先週の金曜日,5月24日の午後に,JR東日本豊田車両センターでE233系電車の報道公開があった.なんでいまさら?とお思いの皆さん,昨年…2018年4月5日付のここを思い出して欲しい.タイトルは“中央快速電車2階建グリーン車組み込み計画具体化”.
 その中に,
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現状の10輛編成に2輛の2階建グリーン車を組み込んで12輛編成として運転するという骨子は変らない.付け加えられたのは次の通り.
 まず隣接する6号車(モハE233-201~)に車椅子対応トイレを新設するということ.2番目が,グリーン車の側扉を1,300mm幅の両開きとすること.
 最初から決まっていたのだろが,今回の発表で明らかとなったのが,2輛のグリーン車のうち4号車にトイレを設けること.こちらには“車椅子対応”とは記されていない.
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という一節がある.ここでいう“6号車”とは,グリーン車を4,5号車として組み込んだ状態での号車だから,現在の10輛編成の状態では4号車ということになる.だから,喪はE233-201~ということになるわけだ.分割編成でも同じ位置にモハE233-200番代が組み込まれているから,同様の改造で済むはずだし.かつてトイレを装備するのは,概ね付随車と相場が決まっていた.汚物処理装置のほかに大きな水タンクを用意する必要があるから,艤装スペースに余裕がある付随車へ取り付け,というのは,自然な成り行きだった.けれど現在では真空吸引式トイレか開発され,水の使用量が少なくて済むから,例えば房総地区の209系でも,中間電動車にトイレを新設している.

で,当日,豊田へ出向いてみたら,トイレを取り付けたのはサハであるというではないか.報道公開のために留置線に用意されたのは最初に改造を終えたT37編成.
形式と番号は東京方から.号車番号は東京方が1号車である.

クハE233-37-モハE233-37-モハE232-37-サハE233-537-モハE233-237-モハE232-237-サハE233-37-モハE233-437-モハE232-437-クハE232-37

まったく改番は行なわれていない.けれど,これまでの6号車が4号車へ移動して,その分,4,5号車が5,6号車へ移動した…….
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高尾・大月方から見たT37編成.
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続いてはトイレを新設したサハE233-537.新しい4号車である.窓の塞ぎ方は,209系のトイレ取り付けと同様の手法である.ステンレス車の場合,これしか方法がないのだろう.

さて,編成全体を改めて観察していたら,床下に真新しい機器を取り付けている車輛に気付いた.モハE232-237である.
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その真新しい機器は補助電源装置だった.銘板を読むと東芝製のSC86.製造は2016年となっているから,新品ではなく予備品を活用したものだろうが,箱の塗装からは新品にしかみえない.

質問してみると,グリーン車を組み込んだ時に補助電源の供給量が足りなくなるから増設したのだそうだ.編成の組み替えを伴うのは,SC86の供給能力を,うまく分散させるため,なのだそうである.そして,補助電源装置を積むことによって自重が増したため,台車を軸バネの硬いDT71Bに取り替えている.外観的には変らないのだが.

もうひとつの疑問,それは,分割編成にはサハがないわけで,それはどうするのか…….答えは…分割編成の6輛側には既に補助電源装置を2基取り付けているので増設の必要がなく,従って編成の組み替えも行なわないで済む.だから電動車モハE233-200番代に取り付ける.

思いの外,大掛かりな工事になっているようだ.だから投入ペースを早くすることができず,最終的には2022年まで要することになるのだそうだ.
 トイレも,せっかく取り付けたものの,供用開始はしばらくあと……来年春頃になる予定だそうだ.まぁ,たった1編成では,お客さんに案内することもできないわけだが.
 そうだ,もうひとつ.E233系の中間連結器は半永久棒連結器なのだが,グリーン車の組み込みに備えて,3号車と4号車の間は密連に取り替えているとのことである.
 今回の編成の改造担当は東京総合車両センター.今後,長野総合車両センターでも担当することになる.
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肝心のトイレをお目にかけなくては.最近のトイレは大型車椅子に対応するため,床に占める面積が広い.だから通路は片側に大きく寄せられている.また,側扉のすぐそばまで仕切かベガ迫っている.

さて,編成そのものは5月27日に営業運転を開始した.ちょうど朝から出掛ける用事があったので,約束の時刻よりも早く家を出て,新宿で待ち構えてみることにした
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東京行きのホームに上がってみたら,なんだか雰囲気の異なる電車が停まっていた.常磐線から転用された209系1000番代である.このトイレ新設とグリーン車組み込み工事のために入場期間が長くなるのを補うため,2編成が豊田車両センターへ移動していた.いずれ見てみたいと思っていたのだが,運用が限られているらしく,この日が初見参であった.

ほんの少しあとには,もう1本の編成もやってきて,あっという間に2編成とも目撃できたのは幸運であった.
 そして幸運はまだ続いた.
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130周年記念ラッピングのT24編成がやってきた.正面は丸いへッドサインがついただけだが,側面を見るとオレンジ一色.車号も国鉄書体を使うという凝りようであった.

ここまで幸運が続くと…と期待したら…!
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豊田車両センターとは逆側の先頭車.とはいってもなんら違っているわけではないが.で,床下を見ていると,こちら側にも真新しい箱がいくつか見えた.なんだろう……

それは,事務所に戻ってから調べてみたら,電動空気圧縮機であった.今回の工事に際して手入れされたのだと思われる.

ちなみに,グリーン車の組み込み完了は2024年春の予定とのことだが,最初の2輛がお目見えするのは,さて,いつのことだろう.待ち遠しい…….