完成予想図などを本誌の昨年7月号“いちぶんのいち情報室”でお伝えし,第一陣の落成を9月号で報じた,JR東日本の房総地区用新型電車E131系電車が,本日,幕張車両センターで報道公開された.
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幕張において千葉方から見たE131系編成.手前がクモハE131-9,奥がクハE130-9である.構体はsustina構造で,房総の海をイメージした明るい青と内陸を彩る菜の花のイメージの黄色を配している.正面は房総の海の波しぶきのイメージだそうである

車体断面は新潟地区用E129などと同じにみえるが,側扉の数が片側4枚となっているのが新しい.また,E129系では全電動車方式を採用したが,E131系では電動車+付随車方式となった.
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客室は運転室寄りがロングシートで連結面寄りにクロスシートを配置したセミクロスシートである.
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大型車椅子対応トイレをクハE130に備えている.フリースペースと優先席は両車に設置した.
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運転室は貫通式正面の宿命で,それほど広いわけではない.しかし機器類は合理的に配置されている.頭上には車外の様子を監視するためのモニターが設置されている.
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車外の様子を撮影するカメラは,車体幕板部に1輛当たり4基ずつ取り付けられている.同様のカメラは東武鉄道20400型などにも装備されているのを見ることができる.

カメラといえば客室の前後端には防犯カメラが設置されている.そして情報表示モニターは1輛あたり4ヵ所.側扉上部に千鳥状に配置されている.

製造担当は総合車両製作所新津事業所である.
 主制御装置はフルSiCのSC123で,日立製作所製.補助電源装置は富士電機製のSC124.電動空気圧縮機は三菱電機製のMH3139-C1000EF-D15MAという組み合わせとなった.

そして台車は動力台車がDT80系で付随台車がTR273系とE235系1000番代と同形式だが,ヨーダンパや軸ダンパは取り付けられていない.
 主電動機は全閉外扇式のMT83で,定格出力は150kWとされている.
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クハE130の連結面寄り台車,TR273Aで,E235系1000番代用と同じ形式だが,ヨーダンパや軸ダンパは装備されない.左側にはトイレの処理タンクが見える.

このE131系,3月13日のダイヤ改正から外房線,内房線,そして鹿島線一円で営業運転に就役することになっている.

JR東日本千葉支社ではそのデビューに先駆けて一般向けの車輛展示会を企画している.
 日程は外房線勝浦駅(1番線ホーム)が3月2日(火)の13時半から14時半,内房線館山駅(1番線ホーム)が3月3日(水)の13時から14時,そして鹿島線潮来駅(2番線ホーム)が3月6日(土)の13時半から14時半となっている.
 各会場では改札外に受け付けが設けられ,受け付け順に専用口から入場及び出場という段取りがたてられている.
 受け付けに際しては検温と手指消毒を実施する.来場に際してはマスク着用が求められる.
 なお,COVID-19の状況次第では中止となることもあるが,その場合にはJR東日本のウェブサイトで告知することになっているので,前もって確認して欲しいとのころである.