛うじて見つけたのが,こんな風景…….
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中央本線の神田と四ッ谷の間というか,飯田橋と市ヶ谷の間のお壕端.春には桜と電車の写真撮影でにぎわう辺り.法政大学敷地と線路との間の斜面に僅かに残る雪を半逆光で光らせて…と目論んだ.


用事を済ませて日暮れ直前の練馬駅に戻ってきたら,こちらはまだたっぷりと雪が残っている.車内照明に照らされる雪を……
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と,思っていたら,駅の放送は“新木場行”なのに,やってきたのは東急5050系4000番代.こういうことも,あるんだなぁと.とっさのことだったのでちょっと(かなり?)フレーミングが.電柱にも少し引っかかってしまったし.


編成は5050系4000番代第8編成.運行番号は53S.
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シャッタースピード1/400秒,絞りはf3.5,感度はISO 22,800…….こんな風景がお手軽に撮れるなんて,一昔前までは夢に過ぎなかった.

デジタルカメラならではの表現は,これからもますます進化しそう.いや,その前に“デジタル”というものをもっと理解して,相応の写真撮りができるよう,精進せねばとも思った,雪の一日であった.