新年早々の1月8日,本誌1月号の“甲種・特大運行情報”でお伝えした通り,静岡鉄道A3000形第5,第6編成が総合車両製作所から富士まで甲種輸送され,その後はトレーラーで同鉄道の長沼車庫へと搬入された.
 1月14日には,長沼車庫でお披露目のイベントが開催され,朝から既存編成とともにずらりと並べられた.
今回の2編成は,昨年末に発表されている通り,1本(第5編成)がエレガントブルー(Elegant Blue)にラッピング,第6編成は静岡鉄道創立100周年記念ラッピングとして落成している.
A3005.A3006
イベント当日の昼,顔をそろえた第5編成(右)と第6編成(左).写真:静岡鉄道

静岡鉄道といえば,昭和49/1974年の正月に,大阪の家から東京へ戻る際,途中下車して半日,沿線で撮影に勤しんだことがある.前年に一挙5編成が登場した東急車輛製のステンレス車1000形と,その前の世代の100形や300形を見たかったから.01-0116a
手前に茶畑が拡がるこの場所はどのあたりだろうか.一昨年,久し振りに沿線をカメラハイクした際に探してみたのだけれど,見当がつかなかった.ネガの前後関係から草薙と狐ヶ崎の間ではないかとは思うのだが.昭和49/1974-1-4

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この時点ではまだまだ主力の一員だった300形.隣りに東海道本線の線路が並行している,狐ヶ崎の西方である.

両運転台の100形と片運転台(違いはそれだけではないが)の300形は,のちに熊本電鉄や日立電鉄,福井鉄道へ譲渡されて現地で再会することになるのだが,その時点では漠然と“どこかへ譲渡されたらいいのになぁ”と思っただけであった.
 “その時点では”といえば,静岡在住で最終期の駿遠線で写真撮影や資料集めに熱を上げていた,そして18年前に早世してしまったTとは,まだ知り合いですらなかった.互いに朋友と呼ぶことができる仲となる邂逅は,この撮影から間もなくのことである.

閑話休題.次にお目にかけるのは,イベントの翌日,早速に送っていただいた写真である.
お披露目イベントA3000
それそれの色を少しずつ見せながらの横顔勢揃い写真.壮観である.写真:静岡鉄道
A3006

100周年記念ラッピングの第6編成側面.写真:静岡鉄道

新しい者が出ずれば,古き者が消えてゆくのは世の定め.今回の2編成は3月9日から営業運転を開始すると発表された.入れちがいに廃車となるのは第5編成と第7編成とのころ.前者は2月17日限り,降車は3月9日限りで引退と発表されている.
1005号(2月17日引退)
第1次車グループのラストである第5編成は2月17日限りで引退する.写真:静岡鉄道
1007号(3月9日引退)
昭和51/1976年製の第7編成は3月9日限りで引退する予定.写真:静岡鉄道

意欲的なプロジェクトである今回のA3000形投入.来年度に第7,第8の2編成が登場すれば,いよいよレインボーカラーが全部揃うことになる…のだろうか.それとも1編成は別のラッピングとなって,7色になるのは最終年度?
 いずれにしても,楽しみなことである.