常日ごろ見慣れている情景を記録し続けるというのは,とてつもなくエネルギーを消費する行動である.
 なにか新しい変化があれば気がつくけれど,その直前というのは第六感の助けを借りなければ,捉まえることが難しい.毎日きちんと観察し続けることができれば完璧である,完璧なのだけれど,それができるかといわれれば,一人では,無理.である.でも,そんなにエネルギーを要して難しい行動も,趣味となれば,なんらの苦痛も感じない.

 なんだかなんだかわからない問答のようになってしまったけれど,それは今日,外出の帰り道で実感したことである.それは,東急電鉄5177編成の床下に取り付けられている慣性軌道検測装置のこと.
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用事を済ませて帰りの電車を待っていたところに現われたのがこの電車.西武2091ではない,東急5177である.

東急電鉄5177編成といえば,中間のサハ5577に取り付けられた慣性軌道検測装置である.
 折りしも石神井公園止まりの列車だったものだから,客扱いを終えて引き上げるのを待ってパチリ!としたのが,下にお目にかける写真である.
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白い円筒形の部品が,検測装置装着の証である.これを撮影していたら,乗ろうと思っていた準急は発車してしまった…で,2091編成の客となった次第.

東急電鉄のほかの路線の車輛へと取りつけが拡大するのかと思っていたのだけれど,一向にその気配がない.なんらかの試験的採用ならば,もう3年を経過していることもあり,いつのまにやら撤去される可能性もある.けれど,なかなか遭遇できない.西武線にやってくるタイミングと僕の行動が一致しなくちゃならないのだから.しかも複々線区間はみんな島式ホームだから対向ホームから……ともいかないのである.
 でもまぁ,今日は“まだ撤去されていない”ことが判明しただけでもよしとしなくちゃである.
 ちなみに白い円筒形の部品はデータデポである.JR北海道のマヤ34やJR東日本で多数採用されている線路設備モニタリング装置でも見ることができる.どうやら汎用品らしい.

一方,このところの東急電車で確認しやすいのは,新型の列車無線アンテナである.なにしろ先頭車の屋根上をにらんでいればよいのだから.

最初のレポートは今年6月27日のここだった.編成は5165.その後5163,5159と続き5161,6165,5164
へと拡大,さらに5159,5151の各編成にも取り付けられた
 10月はじめには……
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5157編成である.確認したのは10月5日の朝だった.
続いて翌日の朝には
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5160編成への取り付けを発見した.偶数番号である.

まだ僕が見ていない編成もあるような気がする.けれどとにかく10本が取り付け済みであることは間違いない.

今日は夕方にも“変らないこと”を確かめることができた.それは西武鉄道2000系の2163編成.通風器がきれいさっぱり撤去された変化は7月2日のここでお話した.その時にも“列車無線アンテナは在来のまま”と報告している.あれから3ヵ月以上経過して,どうなったか気にしていたら,帰宅時の練馬の駅で遭遇した.
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豊島園からやってきた2063の編成.そういえば豊島園の駅名はどうなるのだろう…今のところ変更のつもりはないと発表されているが.
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その在来アンテナである.

少なくとも池袋線の2000系は,この編成を除いて取り替えがほぼ完了しているように見える.一方で6000系に新型アンテナはまだ,のようである.

ということで,不完全ながらも日々の観察趣味は続いているという報告でした.