先週のここでの最後に,“西武遊園地経由で多摩湖線へ.そこで見たものは……次回以降のお楽しみ!”と記した.西武鉄道山口線に乗るのは何年ぶりのことだっただろうか.随所に残るかつての路線の痕跡を楽しんでいたら,あっという間に西武遊園地に到着してしまった.
 そこで見たものは……タイトルに記してしまったから,ヒミツでもなんでもない.4輛編成になってワンマン化改造された9000系電車である.
 ……その前に西武遊園地のホームで気づいたこと,それは上屋の柱.2005年新年号の西武特集では,当時の沿線各地に残っていた古レールを捜し回ったのだが,この駅は抜けていたと思う.改めて観察してみたら,1902年の英国ボルコウ・ボーン(Bolckow, Vaughan & Co)の銘が,何本かのレールから読み取ることができた.仕向け先はIJRすなわち鉄道作業局だった.かつては石神井公園駅でも同類を見ることができたが,駅の高架化に際して消滅している.だからいまや貴重な“現役”かもしれない.
DSCN6060
山口線から多摩湖線ホームをみたところ.柱4本分だけが古レール製である.
DSCN6062
そのうちの1本から読み取ることができるBV&Co. 1902 IJRの銘.読みやすくするためにコントラストを上げるなどの加工を施している.

閑話休題…か?
山口線からすぐに乗り継ぐことができたはずの列車は,かつての“L-Train”,レジェンドブルーに装われた9108編成だった.池袋線から姿を消してから1年以上も消息不明で安否を気遣っていたのだけれど,この10月から,4輛編成となって多摩湖線で再デビューを果たしたのである.
 次にやってきたのは,立て続けに改造を終えて営業運転を開始した9105編成だった.
 お客さんが乗ってこないうちに客室を観察.中間車にはもとから車椅子スペースが設けられていた9200と9900が活用されているが,今回,先頭車にも同様のスペースが設けられた.中間車と異なっているのは窓下にヒップレスト状のクッションが設けられていること.
F8A_0534
9105の連結面寄りに新設されたフリースペース.9005にも同様の設備が設けられている.
F8A_0533
客室全景.一見すると以前と同じ風景のようだが,腰掛はバケットタイプに交換され,中央付近に握り棒(スタンションポール)が新設されている.

続いて運転室を観察する.運転席前面頭上のモニターは以前からあっただろうか.
F8A_0541
マスコンの形が異なっているような気がする.なお速度計左手に見えるのは,デジタル無線アンテナ装備に関連するのNECロゴ付モニターで,今回の9000系に限らないことである.

ということで,3年前に撮影した9104の運転室の写真を見直してみた.
R7A_1932
マスコンは101系由来の日立製作所製である.速度計左手の列車番号設定器は旧型である.

ということで,101系ワンマン車と同じく,デッドマン機能付きのマスコンに交換されているということになる.101系と同じだとすれば,ほかにはワンマン切換スイッチ,誤開扉防止装置設置,運転士マイクからの車内放送機能が装備されているはずである.いや,はずではなく,今回は記事化のため正式に西武鉄道にお訊ねして教えていただいたのだから間違いない.そのお答えによれば,列車種別表示器は撤去されているそうである.

ここまで観察したところで発車時刻になった.外観をどこで撮影するか,かぶりつきで線見.結果,武蔵大和と八坂の間が,目星をつけていた通り日回りや背景がよいことが判明した.ここは複線区間のようにみえるのだが,実は回田(めぐりた)という信号場である.
F8A_0549
やってきたのはさきほどの9105編成.秋の日は低くて動きが早く,この場所の撮影最適時間帯は少し前…お昼ごろだったようで,車体にケーブルの影が掛かり,正面は少し蔭ってしまった.
F8A_0564
こちらは9108編成.9105編成を撮影したのとは異なる踏切からの撮影である.こちらの方が建物の影も少ない.最初からここにすればよかった.列車無線アンテナは新型に交換されている.列車種別表示窓は確かに真っ暗である…あれ?

前から2輛目の電動車,9205の屋根が変だ.パンタグラフが2基になっているではないか.あとでどこかの駅で確認しなくちゃ,
F8A_0631
これが9205の9905寄りに増設された,いかにも真新しいパンタグラフ.萩山の駅での撮影である.

引き通しの取り回しはどうなのだろうというところに思いが至ったのは帰宅後のことだった.萩山の跨線橋から観察できたかもしれないのに.“次こそ”である.

さて,現在池袋線に残っている9000系は9101,9104,9106,そして9107の4本だと思う.一方で新101系ワンマン編成は8本(と,4輛とも電動車の編成が1本)である.今後,どのようになるのか,新宿線系統にも積極的に目を向けなければ…….

※2020.11.06:信号場の よみ 訂正