2年に一度,千葉の幕張メッセで開催される鉄道技術展.主催はフジサンケイ ビジネスアイ(日本工業新聞社).第6回目となる昨日11月27日から,明日11月29日まで開催されている.
 昨日は事務所での仕事があったので,二日目の今朝早く,京葉線に乗って会場入りした.
出展社数は鉄道技術展が535社・団体.併催の橋梁・トンネル技術展は70社・団体となっている.EU諸国からも45社の参加があり,ますます国際色が豊かとなった.
 ホール5からホール8までの展示場に展開する,500を超す展示を一日でじっくり巡るのは,なかなか難しい.けれど,われわれに関係の深そうな展示を,できるだけたくさん回った結果の,ダイジェストが,本日のブログである.

なお,掲載した写真は,すべて報道用として撮影したものです.会場内は原則として写真撮影禁止となっています.

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最初に目に入ったのがGKデザイングループの展示.大きなスペースを占めていたのが豪華な真っ白のシート.画面右端に写っているイラストでお判りのとおり,近鉄80000形“ひのとり”のプレミアムシートのモックアップである.

GKデザインでは“ひのとり”のほか,宇都宮ライトレールの電車や瀬戸内海フェリーの船なども展示していた.

続いてはスイスの保線車輛メーカーであるマティサ.最新型のマルチプルタイタンパーのセールスが展開されていたが,その一角には模型が展示されていた.
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スケールはどのぐらいだろうか.すばらしい仕上がりなのだが,興味をもってみていたら,“製作者は私です”と登場したのは,なんと日本支社の社長であるピーター キムさんだった.身近な材料を駆使して製作した,ペーパークラフトなのだそうである.

保線車輛で忘れてはいけないのが,世界の市場をほぼ二分している,オーストリアのプラッサー&トイラー社.古くから事務所を置いていたこともあって,日本では馴染み深い存在である.
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こちらにも模型が!しかも走っている.グリーンマックスの製品を活用して製作したデモンストレーション用レイアウトである.それにしてもたくさんのマルタイが昼間の風景を走るというのは,実に新鮮な光景だった.

続いては住友金属改め新日鐵住金改め日本製鉄(にっぽんせいてつ)のブース.車輪や台車の基本的な説明があって,改めてその構造を勉強することができた.
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3Dプリンターで製作された台車のモデル.写真はボルスタつき台車.実物ではなかなか見ることができない角度から構造を観察できた.
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工進精工所のブースには,青く塗られた開発途上のパンタグラフKP9990が展示されていた.このパンタグラフの上昇下降機構には金属ばねがない.
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東京地下鉄では車輛だけではなく施設や工務など各分野の展示が行なわれていたが,目を惹いたのはやっぱり模型.写真は丸ノ内線での実用化が決まって工事進行中のCBTC(無線式閉塞システム)の概念を示すレイアウト.

コイト電工ではセレクトカラーLEDの原理を教えていただき,東洋電機製造では新型の全閉内扇式主電動機(本誌12月号のMODELERS FILEでご紹介した京成電鉄3100形用だった)を解説していただき…気がついたらもう制限時刻が近づいていた.

この鉄道技術展.趣味人対象の催しではないが,来場資格に制限はない.入場料は2,000円で,ウェブで事前登録すれば無料となる.

ちなみに2年前の第5回の模様はここ,4年前の第4回の様子はここで紹介している.

※2019.11.29:一部語句修正