明治神宮参拝の玄関口であり,正月には神宮の境内に接して臨時改札が設けられ,構内の北側には宮廷専用ホームがあり…….
 東京23区内のJR東日本では最古の木造建築となった駅本屋のある駅というだけではなく,数多くの特徴を備えた駅,それが山手線原宿駅.このブログのテーマとしても,しばしば採り上げてきた.
 例えば2013年1月10日づけの“もうひとつのお正月風景 原宿駅”,あるいは2018年12月20日づけの“E235系が増殖した山手線 そして渋谷と原宿の工事の様子”など…….
 その原宿駅では今,3月21日から使いはじめることができるよう,新しい駅本屋の仕上げ作業が真っ盛りである.
 2013年のお正月風景としてご紹介した臨時ホームは,今年の正月には既に影も形もなく,新ホームがこれまでの跨線橋と臨時改札を結ぶ通路として使われているに過ぎなかった.臨時改札は,出口専用として立派に役目を果していた.
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出口専用として使われていた臨時改札.参道は参拝を終えた人が出口に向かう一方通行なので,電車に乗る人は神宮橋までぐるっと回ることになる.
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通常のホームから見た臨時ホーム…は跡形もなく,新しいホームがほぼ完成状態で,ホームドアの設置を待つばかりとなっていた.画面左端が臨時改札口.右奥へ進むと階段を降りて竹下口から出場できるようにもなっていた.
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そして1月29日昼前の駅前風景.奥がお馴染みの駅本屋,手前が新しい2階建の建物である.

この1月29日には,JR東日本による工事風景の報道公開が行なわれたのだった.内装はまさに仕上げの真っ盛り.
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新旧ホームを電車と絡めて撮影しようと待ち構えていたら,なんと,E235系の第50編成がやってきた!

駅の建物内は,1階が改札口と2ヶ所の出入口,そして改札外にコンビニエンスストアが設けられることになっている.2階にはカフェテリアが開店する予定とのことである.
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駅設備でちょっと感心したのはこのトイレ.2ヵ所とも多機能トイレとされているのだが,なぜ2ヵ所なのかといえば,左に障碍のある人も,右に障碍のある人も,どちらも問題なく使うことができるように配慮した,とのこと.少なくとも僕はこのような設備を,これまでに見たことがない.
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ガラス張りの建物からは,周囲の風景を一望できる.現在の駅本屋と跨線橋と山手線電車……と狙っていたら,渋谷方から相模鉄道の12000系が姿を見せ,太陽の光を思いっきりガラスに反射させて新宿へと去っていった.画面2ヵ所が少し滲んで見えるのはこの日の早朝まで降っていた雨の滴である
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建物内の通路からは,現在の古レール製跨線橋の骨組みも観察することができる.間近,というにはちょっと遠いけれど,開業したら,この跨線橋が撤去されるまでの間に,窓ガラスの反射などが少ない時間帯にじっくりと望遠レンズで銘を…と思っているのだけれど,さて読み取ることができるだろうか.

撤去といえば,現在の駅本屋は,残念ながら撤去される予定である.同じ外観の建物を,耐火基準を満たした材料を使って,新しい本屋に隣接して建設することになっているという.

2016年6月5日に発表されてから4年の歳月を経て,完成に向かいつつあるこのプロジェクト.新しい原宿駅がどのように仕上がってゆくのか,これからも観察を続けてゆきたい.