2週間ぶりに…8月に入ってから初めて…山手線の東側へ出かけることができた.所用を済ませてJR東日本の御茶ノ水駅へ戻ったところで,この駅の改良工事がどのぐらい進んだのか,ちょっと観察してみた.
 この界隈のことは,これまでも折りに触れてご紹介しているけれど,駅そのものについては,2016年6月30日のここが,もっとも新しいようである.
 最初は駅の東側に架かる聖橋の上から観察.2年前には聖橋そのものの,“聖橋長寿命化工事”という補強工事も実施中で,高い壁にはばまれて駅を自由に見下ろすことができなくなっていたが,それは終了しており,真新しい欄干から,神田川と御茶ノ水駅を眺めることができた.
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ホームのほぼ中央には大きな構造物が出来あがっていた.これを人工地盤として,新しい駅舎が構築されるわけである.

ひとしきり周囲の様子を観察してから西側へ回り,今度は御茶ノ水橋から東を望む.
 仮設桟橋の上の工事現場事務所は増築され,人工地盤との間には橋が架けられた.
 その人工地盤の上には鉄骨が組まれはじめていて,間もなく新しい駅舎のシルエットが姿を見せるだろうことを感じさせてくれる.
“石積みだった法面には,いかにも頑丈なコンクリート枠で覆われた.この周辺は風致地区に指定されているので,完成時には景観に配慮した仕上げが施されることになっているようだが,どのようになるのだろうか.”と記したその法面には草が植えられて,コンクリート枠はその影に隠されていた.
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お茶の水橋上から見た駅全体.手前の法面は草で覆われていて自然な景観を取り戻した.遥か向こうには美しくなった聖橋が垣間見える.

そして,お茶の水橋の西側から水道橋方面はどうなったか…….
 こちらの風景は2014年1月2日のここでお目に掛けた.神田明神へ初詣の通りすがりである.
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3年半前には既に擁壁の工事はほぼ終わっていて,工事事務所への通路が“残る”だけだったのだけれど,今もその風景は,ほとんど変わっていなかった.向こうの土手には草が植えられて緑を取り戻していたけれど.折りしも向こうの線路を行くのは,まもなくE353系に置き替えられることが決まっているE257系.

この頃には,日射しが残るのは遠く水道橋近くのカーブの向こうだけになっていた.やっぱり東京は,日が傾くのが早い.
 夕方のラッシュ時間帯に突入して,電車の間隔が短くなってきた.複々線の全部の線路に電車が並ぶ風景を見ることができないだろうかと,さらに少し待ってみることにしたところ,3編成並びは,すぐに見ることができた.
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緩行線2編成と快速電車1本の,3編成並び.あと1本,なのだけれど,これが難しい.カメラを持っていない時に限って,というのは写真撮影に際しての“お約束”である.

タイミングを待っているうちにやってきた緩行線のE231系500番代A540編成.7号車(千葉方から7輛目)のサハE231-540は床下に線路設備モニタリング装置を搭載した編成である.
 この初夏から7月末までの間,追い求めていた編成のひとつなのだけれど,狙っていない時にはなかなか姿を見せず,締切が過ぎたら,こうやってひょこっと現われる.これも“お約束”といえるだろう.その成果は,8月21日発売のとれいん9月号でたっぷりとお楽しみいただきたいと思う.
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信号機の柱の右が軌道材料モニタリング装置.左は機器箱.台車の前後に軌道変位モニタリング装置(慣性正矢軌道変位測定装置)がある.非常用ドアコックの下あたりに見える白い円筒形の部品が地点検出装置の車上子(JR東日本ではデータデポと呼んでいる)である.

この装置の趣味的な魅力は,装置箱の形態や取り付け方法だけではなく,赤や白の光を放ちながら走るところにある.この角度からは見ることはできないが,誌面には何枚も掲載しているので,ご期待いただきたい.
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そろそろ引き上げようかと思っていたところに登場したのが,快速線のE233系T39編成.前照燈を森尾電機製LEDに取り替えた編成である.京浜東北線ではほぼ交換を終えたが,中央快速線やその他の線区ではまだそれほど普及していない.

ということで,車輛も風景も楽しむことができる,御茶ノ水なのであった.工事は,2016年の記事では“この改良工事,バリアフリー化は平成30年度までに終了.人工地盤など駅舎改良は平成32年度までに完成の予定と公表されていたが,現地での表示では1年遅れの平成33年度となっている.”と記している.中央快速12輛編成化実施のずれ込みなども関連して,実際にはどうなるだろう.
 その経過は,これからも楽しみながら見守ってゆきたいと思っている.

※2018.08.19:リンク追加