昨日,ようやく,久し振りに山手線の外側へ出掛けることができた(西武線だって外側だろうといわれるだろうが,それはそれ.“日常的には出掛けないエリア”という意味である).
 出掛けた先は,最初が渋谷,続いて京王堀之内だった.
 井の頭線から京王線への乗り換えで橋本行きの準特急を待っていたら,新宿方から近づいてくる電車のヘッドライトの色が普通じゃない.“これは!”と思ってカメラのレンズを望遠にして覗いてみたら,“新5000系!”であった.
 この電車,ちょうど1年前,2017年9月号(通巻513号)のMODELERS FILEで採りあげた.
 屋根上と側面写真を撮るために出掛けたら大雨に遭遇して一時はどうなることかと思った.一方,昨年7月27日付けのここでお伝えした若葉台車両基地での報道公開は快晴下で,真新しいステンレス鋼車体に梅雨の合間の強い太陽が反射して,写り込みの処理に苦労するという,両極端な取材だった.でも,それもこれも,もうみんな,今はもう,よき思い出である.
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オリジナルデザインのLEDヘッドライトを輝かせながらやってきたのは橋本行きの快速.第4編成だった.明大前

途中で準特急に抜かれることは判っていたものの,思わず乗り込んだ新5000系は適度に空いていて,車内徘徊にはうってつけだった.
 徘徊とはいっても,客室も運転室も,見ためのことは報道公開の時に観察してはいるわけで,なにか特段の変化を見つけるのが目的ではない.
 ロング・クロス変換シートのロングシート状態では,普通のお客さんはどのような座り方をするのか.戸袋や幕板などに広告が入った状態での客室の雰囲気はどうなのか.
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“適度に空いて”とはいうものの,客室全体の撮影は難しい.写真は下高井戸停車中に撮影した優先席付近の様子.2枚並んだ液晶画面のうちの1面は,広告だけではなくNHKのニュースも放映していた.

客室の静かさや乗り心地,加減速の具合などは未体験である.だから,座り心地と乗り心地を,何ヵ所か移動しながら確かめ…ているうちに八幡山到着.準特急待避中に運転室の模様も観察し,発車後はスピードメーターの上がり具合を楽しむことにした.
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千歳烏山の手前で9000系とすれ違った.その先にはこちらへ向かってくる8000系の姿がある.僕が乗っている列車の前にも8000系が1本! 興奮のあまりちょっと手振れしてしまったではないか.

列車間隔を切り詰めた運転は,関東では京急が有名だけれど,京王線も負けず劣らず過密であることを再認識してしまった.
 相模原線に入ってからは駅間距離が長くなるから,最高速度も高くなる.京王線内でも時速104キロまでは記録したけれど,京王永山と多摩センターの間では,107キロに達した!
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107キロに達した瞬間.またもや手振れしてしまった.速度計の周りの緑色の三角形で停止までのパターンを示す.実際,すぐにノッチオフで多摩センターへの停車体制に入った.左の線路は小田急多摩線.ここで小田急電車と併走すれば,なにもいうことはないのだが.世の中そうはうまく行くわけがない.

ちなみに現在の京王電鉄線に地上信号機は存在しない.他社に先駆けて2013年には全面的なATC化を完成して,信号機は車上信号に切り替えられているのだ.
 在来車ではアナログメーターの外周に速度パターンを表示し,下方に赤と青を現示する.新5000系ではこれが一段進んで,すべてが液晶画面に表示されるのだ.
 ちなみに制限速度は,京王線の新宿と調布の間が時速105キロ,調布と京王八王子,そして相模原線が時速110キロとされている.
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多摩センターで降りる人が多く,ようやく客室を見通すことができた.広告ポスター類が入っても落ち着いた雰囲気を保っているのが判るだろう.

そうして到着した京王堀之内.約束の時刻までには少し余裕があったので,駅のホームでトレインスポッティング.
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最初に姿を見せたのは東京都交通局の10-530編成.3年前に落成した5次車である.厳密にはこれより新しい6次車があるが,外観的には最新モードといってよいだろう.
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続いてやってきたのが8707編成による準特急新宿行き.2016年に中間運転台を撤去して完全10輛固定化した編成である.編成途中で色の異なる箇所が,新たに設けられた客室部分である.

というところで時間切れ.次はいつ,出掛けることができるだろうか…….と思いつつ,記録を整理していたら,なんと! インターネット上での情報によれば,今月号のMODELERS FILEで採り上げた,線路設備モニタリング装置が8707編成の中間付随車に設備されているというのだ.ならばそのつもりで見るのだった.と,いうことで,京王線沿線に通う“口実”ができたことである.
 モニタリング装置ではないというご指摘もいただいた.いずれにしても確かめなくちゃではある(2018.08.31追記).