報道公開が続いたと,先週,芳賀・宇都宮ライトレールHU300形お披露目の中で記した.今週の話題はどのようにしようか,ちょっと悩んだ.いわゆるネットメディアでは当日の午後……公開が終了するかしないかというタイミングで報じられてはいるけれど,それらとはひと味違ったご紹介ができるのではないだろうかと思い,やはり6月2日に催された東京地下鉄18000系をご紹介することにした.
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中央林間方から見た18000系第1編成.車号は手前から18001+18901+18801……となる.

電動車は1890x,1860x,1840x,1820xの4輛.主電動機は永久磁石同期電動機(PMSM)で定格出力は205kW.主制御装置はフルSiC素子適用VVVFインバータ装置で,ハイブリッドSiC素子適用の補助電源装置とともに三菱電機製である.
 車体の製造は17000系10輛編成と同じく,日立製作所が担当している.ただし17000系の8輛編成は近畿車輌の製造であり,車体の外観やシステムが10輛編成とは違っているようである.

この18000系,かねてプレスリリースで発表されている通り,有楽町線・副都心線用の17000系とは姉妹車となっており,実際,そのフォルムは極めて似ている.
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昨年8月に報道公開された17000系.光線状態は異なるけれど,似た角度からの写真で見比べてみると,似ているところ,異なるところが一目瞭然である.新木場車両基地

具体的な違いはさまざまあるけれど,もっとも目立つのは,いうまでもなくラインカラー.半蔵門線はもともと紫だったが,今回は紫濃淡となった.
 続いて目に入るの前頭部のライトケース.17000系が10000系譲りの丸味を帯びたラインであるのに対して,18000系では8000系や08系の面影を感じさせる,やや直線的なラインを描いている.全体的には17000系に比べてモダンなイメージが強いように思える.
 そうそう,車体幅も違っている.17000系が最大2,800mmであるのに対して18000系は2,780mmと20mm狭い.これは乗り入れ先各社の車両限界に対応するためである.先頭のラインが異なった印象を受けるのも,このあたりが影響しているかもしれない.
 そして連結器にも目が行く.とはいえ,17000系は18000系と同じ密連であるから,比較の対象は8000系や08系の自連ということになる.半蔵門線では東急電鉄も自連だが,東武鉄道では50000系で密連を採用している.万が一の救援などに際しては自連・密連アダプターを使うことになるが,これは他の路線でも同様の措置が取られているから,特別なことではない.
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客室にも紫色があふれている.腰掛は背摺も座面も紫だし,吊りても淡い紫となった.床面も,灰色が駆っているとはいえ,やっぱり紫.ここまで思い切ったカラーリングは珍しいかもしれない.画面の右端にちらりと見える赤い背摺の部分は,優先席である.

側扉上の情報表示モニターは17インチワイドタイプを2面ずつ,全ての扉に設けている.その横には防犯カメラが埋め込まれているが,こちらは千鳥配置である.
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運転室.基本的な機器配置は17000系と共通である.しかし頭上にあったワンマン運転用のモニターはなく,腰掛の表地は客席腰掛と同じ色となっている.

さてこの18000系,既に複数編成が到着しており,今月からは昼間の本線での乗務員訓練試運転が始まり,8月には営業運転を開始することになっている.
 その後は令和7年度までに全19編成190輛の投入を完了する予定である.これは,当初発表より少しペースダウンしている.これは最近のCOVID-19感染拡大に伴う輸送需要の減少に伴う修正である.いずれにしても190輛は8000系の現有車輛と同数であり,当入館料は8000系の消滅を意味することになるわけだ.

僕の地元の17000系もその増加が気になっているところなのに,新たに半蔵門線にも気を配らなければならなくなった.ますます忙しい日が続くことになる…….

最後にちょっと余談.
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この日,鷺沼へ向かうために乗った電車が,これ.番号をうまく写し込めていないが,8000系のトップナンバーだった.これもなにかのご縁というべきか.