先週のここでは,西武鉄道池袋線にデビューしたばかりの40000系ロングシート車をご紹介した.今週は一転して,ダイヤ改正によって消え行くスターたちのことをお話してみようと思う.

最初はNRAこと10000系電車.1994 年に二代目の“レッドアロー”としてデビューしてから,気がつけば26 年を経過していた.
 昨年の春に新型車Laviewこと001系走りはじめた時から…というより,その構想が発表された時点で命運は定まっていたわけだけれど,その日が近づいてみると,やはり感慨というか,“そうなんだよなぁ”という気持ちが湧いてくる.
 その感を強くさせられたのが,2月24日にスタートした第10編成(10110編成)への,ラッピングによるヘッドマーク掲出だった.
 その当日か翌日には目撃してはいたものの,撮影できるタイミングは得られなかった,40000系取材のときにも40000系の横を池袋目指して爆走している姿は見たものの,そちらにカメラを向ける余裕はなかった.
 帰り道,ちょっと遠回りして折り返しの西武秩父行きを車庫の脇で捉えたのが,最初にお目にかける写真である.
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小手指の車庫裏踏切で,“とりあえず”撮影した10000系第10編成.

その次は,翌々日の土曜日午後.買物のために江古田の駅前まで出かけたら,踏切で池袋行きとして走っているのに遭遇した.そこで帰り道に再び踏切に立ち寄って捉えたのが,2枚目の写真である.DSCN1337
レッドアロー・クラシックとノーマルのレッドアローが向い合わせに描かれたデザインは,僕好きだ.

この日の夕方には,別の“あること”に気づいた.
 それは,4000系が池袋に来なくなること.
“52席の至福”は引き続いて運転されるわけだけれど,普通の切符で乗車できる列車としては,この3月13日でおしまいとなるのだ.いや,それはもちろん,3月号の“いちぶんのいち情報室”でもお伝えした通り,ダイヤ改正の概要が発表された時点で判明していたことではある.
 その最後の記録を撮るためには,毎日走っている10000系と違って,週末にしかチャンスがない,ということは,あと3回だ!ということ.
 だから帰宅時に江古田駅を通過する姿を捉えようとして,もう一度同じ場所に出向いたのだけれど,なんと!まごまごしているうちに,池袋行きの時刻が過ぎてしまった!
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そこで悔し紛れに,飯能までの回送を,日が暮れきった中で撮影してみたのが,この写真.車輛番号は3021と4023のように,思ったのだが,外れているかもしれない.

そして日曜日の夕方には,早めに石神井公園へと出向いた.みんな同じことを考えるようで,2人の同好の士がホーム端におられた.“同じこと”というのは,対向列車と重ならない場所はどこだろう?ということ.
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この日は池袋方の4輛が補助電源装置をSIVに,電動空気圧縮機をスクロール式に換装した4013,所沢方が4007だった.この写真からは判別できないが.

ちなみに4013は通風器をすべて撤去しているが,4007にはほとんど残っている,はずである.とれいん誌の西武鉄道特集(2017年1月号 通巻505号)でのMODELERS FILE作成に際して調査してから変化していなければ.

池袋への乗り入れがなくなるということは,所要数が減るわけで,これまで全車健在だった4000系に,もしかしたら変化が出てくるかもしれない.

10000系も池袋線用の7編成分は減るけれど,新宿線では引き続いて“小江戸”として使われるから,全廃されることはない.まだまだ,けれん味のないデザインの10000系を楽しむことができるわけである.ちょっと安心.