昨年12月11日のJR東日本総武・横須賀線用E235系1000番代お披露目以来,しばらくの間,新型車や新車の発表やお披露目が途切れていた.ところが今週,それも19日から今日にかけて,構想の発表から現車の落成,お披露目の知らせが相次いた.世の中,ままならぬものである.

最初は昨日寝屋川車庫で披露された,京阪電鉄の新しいプレミアムカーである.
 最初は8000系を改造しての登場だったプレミアムカーサービスだが,好評をもって受け入れられ,すべての特急車に組み込まれることになった.
 そのために3000系の中間車を新造したということなのである.
 プレミアムカーとは,2017年に,京阪電車創業以来初めての,有料座席指定サービス車のこと.京阪神間では乗車券だけでクロスシートにゆったり座って旅ができる,というのがこれまでの常識だったのだけれど,時は流れて特別車の需要が生まれたということなのだろう.
 当然のことながら客室のグレードは一段高くて,腰掛けは通路を挟んで1/2人掛けのリクライニング式.アテンダントが乗務し(現在は休止中だが)するという充実ぶりであった.
 前特急車に組み込むとなると,8000系の時のように在来車の改造というわけにはいかない.そこで3000系の中間車を6輛新造して在来の6号車を置き替えるという手法が採られた.新設計だから,インテリア設計の自由度は高い.
 シートピッチは1,040mmに拡大し,窓配置と座席の配置が一致するようになった.仕切壁には大型テーブルを設置した.室内の情報表示装置にも新機軸が採用された.側扉は,当然のことながら本来の3000系に準じた両開きである.
 営業運転は1月31日から始まる予定.早く乗ってみたいものである.
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僕の世代では“京阪特急”といえばカーマインレッドとマンダリンオレンジのツートーンカラー……なのだけれど,今回の青一色というのも悪くないと,来住憲司さんが撮影してくださったこの写真を見て,ふと思ったことである.寝屋川車庫 2021-1-20 写真:来住憲司
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本当に京阪電車?と,思わず見つめ直してしまいそうな豪華な客室.窓割と腰掛のピッチが一致しているというのは,やっぱりよいものである.欧州大陸などではあまり頓着していない節があるけれど.寝屋川車庫 2021-1-20 写真:来住憲司

京阪のプレミアムカーに驚いていたら,同じその20日,京浜急行電鉄からロング・クロス変換シート(L/C)装備車をデビューさせるとの発表があった.
 このリリースでビックリさせられたのはL/Cだけではない.なんと,トイレを備えるというのである.京急始まって以来ではないだろうか.

このトイレ付きL/Cカーは,いまや京急で最大勢力となっている新1000形のうち4輛編成の1800番代をベースとした1890番代だという.それも,800形で採用された,ダッシュ“-”つき番号で,1891-1と,製作中の写真にはっきり見える.
バリアフリー対応トイレのコピー
大型車椅子対応トイレの中.これも,“ホントに京急電車なの?”と思わせる光景である.しかも,男性用トイレも別に設けるというのだから,徹底している.4輛の中で,どのように配置されるのだろうか.写真:京急電鉄
最終製作中(2020年12月現在)
昨年12月現在の1891-1.やはり全面塗装である.しかも側窓上下に継目はない.総合車両製作所の“sustina”構造を採用したことが明らかである.乗務員扉と最初の側扉の間のスリット状の窓?も気になる.この部分にも腰掛を取り付けたのだろうか.写真:京急電鉄
クロスシート製作中
トイレと新しい車体の話題に,L/Cの存在が霞んでしまいそうだ.写真は製作途中の客室に据えられた腰掛.クロスシート状態を示す.写真:京急電鉄

京急電鉄のクロスシートへの“情熱”はなみなみならぬものがある.例えば,混雑時とそうでない時のせめぎ合いから,収納式クロスシーとともいうべき“ツイングルシート”というアイデアが,現在の600形に採用されたこともある.
 今回は4輛編成2本が製作され,春から営業運転を開始する予定とのこと.さて,お披露目はいつだろうか.

京阪のお披露目と京急の発表の前の日,19日にはJR東日本から新しい事業用車輛の発表があった.形式はGV-E197系とE493系.
 近年のJR東日本の車輛付番方式から,前者は電気式気動車,後者は交直流電車と判る.ではその中身は?

まずGV-E197から.両端に動力車を置き,中間にホッパー車を4輛組み込んで1ユニットとなっている.形式は動力車がGC-E197,ホッパー車がGV-E196.ホッパー車は貨車ではなく付随気動車という扱いなのだろう.現車は1月20日に新潟トランシス最寄りの藤寄から新津まで輸送されたようである.この最初の編成は高崎に配置とのこと.
GV-E197系
車体は20m級の長さのようだから,機器類は全部床下に取り付けることができそうに思うのだが,大きな側扉や換気口のようなスリットが見える.中身は? 写真:JR東日本

続いてE493系.車体はGV-E197と同じようにもみえる.とすれば製造は新潟トランシスが担当するのだろうか.2輛1ユニットのようである.
E493系
正面デザインなども両車共通に見える.連結器が,いわゆる双頭連結器であるのも同じ.交直両用だが,中央本線などの狭小トンネルは通過することができるのだろうか.写真:JR東日本

ともに今年春以降に投入されるとのこと.レール輸送は既にキヤE195系がどんどん装備されている.
 そうなると,DE10やDD51,EF64,EF65,EF81,そしてED75の命運は? “カシオペアクルーズ”の牽引機は?……趣味人としては大いに気になることである.

そして,今日.横須賀線逗子の駅から,真っ赤な電車が4輛,JR貨物のDE10 1666に牽かれて旅立って行った.しなの鉄道のSR-1系一般車である.
 形式はL/C仕様と同じで番号が200番代となった.車体そのものはもちろん,機器類もL/C仕様と同じに見える.けれど,赤い出で立ちが,いかにも華やかである.春から営業運転を開始する予定とのことだが,一日も早く,信濃路を走る姿を見てみたいものである.
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逗子の駅を出発した,しなの鉄道SR-1系一般車4輛.写真:前里 孝

JR東日本の721系に始まるこの正面の表情も,ずいぶんと仲間が増えたものである.そういえば千葉ではE131系が営業運転をはじめることになっている.報道公開が待ち遠しい.

と,4社5種類の新車を,一気に駆け足で紹介することになった,今週のブログである.