近在ですら出歩くことがままならない状況にあるのだが,その分,地元の鉄道で楽しむことができているかといえば,それも,なんだか不完全燃焼のような……
 いやもちろん,事務所への行き帰りに電車を使っているわけだから,それなりの観察は怠りないつもりではある,
 例えば東急電鉄5050系への新しいデジタル無線アンテナ取り付けが徐々に進んでいる.けれども5000系に取り付けられて例をまだ見ない.横浜高速鉄道のY500系もしかり.なぜなんだろう.
 デジタル列車無線アンテナ取り付けは,東京地下鉄10000系でも大部分が完了したように見える.しかしながら列車種別・行先表示装置は未だに3色のままの編成が多数残っているようである.これも,なぜ?
 デジタル列車無線アンテナは,西武鉄道の車輛では6000系への取り付けが,一向に始まらない.なぜ?

列車無線を取り替える気配がなかったのは9000系も,しかりである.しかしこちらは姿そのものが,明らかに減り続けている.
 ピンクの第1編成を皮切りに都合3本が除籍され,レジェンドブルーの第8編成が長らく姿を見せなかったと思ったら,黄色い別の1本,の第5編成とともに4輛編成化の上で,多摩湖線に移籍していたことは,既にお話した
 残る3本のうち,黄色の編成は第2編成と第4編成の2本が残っていたはずなのだが,第2編成は夏以降,見た記憶がない.武蔵丘の工場へ入場してしまったらしい.
 京急カラーの1本は,つい先日まで元気よく走っていたと思ったのだけれど,ふと気づいたら,姿が見えない…….
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通勤途上などで目にはしていたものの,“撮影”となると……ざっと遡ってみたところでは,どうやらこれが,僕が撮影した第3編成の最新の姿らしい.去年の春の雪の日の中村橋である.

と,いうことは,池袋線で10輛編成として残っているのは第4編成の1本だけ,ということになる.
 この編成は,本誌2017年12月号でのMODELERS FILEに際して,小手指車両基地で編成外観や車内などを存分に撮影させていただいた,思い出の編成である.
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2017年10月27日午後の小手指車庫.天候にも恵まれたが,西武鉄道の皆さんによる,理想的ともいえるセッティングによって,記憶に残る取材のひとつとなった.ただただ感謝である.

気がついてしまったら,さらに動向が気になるものである.
 朝晩はもちろん,仕事中でも駅前へ出掛ける用事ができると,少し時間を盗んで踏切のわきにたたずむのだけれど,そうは簡単に遭遇できるわけもない.もしかしたら朝晩のラッシュ時専用になってしまったかもしれないし.
 実際,久し振りに出会うことができたのは,夕刻の練馬駅だった.
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1月28日の午後6時.池袋行きの準急として姿を見せた第4編成.ホームドアが完備してしまったが,バリアングルファインダーのお蔭で,なんとか撮影することができた.

出会いはじめると続く.でも幸運は続かない.
翌日朝の練馬駅では…….
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新型アンテナと3色LEDの組み合わせとなった東京地下鉄10000系第32編成の到着を写していたら,急行線に黄色い電車が…….
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9000系だった.完全に重なってしまって,編成の撮影はできなかった.残念.

そしてさらに翌日土曜日.昼ご飯のために駅前へ出かけたついでに線路脇で少し待ってみたら,池袋行きの準急としてやってきた.
 土曜日でも動いているんだと思いながら折り返しを待っていたら…….
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背後からモーターのうなり音が.30000系ラッピング車てあった.

まったく悔しいことである.こうなったら意地である.昨日の午後,東長崎の近くで池袋行き準急に使われているのを目撃したので,土曜日と同じ場所で待ち受け…….
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この日この時,僕の背後は静かだった.家の切れ間から,ほんの一瞬,日が射して顔を照らしてくれた.

この”第4編成も,いずれ4輛編成となって多摩湖線に転籍するのは間違いないだろう.それまでの間に,記録できるチャンスは何度あるだろうか.

そしてさらに,もうひとつ気になっている西武電車がいる.それは池袋線の2000系の中で唯一,行先・列車種表示が幕式で残る2063編成である.1年ほど前に通風器が全撤去されてしまったとはいえ,ダブルパンタも健在だし,早く完全な記録を残さなければ…….それにしてもこの電車も,しばらく姿を見ていないのである.さぁて.